第2話  AIに囲まれた世界〜あれから

この国がAI管理法案レンタル雇用推進法により、生活困窮者の数は、減少されて、成果を上げ始めた。


しかし、AI管理法案レンタル雇用推進法には賛否両論上げられて、常にマスコミは『人種差別』だとか…『困窮者救済法』だとか…『神の法律』だとか…『悪魔の法案』など言われていた。


又、3年に一度、法案は改正されて、『生活保護の撲滅』から『母子家庭』『高齢者』などが次々にターゲットになり、富裕層からレンタルされない生活困窮者は国外追放になっていた。

その為、AIによる選別も厳しく管理されるようになっていった。

特に厳しくなったのは『結婚』に関してはAIによる選別は厳しいものになっていた。

まずはお互いの性格判断から始まり、経済状況、学歴、出身地、親の年収、未来の年収などさまざまな視点で『結婚』出来る仕組みになってしまった。


その原因としては、『離婚』による『母子家庭』の『ダブルワーク』による『自殺』と『生活困窮』の現状が社会問題として、取り上げられ、国際問題に発展したからである。

特に『自殺』に関してはカリスマモデルや有名俳優などが人気バンドが作った『6〇〇〜Ⅷ』という曲を聞いて洗脳され自殺を図った事が要因となった。

ある1部の歌詞のフレーズ『高く!高く!飛び出せる〜♪ もっと!もっと!飛んでみろ!!飛んでみろ!!』が流れると身体が軽くなるらしい?とマスメディアで取り上げられた事が要因となり、今ではその音楽を流すのは禁止となり、廃盤となってしまった。

実際に、池袋にあるクラブで大音量で流され、その曲を聞いた後に警備員3人を殺し高層ビルに上がり屋上に行き集団でダイブしてしまい大事件となったのだ…その数69人。みんな即死だった。

その事件が起きた後も、その曲を聞いた高校生が橋からダイブして亡くなる事件や老人ホームのレクレーションで流してしまい高齢者が自殺する事件が頻繁に上がってしまった。

それ以外にも、〇〇○というお菓子が手軽に手に入ってしまったのも問題となってしまった。

そのお菓子はエナジードリンクを粉末にしたものでダイエットに良いと話題に上がったのであった。

高校生の間に流行し、瞬く間に世界中で広まってしまった。

しかし…汗に反応すると猛毒になるとは知らずに…

スポーツ施設やヨガ施設で集団に亡くなってしまったのであった。

気軽に手に入れる事が出来る為、汗を唇、舌に付けた後に〇〇というお菓子を食べれば死ねるのであった。

又、『離婚』は『結婚』以上に難しく、常に結婚生活の破綻につながるDVや浮気はより厳重にAIに管理され、又、生活困窮にならないように、子供の数も厳重に管理されるようになった。』

そして何よりも、結婚による、『両家の両親との関係は責任を持つ事が必要になったのであった。しかし、介護に至った場合は、家族は一切、介護は出来なくなり、国の管理下におかれるようになった。所謂、措置制度に戻ったのであった。』

その一方で障害を抱えて生まれた人や事故や病気になってやむを得ない要因で障がいを持った場合は逆に優遇される制度が始まった。

過去の歴史において、選別されて優遇されていると思われていたが…中身は違っていた。

その為、べーシックインカムが導入され、介護保険同様に障害保険が導入され、障害種別により、障害サービスを受ける事が出来るようになった。

障害年金も障害を追った段階で申請されるようになった。

結果、社会保障費は上がり、結果、消費税は50%になり、生活保護はなくなる事になった。

しかし、その一方で国外追放になった事になり、『自由』になったと喜ぶ一方で、1日の食事さえもできないような生活をするのであった。


つまり、障害者は生きやすくなったが生活困窮者になった場合は国の管理下に置かれ、介護が必要になって介護保険が必要になるまでは管理されてしまう世の中になってしまったのだ。


2××年

『えぇ…本日より、厚生省に新しい部署を設置する事になりました。厚生省レンタル雇用推進部AI管理センター人材レンタル部門です。本日より、厚生省レンタル雇用推進部AI管理センター本部長の川合 優也(58)です。


