第7話 ロッカーの中で


「お、おい!離せ!!」


メイドは珠ちゃん先生が教室から出ると俺を強引にお姫様抱っこし、教室から俺を拉致した。抵抗するもメイドは思ったよりも力強く、帰宅部で全く運動してない俺はあっけなく従うしかなかった。

廊下をメイドが猛スピードで走り去る中、後ろから黒崎、柚木、西園寺が追いかけてくる。周りの生徒も何事かと戸惑っている。


「待ちなさい!!私のゆうちゃんを返して!!!」


「ゆうくんに何かしたら許さないんだから!!」


「ゆうさんを返さないと殺すかも〜」


怖い怖い怖い。銀髪碧眼美少女なメイドが俺をお姫様抱っこしているのもそうだし、後ろから物凄い覇気を纏い追いかけてくる美少女達も怖すぎる。


「安心してください。私はあの女狐達からご主人様をお守りします。なのでもう少し抱きついてください」


もうメイドの胸の弾力が直に感じているのにこれ以上くっついたらどうにかなりそうだ。

それにしても、こうじっくりメイドの顔を下から眺めるとなんでこんな美少女が俺を好きなのか甚だ疑問だ。ずっと見ていても見飽きない、俺なんかと釣り合うはずがない少女が俺のメイドなんて言ってる。もう思うがままに生きても良いかもしれない。そんなのは誰もがこんな状況になったら思うかもしれない、でも俺は付き合った覚えはなく、告白した覚えもないし、本当どうなっているんだ。


「長峰さん。一回止まってくれない?話をしましょう」


「100万あげるからゆうくんを返して!!」


「止まってくれたらなんでも言うこと聞く〜。だからゆうさんを解放してあげて〜」


階段を降りたり登ったりとメイドは後ろから迫っている黒崎柚木西園寺から逃げる。後ろの人達は息が切れたのか、スピードが遅くなってきている。だか、メイドは少しも息が切れた様子もなく疲れた様子もない。凄い。


「私はご主人様を一生離しません。この身はご主人様のもので永遠の主従関係を契約しました。なので見ず知らずの人達をご主人様に近寄らせません」


「何言ってるのよ!!」


「私のもの!!」


「殺す〜」


「それに柚木さんと西園寺さんはなんでついてくるのよ!」


「私のだから!!」


「何言ってるの〜。私のゆうさんです〜」


後ろで揉めあっている少女達を差し置きメイドは少女達との距離を離しとうとう誰も追いついてこなくなった。そして、俺が連れてこられたのは女子更衣室だった。


「な、なんで...」


「最初の授業はプールですのでもう少しでクラスの女子が入ってきます」


「俺は帰るからな。もう付き合ってられない」


「私から逃れますか?」


「ふ、ふざけんなよ。もし入ってきたらどうすんだよ!!」


「この状態ではもう私に頼るしかありません。ご主人様がもし見つかってしまったら社会的に終わります。私は別に構いませんが。むしろその方が良いですが。なので、一緒にロッカーに入りましょう?」


「こんなことして良いと思ってるのか?」


「私とではご不満ですか?私はあくまでご主人様のメイドです。命令とあれば命だって差し出す覚悟です。でも耐えられないんです。ご主人様を独り占めしたい...。もっとずっと居たいって思ってしまうんです。このままじゃご主人様が遠くに行ってしまいそうで、誰かに取られてしましそうで、胸が抑え切れないです...。ご無礼だと分かっています。でも、でも、私のわがままを聞いてくれませんか?」


悲しげに言うメイドだが、顔は赤らめ恥ずかしがっているようだ。

そして、俺が考えていると扉越しに女子たちの声が聞こえてきた。


『マジクズじゃね?www』

『4股とか初めて見たwww』

『矢崎あいつに少し惚れかけてなかった?www』

『な、なわけねぇーしwww私があいつのどこに惚れる要素があるんだし』

『でもでもあいつに深く追求してたじゃんwww』

『それはその場のノリっていうかーwww』


「ご主人様、早く入りましょう」


「し、仕方ないな」


もう逃げるにも女子が待ち構えているし、仕方なくメイドに従うしかないだろう。


「ゆう様とロッカーで密着...。緊張します...」


ガチャっとドアノブが開く音がしたのでメイドが待ち構えるロッカーへと入る。すると想像してたよりも密着度が高くメイドの胸や体温、汗や荒い息まで鮮明に感じる。それにメイドの甘い香りが脳に直接刺激し、クラクラしてしまう。


「・・・ッン!!」


「ご主人様...。私...私どうにかなってしまいそうです...」


メイドがさらに荒い息をし、赤面した状態で俺に抱きついてきた。俺との密着で色々な所が刺激されメイドは変な声を出している。


「もう我慢ッできません...。ご主人様...強く私を抱きしめてください。このままではやばいです...」


「わ、わかった。今回だけだからな」


ここまでお願いされたら断るにも断れないだろう。俺はメイドの腰まで手を回し、強く抱きしめる。すると胸の弾力やすべすべな女の子の肌が伝わり色々やばい。変な気持ちになってしまう。メイドから滴り落ちる汗、服はもう2人ともびしょびしょでメイド服の下からは下着が透けて見える。


『それと矢崎、ちゃっかりあいつの正妻戦争に参加してなかった?www』

『な、なんで私があんな奴をwwwただ面白かったからだけだしwww』

『それなら良かったwww4股野郎は流石に引くわwww』

『だ、だよねwww』

『あ、唯、こないだ買い物行ったんだけどねー』


女子たちが会話している中、俺たちはそのすぐそばのロッカーに潜んでいる。ロッカーの隙間からは女子たちがスクール水着に着替えている様子が見える。や、やばいだろ。女子の全てが丸裸になっている。普段制服を着ている女子生徒たちが今は目の前で全裸になっているのだ。それにメイドを抱きしめているし、もう俺のエクスカリバーが爆発しそうで、、、って、、、あ、、、、、、、。


やばい、、、、、、、、、。


「...ッン!!ご、ご主人様...」


メイドを抱きしめていることもあり、俺のエクスカリバーがスカートの上であるにもかかわらず、メイドのアレな所へ刺激を送っている。


「ご主人様、私。もう、ダメです...。なので、し、下着を脱がしてください...。私では無理そうなのでご主人様が...ハァッハァッハァッ」


「ダ、ダメだ。俺たちはまだ付き合ってもないのにするわけにはいかない」


「な、何をイってるん...ですか...!昨日はあんな激しいことを...したというのに...。それに今だって...ご主人様は私とヤりたくて...大きくなっているん...ですよね?」


「ち、違うって、それにお前とヤった覚えはない。これは不可抗力だ」


「ッん!!!」


「こ、声でけーぞ!」


『今何か聞こえなかった?』

『矢崎変な声出すなよwww」

『私出してないよwww唯ちゃんじゃない?www』

『あ、バレちゃった?www水着がキツくて押し込んでたのwww』


どうやら同じタイミングで声が重なったらしく、バレるかもしれない状況を乗り切った。


「あ、あぶねー」


「ご主人様が焦らすからいけないんですよ」


小声で耳元で囁くのでメイドが余計に艶っぽく見えてしまう。

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