第41話ドイツで髪を切るとどうなったのか

美容室、日本ではかなりの数が存在し、価格帯も店次第だが、大体7000円未満で切れるだろう。

ドイツの美容室での体験の話だ。


鬱病になる前は、髪型に拘りが有った。

ウルフカットと言う奴だ、トップを短くして、襟足等は長めに残した髪型だ。

これの良い点は、セットが楽だ。トップに動きを出しつつ、長い部分を少し弄れば、

それっぽく見える。

あんまりビジネスマンがやる髪型ではないが、結果を出す事と実力で、ねじ伏せる。結果としてずっとこの髪型だった。


しかし…鬱病になってから、特に拘りがなくなった。

何でも良い

そんな感じだ。別に良く見える必要もないし、カッコよさや美的な要素を追求する必要もない、興味がない、服も欲しいとも、良い物を買おうともしない。

そんな僕でも髪を切る必要がある、もう半年以上は放置している。

結果として、嫁さんが髪を切る為に美容室へ連れて行ってくれた。


行ったのは、村に有る唯一の美容室だ。

美容室は日本の様におしゃれな室内で、シャンプー台や席がある。

大体同じで、大きな違いは、感じなかった。

嫁さんはどんな髪型が良いか、美容師さんへ説明をしている様だ。


僕にはある予測が有った。

それは、髪の性質が違う事だ。

アジア系は基本的に髪が丸いが、欧米系は髪が楕円だ。

勿論、太さも違うのも重要なポイントだ。

雑な言い方だが、髪の性質が違うから、切った時の結果が変わってくるのだ。

様は、アジア系の髪を切る経験値が無いと難しい。


嫁さんの依頼した髪型はツーブロックで、髪を立てるタイプの髪型だ。

ドイツで若者には人気だとか…本当かは知らないが…

そして、全く僕の好みではない、嫁さんが好きなら良いか。

そして嫁さんはこうも言った

「美容師さんからだけど、アジア系の髪を切った事が無いから、

 もしかしたら失敗するかも知れないって言われた」

「構わないよ、髪は伸びるからね、嫌なら自分で剃る」

と答えておいた。


髪を切る流れは大体同じだった。

髪を洗う→髪を切る→髪を流す→ドライとセット

日本の様なマッサージとかは無いが…

この過程を大体40分程度で終わらせる。


結果を言えば…個人的には良いとは言えない髪型になっていた。

単純に見慣れていないのか?と思ったが、んー…やっぱり似合わないな。

切った当初は、北の偉い人の髪型に似ていたが、伸びたらそこまで気にはならない。

だが、やっぱり自分の顔を見せるのが好きじゃないので、落ち着かない。

それから、約10か月、僕は髪を切っていない。


------------------------------------------------------------------------------------------------


嫁さんからは、

「おい、いい加減に切れ」と毎回プッシュされる。

「だが、断る!」と言っても、彼女の我慢は限界の様だ。

「貴方がやる気が無いのは知っているが、手入れをしてくれ…」

と真剣に言われてしまい、来週には切る為の予約を取ったそうだ…

グッバイマイヘア。


------------------------------------------------------------------------------------------------


------------------------------------------------------------------------------------------------

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る