18枚目 お肉休憩

「うは~、お腹いっぱい~。」


「さすがにちょっと食いすぎたかも、うっ、自分ちょっと休憩するぜ……。」


「テンコもケイも自分のペースも持たずがっつくからだ。あたしはまだのんびり食べるぞ。」


「私も休憩しようかしら。ふう。」


「おい、あたしが食いしん坊みたいになってるじゃないか!」


「私はちょっと車に横になるわ。あとはよろしく~。」


 そう言ってお姉ちゃんは私たちを残して行ってしまった。


「じゃああたしがちょっとチルっぽいの流すか。」


 ヒメはスマホとBluetoothスピーカーを同期させると、曲を再生しました。角の丸いパーカッションの音にエフェクトのかかったリーディング。民族音楽的にしてソフィスティケートされたサウンドアート的な音像。


「え、なにこれ、民族音楽っぽくてすごく好きだわ!」


「こいつらはAsa Toneのアルバム"Temporary Music"だ。ジャカルタのジャングルの仮設スタジオで録音したという、プリミティブな一面を持つ作品だぞ。」


「トライバルとスペーシーな要素がこんなに上手いこと融合してるたあすげえな。」


「ニューエイジの再発見がこういう音を楽しむ耳や嗜好を養ってくれたのかもしれないな。キャッチーだし、ダンスミュージックが好きなケイや、ワールドミュージックが好きなサトにもイケるんじゃないかと思って持ってきたんだ。」


「あ~、1曲目の"To Tell a Picture"から凄いチルアウトするね~、眠くなってきた~。」


「今寝たら太っちゃうわよ。」


「……テンコのお姉さん、寝に行ったよな。」


☆ ☆ ☆


Asa Tone - Temporary Music - 2020

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