超・非正規雇用合体！パートタイム・ファイブ！

第1話・最終話 パートタイム・ファイブ 見参！

「ちっくしょー！なんだってんだよ！」

「ユー・ノウ？わかってんだろ！やるっきゃないゼ！」

「こーゆのってさ、だいたい20話ぐらいまで、合体しないで引っ張るもんなんだよ。君達わかってる？1話の冒頭から合体なんてしない。—絶対に、しない！」

「うるさいよオッサン！」

「黙れ小娘！今日、この瞬間だけは黙って貰う！お前には分からん、男の浪漫の話しだからな！」

「何それ！皆んな聞いた？博士これ、録音してる？—女性蔑視！セクハラ！」

「オッサン、わかるよ。ゼータが、途中までマークツーだったり、ダブルゼータが、途中までゼータだったみたいな事でしょ？」

「そうそう！君は分かってる！よし、俺は認めるぞ！君をリーダーに認める！—つまりそーゆーこと！ダンクーガやザンボット3がね—」

「うるせーゼ、オールド・スクール！俺がリーダーだって言ってんだ。」

「黙れヤンキー！お前、ビザないだろ！」

「ワッ⁉︎ 生意気な事言うなよカレッジボーイ！」

「いい加減にしろ！」

「…博士。」×5

「いいか！諸君らはこれから…合体する。君達が昼間、くすぶっている間に体内に蓄積された、エネルギーが、この瞬間、爆発する！それを吸収し、パートタイム・ファイブは完成するのだ！君達には、想像を絶する程の、パワーがある！つまりだ、下手をすれば、君達は…吹き飛ぶ！」

「えー！嘘でしょ⁉︎それって、痛い？」

「当たり前だろガール！オーマイグッドネス。俺は日本で死ぬのか！それも、日本人として認められないまま⁉︎」

「ヤンキー君。男には、やらねばならない時がある。それが…今だ！」

「うーわ、オッサン完璧にゾーン入ってんじゃん。さっきまで合体反対派だったろ。」

「よっしゃ！じゃあ皆んなやる気だな！」

「ちょっとリーダー！俺もヤンキーも、あのお姉さんも、全くやる気じゃ—」

「いくぜ！超・非正規雇用合体！」

「あーもーっ！」

「パートタイムゥゥゥファァイブ‼︎」×5

「おい！きさまら！合体までに何分使ってるんだ！ドクターヴィラン・ヴィラン様の右腕、この、毒ダルマ大将軍様が本気を出していれば、この町は崩壊していたぞ！」

「あー、悪いね。初めての合体なもんで。—おい！右腕って誰が担当？」

「俺だよ。オッサンです。」

「オッサンか！ねぇ、ちゃんとくっついてなくない？ちゃんとさ、奥まで『ガシャンッ』っていってる？」

「え、そーかな？確かに…俺のコクピット、ちょっと暗い感じがする。たっくさんあるピコピコメーターが、全然光ってない。」

「ジーズ。多分くっついてないゼ。」

「うん！『ブッシュー』って、スチームみたいのでてなかったよ。」

「オッサンだから、エネルギー足りてないんじゃないのー？なんだって私が右脚なのよだいたい。こんなん、戦ってるうちに、絶対酔っ払う。—ねぇリーダー！絶対に右脚でケリとかなしね。」

「お待たせ！今度こそ完璧だ。毒ダルマぁ…デュラン・デュランさん？」

「毒ダルマ大将軍だ。」

「ははっ！ラジオネームみたいでウケんね、あんた！」

「でも、強そーじゃね…」

「ビビってんのかいカレッジボーイ？シービスケット君は、お家に帰って、寝てな。」

「ふざけんな！俺は、ブチ切れたクソッタレ・ユニコーンだ！この日本を、これ以上ぶっ壊すなんて、俺は絶対に許さない！」

「それは一理あるな。ピースフルな日常をぶち壊すなんて、ナンセンスだゼ。」

「どーしたの君達、合体した途端…」

「アメリカ人が日本で平和を語って悪いか⁉︎」「学生が行動して悪いか⁉勉強だけしてろって？」

「すごい！すごいぞ君達！今、パートタイム・ファイブの左腕と左脚のエネルギーは、最高潮に達している！」

「お嬢さん、これが合体だよ！分かるかい？合体の浪漫だよ！」

「あー、そう。でも確かに。なんとかなっちゃいそうな気分になってきた！リーダー！やっちまおうよ！あんなダルマちゃん。」

「私、やっとドラマ決まったんだもん！深夜ドラマだけど。だけど、こっからだもん！」

「そうだな！俺だって、今回の原稿ばかりは、自信があるんだ。久々に大当たりの予感が。」

「俺もなんだ。リーダーなんかになっちゃったけど。いつまでも夢ばかり追いかけて…正規雇用として、社会で闘う人達に、負い目を感じて生きてきた。電車で顔向けが出来なかった。だから今だけは、正規雇用の人達を、ぐっすり眠らせてあげよう！こんな夜は、俺達が一肌、脱ごうじゃないか！」

「すごいぞ！しょっ、諸君！パートタイム・ファイブのエネルギーが、マックスに達している！」

「えーとー、じゃあ、何がいい？ビームと、剣と、バズーカが出せるって今。ピコピコしてる。」

「ビーム！」「剣！」「バズーカ！」

「バラッバラだなおい。」

「じゃ、リーダーの俺に決めさせて貰うぜ！ぽちっとな！」

「え、もうボタン押した？」

「うん…ビーム押した。」

「…」

「いくぜ！」

「パァァトタイムゥゥッビーーッッム」×5

「うぁーーーッ死ぬー」ダルマ爆発

「非正規雇用の夜回り警備、時給で守ろう世界の平和。24時間、デイ・アンド・ナイト。我等が魅せよう働き方改革！貴様らの様な悪の稼業にぃっ、サービス残業など、許させはしない！」×5