あとがき アサヒ以外の短編

 KAC2020ですが、去年のKACでは4作品同時掲載をやらかしていた私です。当然『魔法少年アサヒ』の公開だけで満足出来るはずもありません。今年(※執筆時)は去年と違ってエッセイの仕事量が増えていたので去年同様の4作品掲載はしんどいと判断。

 そこでアサヒ以外に1作品、つまり、お題ひとつに付き2作品公開と言う事にしました。


 アサヒと違って連作短編にこだわらず、ネタが思い浮かばなかったら単独短編もアリと言うルールでの執筆に。トリも必ず出す訳じゃないと言う感じで。

 そんな中で書いた5つの作品は、自分でも割と気にいっております。



 フクロウ祭りの思い出


 KAC20201『四年に一度』のお題で考えた話。この頃はやっぱりトリは出さなくちゃと考えていたので、トリを出した上での四年に一度を考えました。そこで思いついたのが四年に一度開催されるお祭りと言う設定。お祭りの名前はベタですがフクロウ祭りにしました。そこまで考えたら後の流れはスルスルっと出来ましたね。


 と言う感じで、その特殊なお祭りでしか会えないボーイミーツガールのプロットが完成します。最後はお祭りが開催されなくなって淋しいなと言う一見バッドエンド展開ですが、その時、窓から見える景色にトリが――と言う含みをもたせたエンディング。

 こう言う、『後は皆さんの想像にお任せします』みたいな話はいいですよね。自分的にも上手く終われたかなと思います。



 もうひとつのフクロウ祭り


 KAC20202のお題が『最高のお祭り』だったので、フクロウ祭りの続編を書く事にしました。この『少女が実は異世界から遊びに来ていた』設定は、前作フクロウ祭りの時に設定していたんです。語らないけど、別に語れなくてもいいかなって。

 そうしたら次のお題がお祭りになったじゃないですか。なので、満を持してこの設定をもっと詳しく描写し直す事にしたんです。


 前作では固有名詞は敢えてトリ以外出さなかったので、今作では全て明らかにして差別化を図りました。ヒロインの名前がりらと平仮名なのは独自性を出すためですね。りらの名前の元ネタは宇宙人、リラ星人から取っています。簡単に言うと地球人にそっくりで優しい宇宙人なんですね。

 この元ネタから分かる通り、りらのいる異世界は別の星です。名前の元ネタはリラ星人ですが、リラの住む異世界の方の元ネタはアガルタ。地球内惑星です。


 と言った感じで、かなりスピリチュアルな設定でこの話は出来ていたんですね。ほぼ語っていませんけど。こう言うのは本編では全く語らないくらいがバランスがいい気がします。スピ要素を感じると興ざめする人もいるでしょうし。

 最後はこっちの世界で終わってしまったフクロウ祭りをいつか復活させると言う〆なのですけど、こう言う終わり方もいいですよね。



 初めての友達


 KAC20203のお題『Uターン』用の短編です。Uターンと言うと、地元に戻ってくると言うのがベタですけど定番ですよね。ただ地元に戻るだけでは話が膨らまないので、そこから一捻りしてみました。

 戻ってくるけど友達がいないし、中々馴染めない。そこでとあるきっかけから友達が出来ると言う展開は拙作『コビトさん(仮)』と同じパターンですw


 今回の話、全く語っていませんけど、地元にUターンで戻ってくるってどう言う状況だろうと考えて、離婚してシングルマザーになって実家に泣きついたって事にしました。そこは敢えて細かく描写しませんでしたけど、分かりましたでしょうか。作中でお父さんが出てこない事で分かった人も多かったかも。


 座敷わらしかと思ったら守護霊でしたって言うのも、ちょっと捻ってみた結果です。守護霊だからずっと見守っているし、それはこれからもずっと変わらない。このテーマはいつか描きたかったので今回書けて良かったです。

 トリ縛りなら猫又の代わりにフクロウの精霊とか出しても良かったのですけど、別にそう言う縛りもないし、この作品の雰囲気なら猫又で正解だとトリの出演はナシとなりました。この作品は自分でも気に入っているお話です。



 疫病神をやっつけろ!


 KAC20204のお題は『拡散する種』。このテーマで一番最初に思いつくのは花の種ですよね。とは言え、あんまりベタなのもつまらないと、拡散からイメージを広げて今流行中のウィルスに繋げてみました。今一番ホットで厄介な拡散ですものね。

 と言う流れで、今のウィルス騒動は疫病神が広げているんだと言う設定にして、退魔モノの話が出来上ったのです。ここまで来たら話はスルスルと降りてきましたね。


 妖怪と人間のバディモノは結構好きなパターンなので趣味全開です。実に楽しく書けました。肝心のバトルも銃撃戦にした事で難易度低めの描写で済みましたし。この設定ならいくらでも話が書けそうです。


 バディの鬼の善鬼は役小角が従えていた前鬼、後鬼の前鬼が元ネタ。ベタですねぇ~。ヒロインのみちるの名前の元ネタは……イメージしたものは特にないです。何となくですねぇ~。私のキャラの名前は8割何となくですヨw



 四年に一度の最高のお祭りのためにUターンした拡散する種がどんでん返しでいい感じになる話


 KAC20205のお題は『どんでん返し』。これには困りました。どんでん返しなんて物語の基本中の基本。敢えてそれをお題に出してきたと言う事は、とにかくすごいどんでん返し、読者の予想を裏切らなければなりません。私、そう言うの苦手なんですよね。


 取り敢えずどんでん返しが出来ればいいので、まずは話の骨格を考える事にしました。お題が物語の展開に関わるものだったので、とにかく全力でネタに振り切ってやろうと思った末に辿り着いたのが全部のお題入り作品です。去年もそう言う作品がありましたからね。


 今回の場合、たった5つのテーマを入れればいいので自分でも出来るかなと、どんでん返し以外のお題でイメージを膨らませて、予言マニアな女の子が生まれました。

 最初のどんでん返しは孤独だと思っていた女の子には同志がたくさんいたって流れだったのですが、それだとインパクトが弱いかなと執筆前に考え直して、今のただの茶番劇になりました。どうだったでしょうか。アレが今の自分の精一杯ですw



 と言った感じでですね。アサヒ以外の短編はA面におけるB面の雰囲気で書きました。お題はアサヒで消化したので、もうひとつは完全にプレッシャーから開放された中で作っていきましたね。思いつかなかったら書けなくてもいいやって思いながら。

 だからこそ、割と自由な発想が出来たんだと思います。今回のアニバーサリーも、とても充実した日々を過ごさせていただきました。運営さん、有難うございます。来年も是非キャンペーンを開催してくださいね。


 と言う事で、こちらのあとがきもこの辺りで終わらせていただきます。最後までお読みくださり有難うございました。

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