第29話 100回以上

後日。

学校が終わって、私と恵は千秋を呼び出した。

「千秋、話したいことがあるの。時間ちょうだい」

話が長くなるので、落ち着いて話ができる場所に移動する。千秋の家ね。

移動中に恵は何も話さない。千秋に受け入れられるか心配なんだろう。

千秋の部屋で車座に座り、私は口を開いた。まずは恵の心を落ち着かせたい。

「千秋、あなたに聞くわ。今、私たち付き合ってるよね。先日も聞いたけど、私が存在しなかったら千秋は恵を愛してると思う?」

千秋は色々考えながらか、ゆっくり頷いた。

「恵の事は今でも好き?」

ああ、との返事。

「今、日本の法律が変わろうとしているのは知ってる?」

千秋は首を振る。

まぁ、知らないよね。私だって詳しくは知らないし。

「何年後になるかは分からないけど、日本も配偶者を複数持つことができるようになるの」

へぇ、と返事をするもまだ分からないようね。

「私はいつか千秋と一緒になりたいと思っている。配偶者として添い遂げたいってね。でも千秋は私以外の配偶者を持つことも可能なの。もちろん条件はあるのよ」

「千秋は私と恵を愛しているんでしょ?2人ともお嫁さんにしてくれないかな」

千秋も私の言いたい事を理解したみたい。

「彩奈も恵もすごくいい女だよ。普通に結婚したいと思えるような。まぁ、まだ高校生だけどね。2人と結婚できたらそりゃ最高だろうけど、お前たちはそれでいいの?2股になるんじゃないの?」

「それぞれに内緒で付き合ったら2股ね。でも私たちが2人とも納得して、一緒の家族になるのなら問題ないわ」

千秋は恵に意思を確認する。2人でなく3人でいいのかと。

「彩奈ちゃんと千秋が好きあってるのはわかっている。でも、私も好きが止まらないの。千秋がほしいよ。一緒に笑って一緒に泣きたい。千秋の事がどうしても好きなの」

「千秋はこれから仕事でも沢山の女性と知り合う。私が仕事で会えない時も、恵が一緒なら安心できる。私は千秋を愛してる。同じように恵も好き。3人で幸せになりたい」

途中から恵が大泣きしだした。私もつられて涙がでる。

「わかった。お前たちが納得しているならいい。俺は最高の嫁さんが2倍になったんだからな。世界一の幸せ者だ」

千秋は私と恵にそれぞれキスをしてくれた。私も恵も涙で顔がぐちゃぐちゃだ。でも泣きながら笑ってる恵の顔は綺麗だった。

千秋は私たち2人を両手で抱く。

「彩奈も恵もつらい思いさせてゴメンな。俺、頑張る。お前たちを幸せにするから。年取ってお婆ちゃんになって死ぬときに、俺と一緒になってよかったって安らかに逝けるように頑張る」

「「殺さないで」」

もう、千秋は話が飛びすぎよ。

「3人なら何があっても乗り越えていける。きっと楽しい未来が待ってるから。いや俺が楽しい未来にしてみせるから。だから俺の事を愛してほしい。俺も全力で愛するから」

本当に千秋は私たちが欲しい言葉をかけてくれる。

「私たちもこれからは協力し合いながら生きていくのよ。隠し事はなし。千秋とエッチしたら報告ね。恵は覚悟してなさい。千秋に抱かれたら嬉しすぎて泣くわ」

「彩奈ちゃん、それって痛いの?気持ちいいの?」

「まず、今日から彩奈ちゃんはダメ。彩奈って呼んで。それとエッチはね、虜になるわ。もちろん相手が千秋だから。際限なく千秋を求めちゃうから。最初は怖かったけど、それ以上に深くつながっていることが幸せ」

千秋には本当にメロメロにされた。

「千秋はちゃんと抱いてあげなさい。ただし、避妊はちゃんとするのよ」

とりあえず私は帰るか。あとは2人で少し話をさせたほうがいいからね。



彩奈は先に帰って行った。今は恵と2人きりだ。

「ごめんな、恵の気持ちに気が付いてやれなくて」

恵は抱きついてきて、キスの嵐を浴びせられた。

「好きなのっ、千秋が好きなの」

「ああ、俺も好きだぞ」

恵を抱きながら頭を撫でてやる。

「小学校のころからずっと好きだった。一度諦めた夢がかなった。もっとギュってして」

強く抱きしめてやる。

「必ずお前を幸せにする。お前の事大好きだから。付き合ってよかったって思えるように」

えへへ、と微笑む恵はやっぱり可愛い。

「お前はやっぱり笑ってる顔がいい。その笑顔が大好きだ」

「千秋はおっぱいも好きでしょ」

「あぁ、大好きだ。でも誰でもいいんじゃない。俺が吸いたいおっぱいは2人だけだ」

「いい話装って爽やかに言っても、内容はエロ千秋だからね」

確かにそうだ。吸いたいんだ。本能だからしょうがない。

突然、恵はシャツを脱ぎ、ブラジャーをはずした。

「デカい」

大きくて形のいい乳に目を奪われる。

「吸って。たくさん吸って。この体は千秋専用だから。千秋以外には見せないし触らせないから」

俺は恵を口にした。

15分位吸っていただろうか。恵の目はトロンとしている。

でも恵は俺の頭を撫でながら、

「今日はここまでだよ」

そんな、俺は臨戦態勢になっているのに。

「もう家に帰らなきゃ。今度、朝から晩まで時間をかけて抱いて。今日は私の事を考えながら自分でしてね」

「まじかー。辛いな。でも恵の承認ありならスッキリできるわ」

「私を思いながら自分でしたことある?」

「昔はよくお世話になってたな。最後はお前の笑っている写真を見ながらフィニッシュだな」

「私は今も昔も千秋でしてるよ」

「俺で?何回も?」

「100回以上」

身支度を整えた恵は帰って行った。


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