お題「夢の中」「白雪」「食べる」

 あのウェブ広告のせいだ。

 最悪な目覚めだった。


 夢の中で僕はゾンビになっていた。

 荒らされた会社の一室。

 だいぶ前に血飛沫がぶちまけられ、茶色の縞模様が描かれていた。


 そこに僕が新たな縞模様を描く。

 僕は憧れ――いや、淡い恋心を抱いていた先輩を食べていた。


 ぐったりと横たわった先輩の、動きを止めた胸の上に、未だ下げられたネームプレート。

 何度も心で読んだ名前。

『野白雪子』の文字は血で染まり、もはや名前を判別することはできない。

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