皆さんも書面をご覧になり、ご存知あるとは思いますが、生活困窮の原因は紛れもなく、モラルの低下にあります。未来を予想出来ずに『好き』だから、『結婚』して、『生活の不一致』で『離婚』して『ダブルワーク』をして身体を壊して『自殺』が大抵の流れです。『子供』の学力も経済水準と比例するように『低下』してます。つまりは『負のスパイラル』です。それだけではないのです。そのような家庭はその親も同じように『離婚』してます。『馬鹿』は『馬鹿』を生むのです。あぁ…言い過ぎましたが、これが紛れもない現実です。では、逆に名門の大学に出ている家庭で収入があったら、例え『離婚』しても、すぐに素敵な人に巡り会うことが出来ていませんか?』

『確かになぁ…芸能人や富裕層はすぐに結婚しているなぁ。学歴がなくて、モラルにかける人は勉強嫌いで肉体労働しているなぁ…。そして、そんな奴は『私には責任がある』って言うなぁ…。笑えるよなぁ。少し考えたら、無理してるよなぁ。休みにバイトあり得ないなぁ…。』

『あぁ…君は?』

『はい、今日からこちらの配属になりました。峰岸 雄大(24)です。帝王大出身です。』

『あぁ…君が峰岸君かい?話は君の先輩から聞いているよぉ。帝王大は優秀な人が多いから期待しているよぉ。宜しくねぇ?』

『あぁ…ありがとうございます。一生懸命頑張ります。』

『あぁ…後、新卒で優秀な事務員を配置したからねぇ?』

『あぁ…初めまして、大嶋 さゆり(22)です。双葉大出身です。宜しくお願い致します。』

『まずは、これからの事を話すから会議室に集まってもらえるかな?』

『はい。』

『あぁ…大嶋君。例の資料を渡してもらえるかなぁ。』

『はい。』

『えぇ…今回、こちらの資料にもありますが、現在、国内の予算は危機的状態にあります。特に、社会保障費の割合が7割を占めております。このままだと8割以上が医療費、介護費、生活保護費となります。特に、現在は高齢者が元気に働ける世の中になりましたが、95歳以上の高齢者の医療費と生活保護費、母子家庭の生活保護費など…さまざまな問題は200年前より悪化しております。その為、貧富の差をなくす方法として、レンタル雇用推進法案が国会で可決しました。まずは、母子家庭のダブルワークを解消する為にダブルワークが全面禁止になります。その一方で、手取り15万以上の生活が出来ない母子には子供を放棄して頂き、富裕層へのレンタルが始まります。手取りで15万は30万以上の収入がないと厳しい事になります。つまり、母子家庭の7割は子供をレンタルしてもらう事になります。子供のレンタル費用は母親に振り込まれますが…その間に30万円以上になれば、子供のレンタルは終了になりますが…母子家庭の撲滅が目的なので難しいかと考えます。大変な事を私たちがしなくてならないのは、正直、苦しくなりますが…宜しくお願い致します。』

『本部長…本当にやらなくてはならないのですか?母親と子供を離さなければならないのは無理がありますよぉ。それが、何を意味するか…理解しているのですか?』

『わかっている。でも、私たちも家庭がある。やらなければ、この国が破綻してしまうんだぁ。解るだろう。君にも大切な奥さんや子供がいるだろう?違うのかい?』

『確かに、そうです。』

『それに、母子家庭がダブルワークをして、子供を世話していると本当に思っているかい?お金を稼ぐだけ稼いで子供との会話さえもなくてすれ違いの関係が家族だと言えるかい?病気になったら、どうなる?責任は自分にあると言いながら無理しても働くのだよぉ。やむを得ず生活保護を申請するよぉ。でも、抜け出せないで、最後は無理心中するのさぁ。そうなる事が解っているなら、子供を手離して自由にする事が子供や母親の為にならないかい?』

『そうですねぇ?やるしかないですよねぇ?』

『では、幸運を祈る。』







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