第3話 チ○コの皮を叩け



「アンタ、明日から学校どうする?」


 あたしがそう聞くと、水希は天使の顔で考え込んだ。さすがに頭にチ○コ乗せてる場合じゃないって理解したかな?

 まあコイツの事だからどうせ、トイレどっちに入ったらいい?とか考えてるだけだったりして。


「あ〜学校かぁ〜。僕、どっちのトイレ入ったらいいんだろ?」


 あ、まさかの正解出ちゃった。なんでコイツの思考は下半身に片寄りがちなんだよ。その前にもっといろいろ困る事あると思うぞ?妹よ。


「アンタねぇ、トイレ云々の前にまず学校に入れないんじゃない?」

 

「え、なんで?」


「その身体で学生服着るつもり?どう見たって仮装女子だよ?だいたい、先生や友達になんて説明すんのさ?」


「チ○コが抜けました」


「止めなさい。パニックになるわ。怖い人達来るよ?」


「そっか、僕とポコさん(仮)悪の組織に拐われて実験台にされちゃうかもねぇ」


 悪の組織ってなんだよ?どっちかってゆーと政府関係の怪しい機関じゃないの?まあ、あのショッ○ーの正体は日本政府だったけどさ。


「黒服の外人さんが来るかもね」


 あ、ウイルス○スが来たらちょっと嬉しいんだけど。サインくれるかな?でも、結局バチっと記憶消されて終わったら意味ないか。


「ねぇちゃん、ウチ自転車あったっけ?」


「ん、折り畳み式なのが確か倉庫にあったけど。何すんのよ?」


「逃げる時にいるじゃん?」


 ああコイツ、チ○コと自転車で夜空飛ぼうとしてんな?つか名作を汚すなよ。まあ、あの宇宙人もでっかいチ○コに見えない事もなけどさ。

 イーティンコとか言ってみたり。


「あのー、男に戻れますよ?」


 アホな空想してたらチ○コがそう割り込んできた。


「え?僕、男に戻れんの?」


「はい、たぶん。またくっついたら戻るかと」


 又?股?ってちょっと待って!


「ちょっとあんた、水希の中に収まる気じゃないでしょうね?処女膜はどーなんのよ?処女膜は?」


「そんなまくし立てないでよ、ねえちゃん。膜だけにww」とか言ってる場合じゃねーわ。あんたの貞操の話だよ?


「ご安心を。中に入る訳じゃありません。表面上くっつくだけですよ」


「わぉ、○ョジョの石仮面みたい」


 レジェンドマンガとチ○コ一緒に並べんなよ。処女の奇妙な冒険とか、完全に炎上物件だわ。


「なに?あんた、そんな簡単にくっついたり抜いたりできるわけ?」


「多少のインターバルは必要ですけどね。まあ一回につき、2時間位開けてもらえれば」


「賢者タイムみたいなもん?」


「ですね」


 って、長いだろ?賢者タイム。普通若いとすぐ復活するんじゃないの?って言わせんなよ。


「と言うかワタシ、またくっつけて貰わないと大変な事になります」


「何よ?大変な事って?」

 暴走して、他のチ○コ食らうとか?

 分裂して無限に増え続けるとか?

 なに、めっちゃ怖いんだけど?




「充電切れて倒れます」


「スマホかよっ」


「それを言うなら、スマポじゃない?」

 だからお前は天使の顔で下ネタ吐いてどや顔するんじゃないよ。チ○ポと掛けてんだろーけど、ポしか合ってないわ。





「とりあえず、昼間はソイツ付けて学校行くしかないね。あと、言っとくけど、絶対学校で抜いちゃダメだかんね?」  


「抜かないよー」


「ほんっとに抜くなよ?」


「抜かないってば」 

 

 なんか、盛大にフラグ勃ててる気がするんだけど、あたしの気のせいかな?絶対押すな、みたいな。

 目の前に熱湯風呂とかないよね?


 





「じゃあ、水希。あんた明日から学校でだけ男で、家帰ったら女ね。これで決定」と、高らかに宣言する。


「えぇ?なんかめちゃくちゃ面倒くさいんだけど?」まあ、そりゃ混乱するだろうね。でも、

「異論は認めません」




 とりあえず今の中学卒業まではこれで行って、高校からは女固定でいいかな?その場合、チ○コが邪魔になるけど、誰か貰ってくれる人いないだろうか?メ○カリにでも出すかな。珍しいカリです、とか言って。そんで邪魔者がいなくなったら、毎日天使とアレコレできるかな?フッフッフッ、楽しみだわ。





「ねえちゃん、ねえちゃん」


「ん?なに」


「なに、じゃないよ。なんかH小屋みたいな顔してたよ?」

 

「越後屋ね?風俗店じゃないんだから」

 ぐっ、悪巧みが顔に出てたか。


「いや、結論出たらお腹減ったなって思ってさ。何か食べよーか?」と、誤魔化す。


「あー、そだね。ごめん、今日僕の食事当番だったけど何も準備してないや」

 うん、素直な君はねえちゃん大好きですよ?

