まんまとスキルゲット!でも微妙っぽい?

 結構ハードだと思っていた自分の前世がまだまだ甘っちょろかった件……

 いやそれは置いといて。

 ここからは交渉タイムだ。

 少しだけイージー? とか言うフワッとした特典だけじゃ不満、と言うより不安過ぎる。


「もうチョット色付けて貰えません?

 ほら、オレってば衝動的に、ある日突然何の前触れも無く自殺しちゃう程度にはヤラレテた訳だし」


 なるべく哀れっぽく伝えて見る、何ならさっきからずっと涙目だし丁度いい。

 まあダメ元だけど……


「う、う〜ん。そうですね〜少し査定を見直してみましょうか……」


 あれ? 査定(?)し直してくれるの?

 この子良い子か? そういや良い子だったわ!

 そんな事を考えてる間に、死神ちゃんはタブレットをスイスイタプタプして査定の見直しをしてくれている。

 そして……


「はい、再査定が終わりました。

 予測されていた近未来の不幸ポイントも加味して再算出したところ、やはりベリーハードに限りなく近いハードでした……が!

 ほんの1ポイントの違いでしたのでココはオマケしちゃいます!

 他の方には内緒ですよ?」


 やったー! 有難う死神ちゃん

 ランクアップ(いや不幸度が上がったんだからランクダウンか? まあ良い)

 とにかくベリーハードになったって事はチート能力貰えるって事だろ?

 内緒? しますします。

 ここで目覚めてから、君以外にはまだ誰にも会って無いけどね!


「では異能力ガチャに一回チャレンジして下さい」


 そう言うとタブレットの画面をオレに向けて来た。

 画面には『異能力ガチャ-ノーマル-』と書かれたアプリが表示されている。

 ノーマルって事はレアとかも有るのかな?

 どうせならそっちの方が良かったけど、流石にこれ以上贅沢は言えない。

 一応良識有る大人ですから。


「じゃあ引かせて頂きます!」


 オレは右手人差し指に全神経を集中してアプリのスタートと書かれた所をタップした。

 この一発のガチャに今後の運命が掛かっている!

 そんなオレの気も知らず、タブレットからはピロピロと能天気な音が流れて来る。

 暫し画面を凝視。

 まあ初めて引くガチャだから熱い演出とかも良くわかんないんだけどね〜


 画面の中ではデフォルメされた天使っぽいキャラと死神っぽいキャラが、中央に置かれたプレゼントボックスの周りをクルクル回っている。

 その内2人のキャラはどんどん回るスピードを上げて、キャラが認識出来ない程のスピードに達する。そして『バーン!!』とか言う効果音と共にお互いが激突し目を回して気絶してしまった。


 えぇ〜これハズレ演出っぽい……

 あ、箱のリボンが解けそう。


 諦めかけた次の瞬間!

 天から一筋の光が降り注ぎ解けかけたリボンが結び直される。

 そして光り輝く衣装を身に纏った女神様風のキャラが降臨し、プレゼントボックスを胸に抱き抱えるとそのまま上方に飛んで行った。

 静寂の戻った画面の下からユックリと金色に光るプレゼントボックスが出現し、ふわりとリボンが解け箱の中から眩い光が溢れ出す……


 いやいやいや思わず見入っちゃったけど演出過剰過ぎだろ。

 死神ちゃんも口ポカーン状態だよ!

 そして画面に表示されたオレの能力は!


 S +『努力すれば何でも出来る能力』


 へっ?

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