第終話 もう、大丈夫。 その3(後日談)

やはりオオカミさんと密室で繋がりあって熱い夜を過ごした後の翌日…



「…さて、3人は修行を受けたい…そうじゃな?」


「「「はい!」」」


「じゃあ…ひとつ聞こう。お前たちの父、オレンジと同じメニューを高速でこなすか、オリジナルのメニューをこなすか、どっちじゃ?」


「え?お父さんはどんな修行をしてるの?」


「えっと…基本戦闘修行だけど色々やるよ?」


「うーん…僕はお父さんと同じメニューをこなしてみたいな…」


「僕もだね…ニカちゃんを守るためなら」


「私もー!」


「よし。では瞑想から始めるぞ!」


「「「瞑想?」」」


「まあ座って心を無にして落ち着けってことだよ?座り方は座禅」


「座禅…?」


…そうか、座禅とか色々教えてないからわからないのか。


「…ごめん、今から僕も参加してもいいかな?」


「え?休んでるんじゃないのか?」


「子供たちだけじゃ不安だし…ね?」


「私もやってみたいんだけど…」


「…オレンジ一家全員…」


「…いいよね?」


これはこれで楽しそう!


「…認めよう。ではオレンジが慣れているはずだからまず先にオレンジが見本となってもらえ」


「え?じゃあ座禅からだね?こうやって座って…スゥ-…こうやって目を閉じたら心を無にする。何も考えずに、寝ないようにね?…」


「「「「おぉー…?」」」」


「これ…効果あるの?」


「なにを言う!瞑想で心を落ち着かせることによって戦いで落ち着いて戦うことができるのだぞ!それをナメるように言うとは…」


「…こういうこと言うとスザクから長い説教が飛んでくるから注意してよ…?」ヒソヒソ


「オレンジ、何を喋ってる?」


「あ、ごめん!コツを教えてたの!」


「ならいいが…」



さて、瞑想が終わりました。瞑想はみんなには難しかったみたい。まあ僕は何度も続けてきたからね!慣れてるけど…。おかげでみんな竹刀で頭叩かれてたよ。

そして次は早くも次の修行に入ります。


「さて、いつも通り5分間の準備期間を与える」


「「「「準備期間?」」」」


「準備期間って何をすればいいんですか?」


「休むのもよし、体操をするのもよし。なんでもありだ。でも、次の修行でそなたらに利益のあることをするんだ」


…あっ、休むのアリなんだ。でもそれでも体操をするよ!瞑想やっただけで休憩は流石に無いし?


「まあお父さんはいつも体操をしてるよ?少しでも体を柔らかくしておいて戦いやすくしておくといいよ?」


「じゃあ僕も体操しておこっと!」



みんな体操しました。でもおかげで体が軽い!…それにしても…修行が楽しい!


「…終わったな?では狩りごっこを始める」


「「「やったー!」」」


みんなそうやって喜んでるけどさ、実はこれが1番キツかったりするんだよ?


「狩りごっこなの!?ほんとに狩りごっこなの!?」


「そう油断するな!これは遊びではないことを今一度、心に書き留めろ」


「…そっか。これ修行なんだ」


「さて、始める前にオレンジ、お前は後ででいいか?」


「もちろん!」


「さて、では1人ずつやるぞ。誰でもいいぞ?」


「…僕からでいいかな?」


お、トップバッターはレオか!こりゃ楽しみだね!


「レオ…だな?今からルールを説明する。…制限時間内に我を捕まえてみせよ。これだけじゃ」


「なるほどー?これが一筋縄ではいかないんでしょわかるよ?」


「じゃあオレンジ、3分測ってくれ?」


「…準備OK!」


「よし、準備はよいな?」


「はい!」


「では…よーい…ドン!」


「さあ!捕まえて見せるがいい!」


「狩りごっこの追いかけ側はこれでも強かったんだよ!」


「その慢心こそ油断の証!そのようでは我を捕まえることは一生できぬぞ!」


「ちょっ…早い…!」


そうなんです。スザクさんは急に強くなるんですよ。



「ほれほれ!どうした!」


「はぁ…はぁ…もうダメ…」


「…さんぷーん!」


「あぁ〜…ダメだァァァ…」


「…お疲れ?よく頑張ったよ!」


「そうそう、オレンジはこの修行をただ捕まえるだけじゃなくて三分間に何回タッチできるかの修行をやっているっていうことをここで伝えておくわ」


「…ん?今なんて?」


「言うよりかはオレンジにやってもらった方が早いわね。…いいかしら?」


あ、結局最初の方にやるのね?まあいいけど?


