【神は最高の結末を愛した】
てんてん
【神は最高の幸せを愛した】
・今日から高校3年生の3学期が始まる、あと1学期で高校卒業だ。
とても寂しいような、嬉しいような。
この時期になると受験のため3年生は登校しない、しなくてもいい生徒が多くなってくる。
僕は進路が決まっているため、特に焦ることなく日々を過ごしていた。
いやむしろ、とてもワクワクするような日々を過ごしていた。
それは、きっと恋のせいだろう。
1つ年下の後輩に恋していた。
だがそれは、恋と呼べるものだろうか??
・高校3年の12月冬休みが始まる前。
寒い中友達とお弁当を屋上で食べ終わり教室に戻っている時、
突然目の前でとてもかわいい女性が立ち止まり、こう言いだした。
『 神愛君、ずっと前から好きでした。これ受け取って下さい。』
そう言ってその子は足早に去って行った。
とても初々しくて、少し声が震えていた。
受け取ったのは手紙だった。
手紙に名前が書いてある。
名前は 朝日 アコ
手紙にはこう書いてあった。
[ 神愛くんへ
ずっと前から好きでした
付き合ってください。 ]
とてもシンプルな物だった。
実はこの子の事を僕は知っている。
学年は1つ下のバスケ部の子だ
そして
僕と仲の良い後輩のサキという女の子ととても親しい子である。
そしてアコが僕に好意があるということは、なんとなく知っていた。
なぜなら、前からサキを交えて3人で喋るときサキの後ろにずっと隠れて恥ずかしそうにしているからだ。
あまり喋らない子なのか、
僕の姿を学校で見かけると、ささっと隠れてるのが分かる。
教室から外を眺めているとき、アコを見かけたので
アコちゃーーん!!また明日ねー
と声を出して手を振ると、
かなり遠くの距離にいたので声が届いたかは分からないが、
ものすごく照れたように手を振っているように見えた。
そんなこともあり、僕はこの子を知っていた。
そして僕の気持ちもかなりこの子に向いている気がする。
そうだ。手紙の返事をしよう。
僕はお付き合いをした事がなく、よく分からない。
もちろん告白はよくされる。
だが、お付き合いとなるとよくわからない物だ。
・手紙を貰った次の日の朝
下駄箱で上靴に履き替えていると、
上靴に履き終え、アコ教室に向かって行っているのあこが見えたので、
『 アコ! 』
人目をはばからず、かなり大きめな声を出してしまった。
周りの人より、目先のこの子にとても思考が向いてしまっている。
キョロっとこっちを向いて、オドついている。
急いで駆け寄り、挨拶をする
『 おはよう。』
『 おはようございます。』
昨日告白した後のせいなのか、いつもより恥ずかしそうにしている。
というか返事する前にこぉいう時って話しかけていいのか?
兎も角2人きりで話す事はほとんど初めてだ。
もう、授業が始まる時間ということと人目が気になるという事もあり、
話を端的に終わらす。
『 今日一緒に帰らない?』
これを言いたくて、アコを慌てて呼んでしまったところもある。
『 はい。授業後待ってますね。』
『 じゃぁ、またあとで、』
一緒に帰ってくれる事になった。
なんだか今とても胸がドキドキしている。
・『 キンコーン・カンコーン・キンコンカンコーン 』
6限目の授業が終わり、帰りの準備を始める。
今日の授業は全部集中できなく、
自分でも分かる、上の空という感じだった。
まるで恋でもしているかのようだ。
お昼の時間では、いつも美味しくてすぐ食べ終わってしまうが、お弁当の進みがとても遅かった。
いつも一緒に食べている友達には
『 お前恋してるな?』
と言われる始末。
そうか、
恋なのか??
