自殺したら死神(美少女)に怒られた-2
「困るんですよ、勝手に死なれちゃ」
えぇ〜……何かやんわり怒られた。
雰囲気や口調も変わって、さっきまでの馴れ馴れしい感じでは無く、ちょっと事務的な?
所謂お仕事モードってやつか。
よく見ればにこやかな表情は崩して無いけど目が笑ってない様な……
「あのですね〜人には定められた寿命が有るんです。それが尽きた時に迎えに行くのが私の仕事なんですが、困るんですよ寿命尽きる前に衝動的に死なれちゃ。こちらにも色々段取りが有るんですから。お陰で残業確定です」
「あ、はい、すいません」
刺々しい口調で言われつい謝ってしまう。
「本当は普通に寿命全うした魂の
『色んなパターンが有るからこれも良い経験になるわよ♪』
なんて先輩は言ってたけど、絶対面倒臭いの押し付けられたんです。あ〜もうどうしてくれるんですか!」
今度はキレられた。
じゃあ断れば良かったんじゃあ……
「そんな事したら他の誰かが迷惑するでしょ!」
あ、この子良い子だ。
それより最後の見極めって何さ。卒検みたいなもん?
オレって程の良い卒業課題?
「んんっ。では今後の貴方の扱いについてご説明します」
一つ咳払いをしてから事務口調に戻った。ここからが本題か、っとその前に。
「話の腰を折る様で悪いんだけど、質問とお願いが有るんだけど良いかな?」
「なんです? これから大切な話をするんですが?」
そう言いながらジト目で睨み付けてくる。
そんなに嫌そうな顔しなくても、まあ仕事の邪魔されるのは嫌だろうけどさ。
「まあそう言わずに、蟠り無く円滑に話を進める為にも」
「はぁー……わかりました何でしょう?」
うわ大っきいため息。
「では先ず質問から。魂の御迎えって言ってたけどそれってつまり天使的な?」
「死神です」
……おおう、真反対な答えが返って来た。
死神様だったか〜じゃあオレ地獄行き?
「私の職業は死神ですが、天使と死神は言ってみれば職務内容の違いです。
天使が事務職で死神が現場仕事みたいな感じですね。入魂手続きまでは死神でそれ以降は天使、と持ち場が分かれているんです。
なので私が迎えたからと言って地獄行きとかでは無いですよ」
あ、そうすか。
死神って聞くと余り良いイメージ湧かないけどそう言う物なのね。
って言うか天使って事務員なの!?
じゃあ……
「次はお願いの方だけど、思考読み取るの辞めてくれない? お互いちゃんと言葉で会話しよう」
別にやましい事を考えている訳では無いが、頭の中を常時見られてるってのは流石に落ち着かないのでお願いしてみた。
えっ! と言う顔で明かに死神ちゃんの表情が変わる。
「いいいいやこここれは規則で切れない事になっていましててて」
いや動揺し過ぎだろ。
「いやさ、ずっと考えた事読まれてるって思うと落ち着かないんですよ。完全には無理でも少し弱くするとかでも良いから」
100を提示しておいてから75位の譲歩を持ちかけて見る、取引の常套手段だね。
「ま、まあ思考伝達強度を下げる事は出来なくも無いですが……」
出来るんだ言って見るもんだね。
ってこの思考は読まれてないのか?
うん、何か動揺の方が強くてそれどころじゃ無いみたい。
「わかりました、その代わりそれが終わったら仕事の話しを進めますからね。良いですね!」
言いながら何やらタブレットを操作している。
えっ? その思考なんたらってのはアプリか何かなの?
「はい調整しました。これで貴方の思考は殆ど読めなく……」
言い終わる前に死神ちゃんの手がプルプル小刻みに震え出し、顔色もみるみる血の気が引いていく。
「あ、あの〜大丈……」
あまりの変化に流石に心配になって近づこうとした途端。
「ぴい!」
そのまま後ろに吹っ飛ぶ様に避けられ3m程距離を開けられてしまった……
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