『失恋の詩~Lost Love Lyrics~』あとがき

 ※こちらは二〇二〇年五月二七日まで投稿しておりました作品『失恋の詩~Lost Love Lyrics~』のあとがきとなります。作品内容のネタバレや作者側の視点が多分に含まれる内容となっているため、本作を未読の方や〝裏事情〟にあたる内容が苦手な読者様には下の「★」マーク以下の閲覧は推奨いたしておりません。

 ご理解いただいた上で、よろしければ先へお進みください。











 ★










【はじめに】

 こんにちは。あかねジュンと申します。

 この度は拙作『失恋の詩~Lost Love Lyrics~』をご愛読いただきまして、誠にありがとうございます。私にとってはほぼ処女作となる本作でしたが、お楽しみいただけましたでしょうか。皆様の日々の暇潰し程度でもご活用いただけたなら嬉しいです。

 書きたいことがありすぎて逆になにを書けばいいのか分からなくなっておりますが、せっかくなのでこちらにあとがきを記しておきたいと思います。



【作品に関して】

 この文章を書いている段階ではまだ最終話まで投稿されておりませんが、おそらく結末については賛否が分かれるところだと思います。というのも本作の最後は打ち切り漫画等にありがちな「俺たちの戦いはこれからだ!」的な閉じ方であり、消化不良だと感じられる方も少なくないでしょうから。

 しかしこの終わり方になることはこの作品を構想した段階で既に決めておりました。本作を最初期から閲覧いただいていた読者様ならご存知かもしれませんが、〝主人公・悠真ゆうまの想いが報われるような結末にならないこと〟と〝誰かと誰かが結ばれる≒明確なハッピーエンド にしないこと〟は決定事項でした。というより、そういう作品を書きたくて生まれたのが本作だと言った方が正確かもしれません。

 タイトルに『失恋』の文字を刻んだ時点で万人受けする作品にならないことは分かりきっていたので、私が書きたかったことを書きたいように書いた感じですね。結末にガッカリされた読者様には本当に申し訳なく思っております。かといって「この作品は誰も結ばれないまま終わります!」なんて言えるはずもないので、投稿したお話のコメント欄に「結末を楽しみにしている」「悠真に幸せになってほしい」と書かれるたびにこっそりPCの前で手を合わせておりました(苦笑)


 実を言うと私自身、構想段階や執筆中に何度か「ハッピーエンドにしてやりたいなあ」と思ってしまったことはあります。

 こちらも過去のコメントへの返信か近況ノートで書いたことがあるのですが、そもそも構想段階では本作は悠真たちの高校生活三年間を描く予定でした。……今思えば恐ろしいですね。半年を描くのに二五〇話使っているので、単純計算だと一五〇〇話でしょうか。完結までリアル時間で四年くらいかかりますよ。なにも考えてなかったんでしょうね(笑)

 作中で桃華ももか真太郎しんたろうと同じ特待組(一組)に入れようとする展開や、悠真と未来みくが当初〝一年契約〟を結んだりしていたのはその名残です。執筆を開始した時点で作中半年後(=第一話冒頭)の三月一五日が物語の最後となることは決まっていましたが、展開運び自体は三年構想のものを流用したのでやや不自然になってしまいました。


 後は名前つきネームドキャラの割に脇役程度にしか出演しなかった真太郎の双子の妹や一組女子の錦野にしきのアリサなんかも二年生以降の活躍が見込まれていたキャラクターですね。特にアリサは本編中のやよいに近いポジションを任せ、第二の未来みくとなり得る器だっただけに活躍シーンを描けなかったのは残念でしたね。

 逆に構想段階、というか執筆初期までは〝金山かねやまやよい〟は〝桃華の友人A〟程度にしか考えていませんでした。クリスマスデート以降のやよいの活躍の半分くらいは本来アリサが担うはずだったポジションです。残り半分は悠真や未来がなんとかする予定でしたね。間違いなく本作を執筆する上で一番大きなアドリブは彼女の存在です(笑)


 そしてその三年を描く方の構想段階では未来が悠真に惚れていたり、桃華と真太郎が良い感じになったり、あとは新キャラの男(本編で何度か出てきた〝甘色あまいろ〟のジョーシンこと新庄しんじょうさんの関係者)が大暴れしたりと、結構色々なルートがありました。通称カオスです。

 どちらかというとそちらは万人受けしそうなラブコメ展開が多く、たとえば本編より桃華と美紗みさの戦いが長引く反動で美紗が悠真に恋愛感情は皆無ながらもめっちゃくちゃ懐いていたりしました。悠真をとられて真太郎・桃華・未来がむくれる一幕があったりと、考えていてとても楽しかったですね。作品を一からつくる上で一番楽しいのは構想している時かもしれません。読者様には決して見えない無限の可能性がありますからね(笑) もちろん逆もまた然りですが。



