第3話 入院の経緯〜今日まで

精神の異常は、身体に現れ始めた。


朝起きると、耳が異様に痒くて、仕方がない。

どうも寝ている間にも、かなり、掻いているらしい。


そこで耳鼻科に行った。

医師は言った。「かなり黴が繁殖している。カビは誰でも、いわば身体に飼っているようなものだけど、この場合、ちょっと普通ではない」と。


そして「痒いことで掻いちゃって、その傷口にカビが繁殖しちゃってる。繁殖しちゃうと痒くなって、掻いちゃうんだ。悪循環だね」と。


「どうしてこんなカビにやられたりしているのですか?」俺は聞いた。

「ストレスでしょうね。身体が弱ってる。ストレスと、疲れ。」

俺は双極性障害で、不眠がひどく通院していることを言った。

「それはね、しっかり治していったほうがいいね。」と。


旧年10月にはこんなこともあった。

「先生、熱がひどいです」

「まあ、一応、検査はするけど」


俺はここ3年ほど、毎年インフルエンザに罹っていた。だから、なんとなくインフルっぽいかもしれないと感じていた。しかし、10月が始まっていた頃のことだ。

俺は診察室で医師に呼び出された。


「トーカさん、びっくり。なんと陽性ですよ。今年、ウチ、初めて!」

「やっぱり?俺もびっくりですよ」


つまり、こういうこと。


活動が活発になる。夜も眠らずに、酒を飲んで、いろいろやっている。仕事もそれなりにやっている。ところが、精神の、「これをやりたい、あれをやりたい」という気持ちに、身体が ついていけていなかった。


まさに、双極性障害の典型だと思う。


インフルエンザになる。

病気に罹りやすくなる。


仕事ができているうちは、まだいい。

しかしそれも、やがてできなくなることは目に見えている。


そして時系列は、ついに動けなくなった今に進み、入院体験記を書く羽目になるのだった。

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