「よっしゃー!頑張るよー!」



「…さて、今日は何回触れるか、楽しみじゃな?」


「よろしくっス!」


「…今までは胸を触っても別によしとしていたが今日はやめとくかの?」ヒソヒソ

「いや僕はスザクの胸が触りたくて狩りごっこやってるわけじゃないし?」ヒソヒソ

「じゃあ尻の方がよかったかの?」ヒソヒソ

「もっとやだ」ヒソヒソ


ねぇ、家族がいることを狙っていうんじゃないよスザクさん?


「…始めるわよ?」


「うん!準備はできてるよ!」


「じゃあ始めるわよ。…スタート」


「ほっ!はいタッチ!」


「「「「速い!?」」」」


「ぬ!?いつもより増して速いの!?」


「まだまだ行くよ!」


家族のみんなにいいところ見せたいからいつもより加速するよ!


「ムッムッホァイ!」


「挙動が変だぞ?大丈夫か?」


「大丈夫!はいまたタッチ!」


「むぅ!少し本気を出すぞ!さらに妨害もくわえるぞ!今のお前なら避けられるじゃろ!?」ボゥッ


ちょっと!?スザクさん!?セイリュウさんの水とかゲンブさんの隆起、ビャッコさんの風の妨害は受けたことあるけど火はダメだって!


「うわっ!?おわっ!危ないな!はいタッチ!」


「ぬぅぅぅ!これでもダメかの!ならこれならどうじゃ!」


…残りの約二分間、こうしてずっと攻防が続いていました。



「終わりよ!」


「はぁ…はぁ…ありがとうございました…!」


「オレンジ…なかなかやるの…!」


「そういうスザクが…1番楽しんでたじゃん…!」


「ははっ…!バレてたか…!」


「合計言ってもいいかしら?」


「う、うん…!」


「18回だわ」


「「「「18回!?」」」」


みなさんはやはり驚きの表情。…でもこれが僕にとって普通なんです。


「うーん…20回届かなかったか…」


「だが…妨害を受けながらもこの記録を出すのはすごいことじゃぞ…!」


「…真の力を引き出せたのは…妨害してくれた事にある…」


「なんだ、オレンジ、ドMだったのか」


「ちーーーがーーーうーーー!」


…実はあっちに行く前からもドMと勘違いされてるんですよ。…違うんだってー!


「…お父さん!」


「んー?どうしたー?」


「コツ教えて!」


「コツねぇ…コツも何もまず早く動くことと…相手の動きの予測。これが大切かな?まあ僕はもう神の領域にいるけどさ…」


「神の領域?」


「なんだそれは、私たちも初めて聞くぞ」


そっか、ずっと隠してたのか。


「えっとね?気付いたら神の領域に来たってお兄ちゃんとお姉ちゃんが。そして直感っていう第六感を解放した!」


「なるほど…だから最近の捕まえる回数が多いのか…」


直感でスザクさんの行く道を予想して捕まえていました。…なんか不正してる気分。

でも!神の領域に入った=その力を使っていいって事だよね!



そしてまあ…うん。みんなズタボロだよ。僕が慣れすぎたのかスザクさんが本気を出しすぎているのかみんなが弱いのか。…全然わからん!

さて、これが1番長い!戦闘修行!現在時刻約10時!あと2時間くらいしかいれないのか…


「さて、最後の戦闘修行だが、これは常に危険を伴う。まずはオレンジ…わかってるな?」


「何をやるのかでしょ!お父さんの本気を見せてあげるよ!」


「お父さんの本気…」


「よくよく考えると見た事ないよね?」


「父さん…なんか凄そう…」


ていうかなんでレオはみんなと違って父さんって言ってるのかな?今度聞いてみよっと。


…さて、この修行の説明は四神の皆さんがモチーフの動物の形をしたセルリアンになるからその四神さん4人対僕をやるわけなんですよ。…つまり4対1!こりゃひどい。


「…ではセルリアンになるが…いいか?」


「もちろん!」


これ、セルリアンになった瞬間修行スタートっていう理不尽なルールなんですよ。だから最初の頃はよく奇襲を仕掛けられたけど今なら!

