最終話「遮蔽」
前回の
今、月着陸船の
「いやー、やっと着いたね、月。社員旅行でまさか月に行けるとは思わなかったよ」
部長は
「ホント
女が笑顔で
外ポケットから、宇宙空間で使えるように開発されたスマートフォンを取り出した部長は、間違って連写したりしつつも月面の写真を
部長が「ハッシュタグ、『月面で月見』っと」と
「うわ、部長のインスタ全然面白くないですね! これ月見って言えるんですか?
女の提案を部長は「いや、
「そうですか? ……それじゃあ私も『月なう』でツイート」
「うわ、君のツイート全然面白くないね」部長はニヤニヤしている。
「何同じこと言い合ってるんですか」
上司と部下とは思えない
「スマートフォンなんて見てないで、他にしたいことないんですか? 月なんて
「急にどうしたんですか。海外でスられた人の反応ですよ、それ」
女は少し笑いながら言った。
「今
「そうですね、私がやりたいのはこれですよ」
女が
「部長に
「えぇ、やだなぁ。人生最後の1ページがインスタの更新になるの?」
ため息を
「そうか、着陸船が君と俺の二人だったから
「もっとしっかり手を上げてください」
部長は
「あれ、どうしたんですか?
「してないよ! これ以上上がらないの。あのねー、船内トレーニングで肩痛めちゃってね、
女は心配を
部長は少し笑った後、
女が部長の命を
「一回考え直してみたんです」
「考え
部長は
「はい、その結果、場所って重要だなぁと思いまして、暗殺の
「いや何を
「私は加害者になりたいです」
「加害者になりたいって何!? そんな文章存在するの!?」
「つべこべってもキリがないですよ、部長! いい大人なんですから
「よく俺が悪いみたいに言えるね」
不満を
「そ、それは紙じゃないですかぁ!」
「紙だね」
部長はコピー用紙を右手で
「教科書とかでよく見るやつだよ。α線は紙一枚で
「α線が、紙に負けるだなんて……。紙に勝てないのはグーだけだって決まってるはずじゃないんですか……?」
そう言って銃を片手に座り込んだ女は気付く。
「つまり、α線はグーである可能性があると。チョキには勝てるということなんでしょうか?」
「月にまで来て何を言ってんの、君」
部長はため息を
「本当はこんなことしたくなかったんだけど、君は全く
部長は
「君はもう社員じゃないから宇宙船には乗らなくて
そう言いおいて、部長は
「あーそうだ、最後だから言っとくけど、紙がなくてもα線は服で
「え」
「それに、服がなくても上皮組織で止まって内部まで
「え?」
「だから、α線の外部
「えぇ!? 放射線なのに!?」
「この状況でも礼儀正しいのは
部長は
「それじゃあ。良い月面ライフを」
部長の捨て
手から
女は
「どうやって帰りましょうかね……」
女の
完
届け、α線 宮瀧トモ菌 @Tomkin2525
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