第13話 話題に尽きたら、登場人物に1人、死んでもらう。

 話題に尽きたら、登場人物に1人、死んでもらう。

 昔、高倉健さん主演の【昭和残侠伝 死んで貰います】という映画があった。


 1970年9月22日に公開された日本映画で、昭和残侠伝シリーズの第7作品として公開された、任侠映画だ。


 人との出会い、別れ、生き死には、これは小説における最重点課題でもありますし、人生における、いくつものテーマを含んでいることが多い。


 創作の中で、もしも手詰まりになったら、登場人物に、1人、死んで貰うのもありかなと思う。


 死に直面するメンバー。

 そしてそれを見守る、間近に存在する仲間達の心の葛藤。


 声。

 泣き声、怒声。


 その揺れる感情の波を、1つの壮絶なシーンとして読者の頭の中、海馬の中に印象づけるのが作家の命題であり、使命でもある。


 ただしあまり作中、人がバッタバッタ、頻繁に死ぬのは御法度でもあるので、やはり今生の別れは、1度あるか2度あるかにとどめるほうがベストでしょう。


 登場人物が死ぬといっても、主人公と遠い存在の、どうでもいい人物の死ではあまり意味がない。主人公に割と近い場所で活動する、主人公と密接に関わる人物の死が、グロくていい。


 主人公が男性なら寵愛する女性の死、主人公が女性なら、身近な存在の男性の死、我が子の死が、しっくりくるような気がします。また、男性同士、友情の末の死もキレイでいい。

 

 ただしこの伝家の宝刀は、2回も3回も頻繁には抜けませんので、ここぞという機会を逃したら、当分、その場面は巡ってきませんのでご注意あれ。


 話題に尽きたら、登場人物に1人、死んでもらう。

 リアルな世界における今生の別れと、創作の中の仮想空間の死がうまくリンクするよう、涙に関連付けて特に読者に印象づけたい。 


 

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