08:接続

オペレータ4「そのまま戻れる?」


パイロット4「・・・待って」


AI10「損傷状況を確認します」


パイロット6「やっぱAIはちがうね」


パイロット5「何が?」


パイロット6「私だったら「ちょっと待って」っていう気がする」


パイロット5「・・・それは人によるんじゃない?」


パイロット6「そう?」


パイロット4「ノイズがのる・・・AI10、アームの制御切れる?」


パイロット6「ノイズ?」


AI10「アームの制御は遮断しました・・・ショルダーまで損傷があります」


オペレータ6「パイロット4はロボットに自分をつないでAI10はサブになってる」


パイロット4「接続切るから操縦をお願い」


AI10「了解」


パイロット6「へ~つながるんだ」


パイロット4「自分の体を動かしているのと変わりません」


パイロット6「なるほど・・・すごいね」


パイロット5「興味あるんだ?」


パイロット6「私ロボット工学が専門だからね」


パイロット5「そうなんだ、それで、どうしたらいい?」


オペレータ4「損傷状態でも稼働データを取りたいから可能な範囲で戻って


パイロット4「了解」


演習場の側道にロボットを運搬できるサイズのトレーラーが待機している


3機がならんで歩く


パイロット5「なんでパイロットになったの?」


パイロット6「ん?本当はパイロットになりたくて・・・ロボットを造るつもりだったんだけど、先にできちゃったからね、この子たちの中身はだいたい把握してるよ」


パイロット5「なるほどね・・・選考理由がそっちか」


パイロット6「そういえばパイロット5は」


パイロット5「ん・・・ちょっとね、けがをして前線には出れなくなった・・・そんな時にこの話があってね」


パイロット6「そっか」


オペレータ6「戻ってきたらモニター直すから・・・午後の演習は中止かな」


パイロット4「予備の機体はありますか?」


オペレータ4「あるけど・・・システムを積み替えるのに時間がかかるから午後は中止だね」


パイロット4「すいません」


オペレータ4「ん、これも含めてデータ収集だから問題はないよ午後は1~3と5の機体でいいでしょう」


パイロット4「はい」


パイロット6「午後は・・・なんだっけ?」


オペレータ6「連続稼働テストだからこのままバッテリーが切れるまで行動して充電して戻るだけ」


パイロット6「ん・・・そっか」


オペレータ6「4機分テストできれば十分でしょう」


パイロット6「戻ったらなんかある?」


オペレータ4「ちょうどいいからパイロット4とコミュニケーションをとってくれる?」


パイロット6「はぁ?」


オペレータ4「それも今回のテストに入ってるからよろしくね」

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