45 エピローグ(2)

 今朝はひどい夢を見た。牢屋につながれる夢だ。夢であるという自覚はなかったが、仮にそれが明晰夢であったとしても、強制的に体の自由を奪われては、どのみち自由には動けまい。夢の世界でのぼくの罪状は、婦女暴行。なんと、あの屋台の夢の件でぼくは逮捕されたらしいのだ。ぼくは拘束され、拷問を受ける。そのあまりに不愉快な内容に、詳細をここに書く気になれない。もしかすると、夢の中の住人が、ぼくに反逆を企てたのか? いや、そんな意見は、まともに受け取ることはできない。ぼくの潜在的な罪の意識が、ぼくにこのような夢を見させたのだろうか。ぼくは罰を受けることを望んでいたのだろうか。はっきりしたことは言えないが、ひとつだけ確かなのは、ぼくを牢屋にぶち込む権利を持ち、かつそれを実行することができたのは、夢の世界の住人だけだったということである。ぼくは寝ても覚めても牢獄の中にいる。恐ろしいことだ。次に夢を見たときにも、牢獄に囚われたままであったらと想像すると、恐ろしくて今日は寝つかれそうにない。本来ならば、こんな暗い話など書かないでおくべきなのだろうけど、きみだけには知ってもらいたくて、ぼくの苦悩をわかってもらいたくて、書かざるをえなかった。本当にすまない。できれば、気が向いたらでいいが、きみの意見も聞かせてもらえたら助かる。

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