あなたの金持ち描写は、もう古い!

 あなたは、「金持ちを描写しろ」と言われたら、どう描写するだろうか?


 とりあえずスポーツカーを大量に所持し、高級な寿司を食い、豪邸に住んでいるというイメージだろうか。



 だが、リアルな金持ちは意外と質素で、合理的な考え方を持っている。


 たとえば、「ウォーレン・バフェット」という伝説の投資家の投資家がいる。


 オマハに本社を置く持株会社『バークシャー・ハサウェイ』の株主総会は、一風変わっていて、パーティでは、当会社の会長兼CEOのバフェット本人に質疑応答ができると人気だ。

 なんと、四万人が集まる。


 自身の名前を刻んだ会社傘下の商品を、総会の参加者は箱買いしていく。


 バフェットの名が刻まれたデイリー・クイーンの巨大スプーンが、四五〇〇ドルで競り落とされるほどである。


『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?~身近な疑問からはじめる会計学~』の著者である山田真哉さんも、「将来バフェットになりたい」と言っているほどだ。


 だが、バフェットの私生活は驚くほどに質素である。

 三〇〇万円の家にずっと住み続け、千円の時計をはめている。当時買ったボロい車を何十年も乗り回す。マクドで朝食を食い、友人のビルゲイツと中華料理屋でランチ。しかもクーポンを使う。


 投資家としても謙虚で、三〇ドルで買って二〇ドルまで下がった株を値が上がるまで持ち続け、四〇ドルで売る。しかし、手放した株は二〇〇ドルまで上がってしまう。この経験から「株は持ち続ける方がいい」と教訓を得る。


 Amazonの隆盛を読み取れず「うわぁ、アマゾン株買うといたらよかったぁ」と反省している。




 また「歩く100億円」と言われる吉川幸枝社長。両手に宝石をジャラーっと填めている姿が有名だが、あれにも深い意味がある。


 実は、彼女の住むのは小さなマンションである。

「多忙すぎて家に帰れないから」だという。

 宝石を持ち歩いているのも、「パフォーマンス用」なのだとか。

 社長本人は、質素な生活を好んでいたらしい。



 ホリエモンこと堀江貴文さんは著書『多動力』にて


「ハワイに別荘なんて持つな」


 と主張している。


 ご本人曰く、

「これがオレの1番主張したいところ。他の話は全部おまけ」

 というくらいである。


 堀江さんはライブドアショックで刑務所入りを余儀なくされた。

 そのとき、ありとあらゆる資産を失い、裸一貫に。


 だが、堀江さんは

「あ、オレって何もなくても生きていける」

 という考えが芽生えたという。


 資産を持っているのは、それだけ維持費が掛かるし、大きい家もいらない。

 どうせ帰れないから。

 この辺り、吉川社長と同じ考えだ。

 堀江さんが現在も、ホテル暮らしである。



 金持ちになる手っ取り早い方法は、「生活コストを下げる」ことにあるという。

 つまり、生活の中で維持費が大変なモノは捨てろ、という考えだ。



 コンサルタント業で、副業で不動産に投資している億万長者、グランド・カードン氏は、

「オレは大金持ちになったときも、まだトヨタのカムリに乗っていた」

 と語る。

 安定した利益を得るまで、贅沢はガマンしたんだとか。



「他人に見栄を張るより、分相応の生活をしてお金を確保しておく方が賢明なのだ」

 と、金持ちは知っているのだ。


 こういった合理的な考え方を、金持ちは持っているのである。






 もう一度だけ聞く。

 あなたの金持ち描写、「ただの成金を書いているだけ」になっていませんか? 

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