【執筆中にいただいたコメントに関して】

 まずはコメントをいただいた皆様、本当にありがとうございました。リアルタイムで読者様の反応を見られるのは応援(♡)かコメントくらいのものなので、内容に関わらずとても嬉しかったです。

 最近は肝心の執筆時間が確保出来なくなるのでコメントへの返信を控えておりますが当然すべてに目を通し、執筆のモチベーションとさせていただいておりました。重ねて御礼申し上げます。


 いただいたコメントの中で一番多かったのはやはり「主人公・悠真に幸せになってほしい」というものでしたね。上でもちらっと触れましたが、執筆最初期は作者のプロフィールに「主人公は最後まで報われない」という旨の注意書きをしていましたので、文字数の関係でその注意書きを削除した投稿中盤以降から入られた読者様からのコメントには特にそういうご意見が多かった印象です。


 あとは「ヒロイン・桃華とヒーロー・真太郎に魅力を感じない」という厳しいご意見も何度かいただきました。これについては意図的とか三年構想の影響とかはまったくありません。ひとえに作者である私の実力不足です。

 本作は主人公・悠真の視点から物語を描くことがほとんどなので、真太郎はともかく桃華の魅力を語る機会は用意できたはずなんですが……どうしてこうなってしまったのか。本作の宿題となりそうです。



【目標に関して】

 本作の執筆を開始するにあたって、私は自分の中で一つ目標を立てておりました。

 それは〝完結までに累計一万PVを達成すること〟。簡単そうに見えるかもしれませんが、私がカクヨムのアカウントを作ってすぐの頃に一瞬だけ投稿していたファンタジー作品が累計九六PVだったので五桁でも凄まじい目標のつもりでした。

 そして本文執筆現在の本作の累計PV数はというと累計二三万PV。目標の二〇倍以上です。もっとも本作は本来なら二〇〇話完結の予定だったので、その時点ではおそらく一〇万~一五万くらいだったと思います。それでも十分目標は果たせたので、個人的には大満足の結果でした。



【続編&次回作に関して】

 ここまでお読みいただいた皆様にはご理解いただけることかと思いますが、今のところ『失恋の詩~Lost Love Lyrics~』の続編を執筆する予定はございません。執筆するつもりなら三年構想についてペラペラ話すのはまずいですからね(笑)

 本作を執筆する上で私が意識したことがあるとすれば、読者の皆様に想像の余地を残すこと。たとえば主要登場人物のうち詳細な容姿に触れたのは美少女であることを強調したかった未来みくとギャルのやよいくらいだと思います。悠真や真太郎、桃華は髪の色すら明記していないのではないでしょうか。今から最終話に「真太郎はその刺々しいモヒカンを整えながら微笑んだ」なんて一文を足しても許されますね(許されない)。

 そんなわけで「これから悠真たちはどうするんだろう」というところまで含め、本作はこれで完結とさせていただきます。


 次回作に関しましては、新たに現代ファンタジー作品に着手しようと考えております。これも初期の頃に近況ノートで書いたと思うのですが、元々本作は私が一番書きたかったファンタジー作品をつくる上で地の文や心理描写の練習をしようと思ったのがきっかけで生まれた作品です。「練習用の作品を書きたい!」→「どうせならシリアスめな作品にしよう!」という流れですね。正直あまり練習にはならなかったのですが(笑)

 新しく書く現代ファンタジー作品を長編にするか、それとも一〇万文字程度の短い作品にするかは決めかねておりますが、お時間がございましたらそちらも是非ご一読いただければ幸いです。



【謝辞】

 最後になりましたが、改めまして拙作『失恋の詩~Lost Love Lyrics~』を閲覧いただいたすべての読者様方、本当にありがとうございました。初の完結作をたくさんの方に読んでいただけたこと、心から光栄に存じております。

 私は趣味で小説を書いている身であり、今後もずっと投稿を続けていけるかどうかは分かりませんが、またどこか別の作品で皆様とお会いできる機会があればこれに勝る喜びはございません。


 読者の皆様によりよい読書生活が訪れますように。



      二〇二〇・五・二八


            茜ジュン



【作品データ】

 ※二〇二〇年五月二八日午後八時現在

 タイトル名:失恋の詩~Lost Love Lyrics~(全二五六話)

 作品文字数:727,909

 累計PV数:236,179

 累計評価数:363/127(平均2.85)

 累計応援数:6,167

 累計コメント数:199

 フォロワー様数:594

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