 あたし等は普段、家事は交代でやってんだよね。かーさんは世界中飛び回ってるから、なかなか帰ってこないし。


「いいよ、こんなイレギュラーあったんだからさ。レトルトカレーでも食べよーか?」


「うん。ポコさん(仮)はどーする?」


「ワタシ、食事はしないです。水希くんから生体エネルギー充電させて貰えれば」


「ホントにスマホと充電スタンドみたいだね」

 と、ニコニコしながら言ってるけど、その扱いでいいのか?弟よ。それだとチ○コの方がメインになってるぞ?

 

 まあ、チ○コの食事シーンとか見たくないから良かったけど。因みに、ポコさん(仮)の目や口は亀の頭の横面に付いている。つまり、チ○コの先っぽ(オ○ッコその他モロモロが出るトコ)とポコさん(仮)の口は別になってる。頭のてっぺんに穴がある感じだ。某永沢くんをイメージしたらわかりやすいかな。身体全体は一応、オットセイ風だ。







「水希、洗いモンやっとくから風呂入りな?」

 簡単な晩ごはんの後、そう声を掛ける。


「え、さっきシャワー浴びたからいいよ。ねぇちゃん入ったら?」


「さっきって、まだ男だった時でしよ?女の子になったんだから、ちゃんと洗いなさい」おそらく地球上でここだけの会話だな、これ。


「は〜」

 水希はぶつくさ言いながらも、ポコさん(仮)連れて風呂場へ行った。あ、やっぱソレも持って行くんだ?まあ、洗うのが正解かな。良く考えたら、生身のチ○コがその辺歩き回ってる訳だし。


 


 洗いモンを終えて、二人分のパジャマを用意した後、あたしは風呂場へ向かった。何の為?もちろん、一緒に入る為だ。やっぱ姉として、初めて女の子になった子に、洗い方やらナニやら教えてあげないとね?うーん、煩悩全開の建前が苦し過ぎる気もするが。

 え?本音ですか?

 見たい、触りたい、の他に何があると?

 ふはははは。なんか、壊れかけてるな、あたし。




 脱衣場に入ったとたん、賑やかな嬌声が聞こえてきた。水希は元から声は高めだったけど、女の子になって華やかさが段違いに増している。やや興奮状態のあたしは服を脱いで、タオルで多少前を隠しながら、風呂場の戸を開けた。


 するとそこには……


 アヒルのおもちゃよろしく、湯船にチ○コを浮かべてはしゃぐ天使の姿があった。


 ああ、萎えるってこういう事を言うんだね。エッチしようと服脱がしたら、女の子がクマさんパンツ履いてた時の男の気持ちってこんな感じなんだろう。興奮状態一気に冷めたわ。

 おもちゃで遊ぶ歳じゃないでしょ?ってか大人のおもちゃみたいなもんだけど。


「えぇ?ねえちゃん、何入って来てんのさ?」

 水希が驚いて叫ぶ。


「あんた、ちゃんと洗わないでしょ?男の時はいいけど、女の子の時はダメだからね?今日はねえちゃんが洗ったげるから」


「えー、いいよぉ。狭いのに」


「いいから出なさい」


 水希がブツクサ言いながら湯船から出てきた。うわぉ、やっぱデカイよねぇ。形もいい乳だわ。おニューのお乳は張もすごいってか?一旦萎えた興奮の針が再び跳ね上がる。


「あ、そうだ。ねえちゃん、見てて?」

 水希はそう言いながら、湯船に残ったポコさん(仮)を指差す。すると、ぷかぷかと浮かんでいたチ○コは、突如平泳ぎをはじめた。


 うわーっ、チ○コ泳いでるよ?しかも、平泳ぎってどーなん?

