第3話 親友(2)

「どういうこと?」


 伊月は私を嫌っているわけじゃないのかも、と少し期待してしまう。


「伊月くんね、瑠香ちゃんが転校してから、人が変わったみたいに明るくなって」


 いつもおとなしかった、伊月が?


「たぶん、元気だった瑠香ちゃんが転校しちゃったから伊月くんが明るくならなくちゃって思ったんだろうなあって。伊月くんは伊月くんなりに思うところがあるのかもよ」


 じゃあ、また仲良くなれるのかも? なんて思ったけど。



『もう、近づかないでくれる? 迷惑だから』



 あの言葉を思い出してしゅん、となる。


 気づかないうちに震えていたみたい。


 りんが温かいココアを持ってきてくれて、ブランケットをかけてくれて。


 私は泣いてしまった。


「伊月とまた、はなしたいよぉ」


 りんは私が泣き止むまでずっとそばにいてくれたんだ。


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