第3話 花魁現着

令和2年1月26日 日曜日 14時45分


時間厳守は当たり前のため、

待ち合わせの15時に遅刻しないように、

15分前に雷門に到着。


ざっと見渡すとガードレールに腰掛ける見知った顔2人を発見した。


近付いて挨拶を交わすと、1人が前方を指差し


「あそこにいる人達も、多分参加者ですよ」と教えてくれた。


なるほど、着物で着飾った女性達や、和装で決めた男性の集団が見えた。


雷門周辺なので、着物を着てる男女は数多くいるが、あれだけの数が集まっている集団は他にはいない、嫌でも目立つ。


15分前に到着したはずなのに、既にざっと見ても30人以上。

私は後発だった様で、

遅刻していないのに、なんだか気恥ずかしくなった。

横の顔見知りは30分には到着してたそうで、

ツナッター侮り難し。


しばらく顔見知りと話をしていると、前方が騒がしくなった。



目をやると、ツナマヨさんとchaosさんが到着していた。


絢爛豪華な花魁衣装に身を包み、集団の真ん中にツナマヨさんがいる。


彼女がそこに居る、ただそれだけで今まで華やかだったはずの集団が、

一瞬ワントーン落ちたかの様な印象を受ける。


衣装のせいだけではない、存在感が圧倒的なんだ。


彼女は常に笑顔を絶やさない、

だから彼女の周りにいる人は必然的に笑顔になる。


そして笑顔が伝染した集団は、彼女を中心に花が咲く。

ワントーン落ちた色合いが、彼女の周りから色鮮やかに華開いていく。


そういう影響力がツナマヨさんにはある、

と私は思っている。



METUCAメンバーであるchaosさんがこの後の流れを説明してくれた。

カメラマンであるchaosさん、この方の写真はとにかく強い。

色合いが強く、モデルさんが強く、写真から伝わる印象や輪郭が強い。

御本人は小柄な女性だけど、内に秘めたパワーは相当なのだろうと思っている。


さて、この後はというと、

仲見世通りを突っ切って、奥に鎮座する浅草寺に参拝するとの事。


御祈祷をお受けする時間は15時30分。


つまり、今から30分以内に、

いや、準備もあるので20分頃までには着いておきたい。


目指す浅草寺までの仲見世通りには大勢の観光客の方が。


私は思っていた、

ここ移動するのが先ず花魁道中にならない?、と。






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