 端まで行ったら見事にターンして今度はクロール。チ○コはそのまま背泳ぎ、バタフライと全て泳ぎきった。


「ポコさん(仮)スゲー」無邪気に拍手する水希。おそらくチ○コのメドレー目撃するのって世界初だろうね。いや、今日は世界初ばっかだけど。

 チ○コは浴槽のフチに立って、自慢気にポーズなんか決めてるし。

 ん?この無理やり腰捻ってスクっと立つポーズは?


「ジョ○ョ勃ち!」


 あたしはソレをピンと指で弾いて湯船に落としてやった。


「ホンット止めなさい。炎上するから」


「ねぇちゃん、ポコさん(仮)に容赦ないね。昔チ○コでなんかあった?」

 

 チ○コでなんかなんかねーわ。つかまだ未経験だわ。


「いいからあんたは座りなさい」と、水希を金色のイスに座らせる。

 あれ?そーいや今気付いたけど、なんでウチにスケベイスなんかあるんだろう?昔から意識しないで使ってたけど。まあいいか。


 まず水希の髪を洗ってやる。洗う前からサラサラなんだけど、より艷やかに丁寧に。ショートヘアの指通りがめちゃくちゃ心地良くてウットリする。


「どっか痒いトコない?」


「うーん、気分的にむず痒い」


「ばか。ほら、次は身体洗うからね?」


  さて、ここからが本場だわ。ぐふふふふ、どんな風に洗ってやろう?タオル使わず直でいっちゃう?うぁお鼻血出そう。今にして思えば、さっき一旦萎えたのは正解だったね。最初の興奮状態のままここまで辿り着いてたら、マジ理性がブッ飛んでたかも。不本意ながらチ○コに感謝だね。


 と、チラッとチ○コの方見たら、チ○コと目が合った。

 おい、なんか慌ててそらしてるけどもう遅いぞ?


「あんた、ガン見してたよね?」


「め、めっそうもないです」キョドるチ○コ。


「じゃあ、なんで筋立ってんのよ?」


「そ、それは、お風呂で血行良くなったからじゃないですかね〜?」


 あたしはゴチャゴチャ言ってるチ○コを引っ掴んて戸を開け、洗面所の方に放り投げた。


「あんた、先に上がってろ!」










「ぷはぁ、風呂上がりのポ○リは最高だね。水希、あんたも飲む?」


「うん、ねぇちゃん風呂長いんだもの。すっかりのぼせちゃったよ」

 バスタオル巻いたまま上気した顔でソファに寝転がる水希。

 まあ、念入りに洗ってあげたからね。あたしの煩悩込みでね。

 あ、言っとくけど洗っただけだからね?って誰に言ってんだか。


「早くパジャマ着なさいよ?」と、建前上言っとく。もちろん、本音は違うけどね。


「はぁ〜い」と、可愛い声で返事する水希。


「それと……」

 あたしはリビングのローテーブルの上に寝っ転がって、一心にテレビを見てるチ○コを向って言う。


「あんたは何くつろいでドラマ見てんのよ?」


「あ、今いいとこなんですよ。もうちょっとで犯人がわかるんで」


 はぁ?チ○コの分際でミステリー見てんなよ。つか、あんたが一番ミステリーなんだよ。







 夜も更けて、明日の準備も整って、さあ寝るか。

 うーん、今日はホントいろいろあったよねぇ。1年分驚いて、1年分興奮して、1年分疲れた気分だわ。


 あたしは自分の枕を抱えて、いそいそと水希の部屋へ向かう。

 何の為に?一緒に寝る為に決まってるでしょうが?

 他になにがあると?フフフふふふふふふ……

 駄目だ、完全に壊れてるな、あたし。



「水希、入るよー?」


 ドアを開けると、水希はもう布団に潜っていた。まあ、本人は相当疲れたろうね。


「んー?なに、ねぇちゃん?」と、寝ぼけた声を出す。


「一緒に寝よと思ってさ」


「ええー、いいよ、狭いからさぁ」


「お、いいんだね?」


「そっちの意味じゃないよ、もう」と背を向けて寝ようとする水希。


 えーと、チ○コは?と。いたいた、机の上で寝転んでる。

 よし、じゃあお邪魔しますよ?

 あたしは水希のベットに潜り込んだ。

 確かに狭いな。落ちそうなんで、水希に密着する。


「ちょっと、くっつき過ぎだってー」


「だって落ちそうなんだもん。なら、もうちょいそっち詰めてよ」


「仕方ないなぁ」と水希がもぞもぞ動く。


「ありがと」


 さて、ここからどうしてやろう?





 …ん?






 もちろん、一緒に寝るだけですよ?








 …………














 


 

 

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