第27話 部活


「ゆうちゃんって部活入ってないわよね?」


1時間目授業の英語が終わると千崎、天音、ルカ、メイドと俺は教室の後ろに集まり話し合っていた。何故か俺が中心で4人が周りを囲むようにしている。


「入ってないぞ」


「そう。なら良かったわ。私昨日ずっと考えていたことがあったの」


俺の言葉を聞いた千崎がみんなを見つめ発言する。


「な、なんだ?」


「部活よ!この5人で部活を作って活動するのよ。そしたらゆうちゃんを取り合わずにいられるし、見張ることも出来きて、なおかつ青春を味わえて一石三鳥ってわけよ」


「いい案だとは思うけどゆうくんとの時間はどうするのよ」


千崎の意見にルカが反応する。


「それは部活終了時刻から平等に時間を割り当てれば済むわ。ゆうちゃんとの個人的な接触は少なくなるかもしれないけど部活で一つのものに熱を注いで青春するのも悪い話ではないでしょう?しかもゆうちゃんと一緒なのよ」


「それは黒崎さんがやりたいだけなのではと思いますが、私もゆう様と部活というものをしてみたい興味はあります」


「そうよ。そこには達成感や絆、友情があり、時には涙を流して青春するのよ。高校生活楽しみましょ」


何故か千崎はやる気に満ちていて顔を赤らめている。


「まぁ、私もやってみたいと思っていたし、別にいいわよ」


「西園寺さんならそう言ってくれると思っていたわ。あとは柚木さんね」


「え〜と〜ゆうさんが決めることについて行く〜」


「まぁ当然よね。ゆうちゃんが居なければ成立しない話だし。それでゆうちゃんはどうなの?」


「その流れでいいえと言える奴がいたら会ってみたいな」


周りは囲まれていて逃げ場なしのこの状況で否定できるはずがない。


「決まりね。ゆうちゃんも賛成したことだし、部活を作りましょ」


「肝心な部活名は何にするの?」


ルカが千崎に質問を投げかける。


「そうね...。ゆうちゃんが中心の部活だし、ゆうちゃんが決めた方がいいわね」


「俺が決めるのか、、、だったら文化部とかどうだ?この学校にはなかったはずだし、何かと融通が効くと思う」


運動はろくにできないし、何か生徒会に部活の成果を聞かれたら文化部ということで色々な方向で活躍できるかもしれない。


「文化部という大きな括りをそのまま部活にしようという訳ね。いいと思うわ」


「私もゆうくんが決めたならそれにする!それ以外絶対に認めない!」


「私の身もお心もゆう様の物です。ですので異論があるはずがございません」


「ゆうさんが決めたのなら嫌な思いはしないよね〜」


「意見が揃うってことは悪いことじゃないと思うの!むしろ良いこと!当然私も賛成なの!」


「では、文化部ということで決めるわね、、、って、あれ?」


「みっちゃんね」


「みっちゃん〜」


「みっちゃんさん」


「ロリか」


「ロリじゃないの!私だって怒るの!高校1年生ちゃんとした大人のレディーなの!」


そこには純粋な茶色の目で見つめてくるロリがいた。


「噂を流されて恨んでいるからロリって呼ぶ。一緒根に持つ」


「ぐぬぬっっ!もういいの!だったら私も仲間に入れて!」


「え?みっちゃんどうしちゃったの?」


「私クラスのみんなから恨まれているみたいなの!だから仲間に入れて、、、ください、、、居場所がなくて私どうすればいいのかわからないの...」


「みっちゃんは口が軽いものね。よく今まで見捨てられなかったと感心するわ。噂はすぐに広めるし、人として最低なみっちゃんよ」


「みっちゃん1人になっちゃったんだー。可哀想だね。でもこの私は寛大だからみっちゃんを見捨てない!だってこんなちっちゃくて可愛いから!」


ルカはロリの頭を撫でたり、頬を擦り合わせたりして可愛がっている。


「ルカちゃん...ありがと」


「みんなもいいでしょう?なんか部活のマスコットとして置いておきたいじゃない?」


「私もみっちゃんさんは可愛いくて抱き心地がありそうなので置いて欲しいです」


ロリが置物扱いされ始めた。でもロリの表情は明るく、必要とされているのが嬉しいみたいだ。


「私も1人召使いが欲しかった〜」


「みっちゃんの扱いが酷くなっている気がしているけど私もいいと思うわ。ゆうちゃんはどう?噂を広められて恨んでいると言っていたけれど」


「ロリが噂広めなくても今のようになっていたと思うし、俺は別にロリがしたいようにすれば良いと思う。ロリってずっと呼ぶけど」


「ゆう...。みんなよろしくなの」


ロリがそう言い、俺たち6人は文化部として活動することになった。

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告白してないはずなのに何故か学校の美少女たちと付き合っていることになっている件 神崎夜一 @guiltycrow

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