ちなみに勝利方法は戦って全員のセルリアン化を解くこと。


「…グォォォォォォ!」


「…はっ!」ドカッ


とりあえず裏拳をかましときゃなんとかなる。


「さー!どこからでもこい!…といってもね?僕も本気を出すよ!」


『フェン!やるよ!』


『あぁ!初めて家族の前で変身するんだ!存分に暴れてすごいってところを見せつけてやれ!』



「…ウォォォォォォォォン!」


「「「「!?」」」」


これぞ神々の戦いですよ!さぁ!さっさとやるよ!


「ガァァァァァァァァァァ!」


…おっと!セイリュウさんが水の攻撃か!…ははっ!水の攻撃は全部完璧に無効化できるのさ!

…体は燃えるように熱いけど表面は凍えるくらいに寒いぜ!氷結界結露!


「ガァゥ!」


セイリュウさんが送ってくれた水を凍らせてそれを返却するよ!大体のやつならこれで終わるんだけどもちろん四神だからね。一筋縄ではいかない!

…今度は僕のターンだよ!


「グラァァァァァァァァァァ!」


この体、結構軽いからコンボ性に向いた性能だよ。…でもね、勝負ってのは敵の弱点を見据えた者が勝つのさ!


「クルルッ」ペロッ


「ひゃいっ!?」ボンッ


…ビャッコさんは舐めるとすぐにセルリアン化が解けるんです。…オオカミさん以外のメスを舐めるって…なんか罪悪感。でもこれも勝つため!


「グフゥゥゥ!」スッ


「ギャッ!?」ボンッ


スザクさんは氷の矢を生成して投げつけて当てるとすぐにセルリアン化が解けます。


「アァウ!」ピョン


「!?」ビクッ


「キャンキャン!」クルクル


「ちょっ…やめ…ろ!くすぐったい!」ボンッ


ゲンブさんは甲羅の上でくるくる回ればくすぐったくてセルリアン化が解けます。

…さて、最後にセイリュウさんなんですけど、これがまあ厄介なんですよ。弱点が無いんですよ。…普通に戦わないとなんですよ。

でも!異世界に行って数々の戦闘をこなした今の僕なら!


「…みんな!やるよ!オオカミ!手を貸して!」ボンツ


「…!うん!」

『いつものだろ!?』

『まっかせてー!』

『セイリュウとの戦闘は慣れろよ!』


「お母さん!どこ行くの!?」


「まあ見てて!」


「「『『『超越合神融合!』』』」」


…あれ?なんでオオカミさんは超越合神融合のことを知ってるのかな?まあいいけどさ!


「…NDKェェェェェ!」


僕はね?実は普通に殴るより裏拳の方が強いんだよ。なんで?


「グァッ!?」


「まだまだァァァァァ!」


お兄ちゃん譲りの火の玉を飛ばすよ!え?水で消えるって?問題ない!だって神の火が水なんかで消えたらとんでもないし!


「…全く、降参よ」


「やたー!勝った!」


「…勝ったと言えるのだろうか…?」


「なんでよ!?みんなが相手の弱点をついた者こそ勝者って言ってたじゃん!?」


「…そうじゃな。我らの負けじゃ」


「…お父さんすごーい!」



まあ案の定みんな負けてたけど…狩りごっこのおかげかな?みんなすごい早く動けてた!

そしてだよ、もう別れの時間だよ。はーやーいー!


「…ふぅ」


「「「ありがとうございましたー!」」」


「礼儀正しいな!」


「そなたらの将来がt」


「楽しみ、でしょ?僕も楽しみだよ!親として、ね?」


「今回の修行で得た力、有効に活用するのだぞ?」


「「「はーい!」」」


「…時間じゃ」


「そっか…オレンジ、じゃあね?」


「…オオカミ?目を閉じて?」


「?」


多分寂しがるからね!何かしらしてあげないと!…というわけでキスです。


「…ありがと!」


「!?」


「…これで寂しくないでしょ?」


「…ありがとう…」


みんなの体が薄れていく…。早いものだよ。


「みんな!今度会うときは復活した時かもしれない!だけど…いくら別れが長かったとしても必ずみんなに顔を合わせる!約束するよ!…じゃあ…また今度!」


「「「「また今度!」」」」


…はぁ…消えちゃったか…


「…名残惜しいだろうが…ちょっと休憩に入るぞ」


「…うん!」


「なんだ?元気そうじゃないか?」


(まだ続きます)

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