ぷらちなの日常。

ぷらちな

1日目・歯医者

ふと口の中に違和感が起こった。


ある日、ベッドでうつ伏せにゴロゴロしながらゲーム実況を眺めていた時だった。

僕にはうつ伏せになる時、両の手で握ったゲンコツを顎の下に置いて代替わりにする癖がある。


その日もいつもと変わらなくゲンコツに顎を乗せながらゲラゲラ笑っていたんだ。


その時だった。

急に「ガコッ」と軽い衝撃が起こり、口の中の一点だけがスースーし始めたんだ。


何事かと思って、慌てて鏡を覗きに行った。

すると。


自分から見て左下奥歯。歯の中で一番丈夫そうな奥歯。

奥歯に大穴が開いていた。

戦慄したよ。

口中は暗くてよく見えないけれど、何やら穴の中に黒っぽいものまで見えてるし。


僕は至急、近所の歯医者さんに予約を入れ、穴の治療に向かった。

それが大体10日前。

その時は穴を借り埋めして帰ってきたんだ。


そして今日は治療の日。

穴は神経までギリギリ届いていないくらいの大きさだった。


ここからが本番だった。

口の奥で麻酔が効かない部分が出るといけないからと言われて、奥の奥、上に歯の生えていない部分に麻酔を刺した。

これが痛かったんだ。明らかに柔らかい所に針が刺さる感触が生々しく伝わってきた。

しばらくその状態で耐えながらある事を思いついたんだ。


今僕が執筆して投稿中の異世界ファンタジーモノ、「嘘と誠のアルメリア」って名前の作品なんだけれど、

そこに登場するヒロイン(金髪ロングの可愛い子ちゃんなんだ。ぐひゃひゃ)の「エリス」の職業が「薬師」なんだ。

主人公達が近接武器や魔法を使いながらバトルするシーンを多く書きたいからね。

「ふむ、主人公達ってどんな戦い方するんだい?」って気になったら覗きにきてみてよ。


所謂中世ヨーロッパ風の世界に口に打てる麻酔があるかは謎だけど、何かしら形を変えながら似たような薬を使わせてあげられるかもしれない。

たとえば戦闘で重傷を負った主人公を手当て(手術紛い)してあげる描写とか。

麻酔って元は笑い薬だったんだっけ?


そんなこんな考えているうちに、けたたましく鳴っていたドリルの音は止み、詰め物をして、銀歯の型をとって終了。

料金は990円だった。


一週間後、今度は銀歯を被せてもらう予定だ。




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