3日目

 キツネは街道に来ますと、タヌキとは違って歩き回りました。

 だけれど、タヌキを見つけられません。


「何かに化けろっと言ったのに、自分は化けないつもり!?」


 と、キツネはカンカンに怒りましたが、ふと見ると自分が昨日化けていた枯れ木。そこに渋柿が一個なっているではないですか。


「バカにしているの? まあ、あのタヌキのことだし、アタイとは違ってこんな渋柿にしか化けられないのね」


 と、するすると枯れ木によじ登りますと、仕返しとばかりに渋柿にかぶりつきました。


「ぐふぇ、何これ!?」


 タヌキの仕返し、と噛みついてみればそれは本当に渋柿。もの凄いマズい味でたまらなく、キツネは枝から転げ落ちてしまいました。


「ハハハハ! 引っかかったね」


 キツネが気が付くと笑い声が、目を開けてみるとタヌキがのぞき込んでいます。

 またどこかでキツネの行動を見ていたのでしょう。


「僕の勝ち」

「化けているんじゃないの!? これでじゃあ約束が違うわ」


 と、キツネは抗議しました。確かにルールは見つけるかです。


「分かったよ。では、明日はきみの番だ」

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