食べてしまったアイツに再会!!
宿を後にして、そして【始まりの街】を出てからおおよそ3、40分程経った頃だろうか。
初めての隠しダンジョンを攻略した【森と泉】のフィールド……そこは、オレにとって思い入れの強い場所だ。
崖から落ちる。そんな間抜けな事もあったが、最初の仲間に出会えた場所だからだ。
「早く戻って来いよな!?」
そして、見慣れた森……深くなる茂みと、聳(そび)え立つ木々…シズと出会った当時を思い起こさせる。
「また、ここに来ちまったな!?」
そう、ここは【森と泉】のフィールドだ。道中、モンスターの群れに遭遇するが、その全てをスルーして来た。早く1層を突破したい。その一心でここに辿り着いたのだ。
茂みを掻き分けて、【森と泉】の奥へと進む。
「ここって……オレが落ちた崖だ!!」
オレは崖の先へと歩き出して、谷底を眺める。ドキッとオレの身体が一瞬にして冷やされ、脚が竦(すく)んだ。
「やっぱり……この先が怪しいと思うんだよな!?う〜ん……飛び降りたいけど…ダメージが心配だし!うん?今なんかピンと来たぞ!!」
そう呟いては、オレ以外のプレイヤーが辺りに居ないことを、首を振りながら確認する。
「よしっ…多分、誰も居ない!!スキル!【銀龍使い】!!」
スキル詠唱後、オレの後方の地面が盛り上がり……そして、地面が砕けては亀裂が走り……その亀裂は大きく広がって、激しい地響きを起こす。
その瞬間、大きく開いた亀裂の中からとてつもなく大きいドラゴンが……銀に輝く鱗を施し、雄叫びと共に大きなふたつの翼を羽ばたかせ、尖った長い尾を地面に振り下ろした。
「久しぶりだな、銀龍!!……やっぱりお前、デケェわ!!」
突如として姿を現したそのドラゴンは、つい昨日オレの胃袋に入った≪
しかし、昨日の≪
「なっ、なんだよ!?お前……頭撫でて欲しいのか?」
そう言うなり、オレは手元まで下された銀龍の頭に手を差し出し、頭を撫でる。
「ギューーーーン!!ギュンギュン!!」
コイツの巨体を目にして、何処からそんな声出てるの?と言いたくなるほどの可愛らしい鳴き声を上げたのだ。
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