まだなんなのかよく分からない。この気持ち。
帰る準備をして、すぐ昇降口へと向かう。
そこに、壁に持たれながら両手でカバンを持ち立っているアコを見つけた
良かった。居たよ。
いや、いるのは当たり前なんだけど、
なんだか嬉しかった。
『 アコちゃん 』
なぜかちゃん付けで呼んでしまった。いつも呼び捨てなのに、これは緊張しているのか?、
『 あっ、神愛くん^_^ 』
照れながらも嬉しそうな顔で僕の名前を呼んだ。
なんだかいつもより可愛く見えてしまって、不思議な気持ちだ。
『 待っててくれてありがとう!帰ろっか!!』
『 はい^_^ 』
アコの声はいつも通り少し緊張しているように聞こえるが、一緒に居れる事がとても幸せそうな表情をしている。
僕はそんなアコを見て、ドキッとしてしまっているが、そんなのは見せないよう虚勢を張って、いつも通りカッコいい先輩を演じる
そして一緒に歩き出す。
『 アコってどの辺に住んでるの?』
『 私は歌舞伎2丁目のあたりですよ 』
『 じゃぁ、僕の通り道だ、家まで送るよ 』
『 ありがとうございます。』
たまたま同じ方向だったので、よかったと思いつつ
あんなにいつも恥ずかしがっているアコが今日は普通のようだ。
と、思ったが、
いや、一緒に帰っているのに。距離が遠い。
とても遠い。、そうかアコも平常を保とうとしているが、恥ずかしいんだな。
なんだか昨日の事もあり、話が弾まず、沈默がたまに生まれてしまう。
だが、そんな事より、昨日の返事をしなければならない。
正直気持ちは決まってない。
『 昨日の返事なんだけどさ 』
『 あっ、その事なんですけど。すぐじゃなくても大丈夫ですよ!!神愛君にフラれて、気まずくなって、もう喋れないとかが1番嫌なので 』
『 なんだ、そうか、よかった。正直付き合うっていうのはまだ想像ができてないから、答えは出せなかったからさ。』
少し悲しそうな目をしているのが分かったが、それはもう割り切っていそうだし
なにより僕との関係を大切にしてくれているのがとても嬉しかった。
『 はい。なので返事はまた今度で!!』
『 友達から。というやつだね。』
そんな会話を歩きながらしていると、アコの家の近くまできてしまった。
『 そうしましょう。あっお家あそこです!!ありがとうございます。家まで付いてきてくれて 』
『 いえいえ、あっ、冬休み一緒に遊びに行かない??』
と。
思わずデートのお誘いをしてしまった。
これは僕の正直な気持ちで、また会いたいと思ったのだ。
『 もちろんです 』
『 じゃぁ、また明日学校で!!』
『 はい!さようなら 』
僕が家に着いてからベットに寝っ転がり、別れ際に交換していたラインで、挨拶をして
休みの日に行くデートの話をする
明後日の土曜日から始まる冬休み。
その日に一緒に水族館に行くことになった。
とても待ち遠しい。
そしてデート当日。
デートはなかなか緊張してしたがとても楽しかった。
アコへの想いはかなり強くなり、その後も何度かデートを重ねて、とても大切な存在になった。
・冬休みが明けて3学期。
卒業すれば必然的に離ればなれになる。
それは何がなんでも避けたいため、これからもずっと一緒に居て欲しいと思ったので、
もっと仲の良い関係になりたかった。
それが最良の方法だと思った。
そのため、3学期が始まって1週間後行動に出る。
ラインで明日の授業後に体育館裏に呼び出した。
なんだか在りきたりな場所だが、人目がつかないのでそれがいいと思った。
・『 キンコーン・カンコーン・キンコンカンコーン 』
約束の日の6限目の授業が終わり、帰りの準備を始める。
今日の授業は全部集中できなく、
自分でも分かる、上の空という感じだった。
お昼の時間では、いつも美味しくてすぐ食べ終わってしまうお弁当の進みがとても遅かった。
いつも一緒に食べている友達には
『 お前恋してるな?』
と言われる始末。
恋か。
今ははっきり分かるこの気持ちの正体。
帰る準備をして、体育館裏へと向かう。
そこに、壁に持たれながら両手でカバンを持ち立っているアコが見えた。
良かった。居たよ。
いや、いるのは当たり前なんだけど、
なんだか嬉しかった。
『 アコちゃん 』
なぜかちゃん付けで呼んでしまった。いつも呼び捨てなのに、これは緊張しているのか?、
『 あっ、神愛くん^_^ 』
照れながらも嬉しそうな顔で僕の名前を呼んだ。
なんだかいつもより可愛く見えてしまって、不思議な気持ちだ。
『 待っててくれてありがとう!』
『 はい^_^ 』
アコの声はいつも通り少し緊張しているように聞こえるが、一緒に居れる事がとても幸せそうな表情をしている。
僕はそんなアコを見て、ドキッとしてしまっているが、そんなのは見せないよう虚勢を張って、いつも通りカッコいい先輩を演じる
『 アコ、あの時の返事をしたいんだけど。』
『 はい。聞かせてください。』
『、、、、、、、』
『、、、、、、、』
『 君とはセフレになりたい。』
『 ………… 』
*終わり
恋も愛も夢も
叶ったから最高のエンディングって訳じゃなくない??
バッドエンドだった映画もつまらなかったわけではないでしょ?
彼女にフラれてしまっても、
求めていた最高の結果じゃなくても
その人を愛していたその時間は
最高の時間だったでしょ?👼💛
【神は最高の結末を愛した】 てんてん @kamia_tenten
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