自信喪失

(まずは、私に任せて!)シンディは静香に合図するとゆっくりと歩みを始めた。


「please help me」シンディは胸元を開放してセクシー満開の外人を演じながら、ガードマンに近づいていった。

 しかし、ガードマンは全く動じない。

「Will you tell the way?」少し前かがみになり胸元を強調してみた。・・・・・・しかし反応が無い。

 シンディの額に十字の血管が浮き出る。

 次の瞬間、右手のガードマンの首がポロリと落ちた。遠くで見ていた響樹の目が見開いた。


「無駄だ。こいつらは人間では無い!」静香の日本刀がガードマンの首を切り裂いたようだ。 首の無くなったガードマンが静香に向けて襲いかかる。彼女の刃は彼の体を切り刻んだ。その破片は、機械で出来たものであった。「カラクリ人形めが!」吐き捨てるように、静香が言った。


「自身喪失するじゃないの! 早く言ってよ!」シンディは、スカートの中に隠していたブーメランを刃のようにして、もう一人のガードマンを攻撃した。


 彼は、先ほどのガードマンと同様に、切り刻まれた鉄の塊に変わり、その場に朽ちた。

「ロボットなら、ロボットって初めから言ってよ!」シンディは、誰に言うとも無く文句を呟いた。


 シンディは、待機している響樹に向かってこちらに来るように手で合図をした。

「それじゃ、華麗。 きっと先輩は助けてくるからな!」もう一度、華麗の頭を撫でてから二人の処に走っていった。


「んんん!」華麗は納得がいかない様子で、呻き声をあげていた。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る