第2話 無理ゲー

ゲームを全クリしたファンとして、話の設定や流れについてはおおかた頭には入っていた。


今自分は海堂 新である。

そして明日来る主人公のハッピーライフをサポートする役でもある訳だが、まぁライバルという形で。

とにかくこの海堂 新というキャラクターは主人公をこの学校から追い出そうとするわけだが、どのキャラのルートに行っても最後は必ず逆に追い出される結果になる。

その後のことは本当に悲惨。

経営していた会社が倒産。闇堕ち。好きな人から国外に追いやられる。果てにはストーカーに殺される。など、とても見てられなかった。

そのため1部のファンからは可哀想だと、主人公以上の人気が出たほどだ。

つまり、俺はこのゲームのシナリオを進めると人生が悲惨なことになってしまう。

つまりどのキャラのルートに主人公を導こうが俺自身はバッドエンド。

無理ゲーだ。

主人公推しの俺としては主人公のハッピーエンドをサポートしたいが、さすがに転生先でも人生を棒に振るのは勘弁だ。


「そうだ!主人公と仲良くすれば、平和的解決になるのでは!?」


俺は1人部屋の防音を信じ大声でエイエイオー!と拳を突き上げた。

敵対しなければ、ただ見守るだけで言い訳なのだから、学校から追い出されることは無いだろう。

根本的な問題はこれで解決できる。


明日から頑張るしかない。


「とりあえず寝よう。」


時計の針が9時を指していたのを確認してベッドに入って即寝た。

何か忘れてる気がしたが、眠気には勝てなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る