さらわれ続けたお姫様

ぺんぎん K

第1話

何年か前に書いた詩の姿かたちを思い出そうとして

迎えた君との朝


午前四時の恐怖と無印良品の白い時計は

君が作品と共に飛行機に乗って青空に持ち帰った


安心感と肩の荷を下ろして、物足りなさを手に入れた村人レベル1

勇者になって、君の国に行く別の誰かの身を案じ

僕は東京16ビートを刻む


一曲すべて演奏するとレベルアップ

経験値に価値はなく、この職業に終わりはない


電車の中で週刊誌を読むおじさん

裸の女のような作品をもう一度

いつだって純潔だった彼女のように


帰りがけのスーパーに置いてあった黄色いチューリップ

演奏をやめ、君をもう一度思い出すのは一体いつになるだろう

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さらわれ続けたお姫様 ぺんぎん K @kawarasoba

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