第17話 コピー屋さんから帰ってきたら2-2(平とじ製本)

圧巻の全およそ260ページ強を3部づつ、二つ折りにするところまでそろえました。(2冊組の予定でしたが、価格の面から強引に1冊にまとめました)


さてずいぶん前に戻りまして、決定した『本の構成』に従い

・あそび紙を本文の前後に1枚ずつと、

・その次に挟むトレーシングペーパーを1枚、

それから、

・本分をくるむ表紙になる厚紙、A3を高さだけA5縦サイズに切って、用意しました。

が、これが失敗でした。

最後の厚紙はよほど本文を正確に作れる自信がない限り、歪みを考慮して切らない方がいいと思います。


もとい。

『平とじ製本』

1)折った本文を、ホッチキスで留められる枚数ごとに小分けにして、背表紙側の上下、外側からギリギリの位置で留めて冊子状にします。

針の裏側が山型になっている場合、潰して平らに仕上げます。(でないと1冊にした時、当って邪魔。またフラット仕様のホッチキスもあるので使うとたいへん便利だと思います)


2)1)で作った小分け冊子を一冊にまとめるべく、ホッチキスで留めて繋げます。ここでもホッチキスの針の裏が山形になっている場合、潰して平らにします。

(出来上がったものをびろーん、と縦に引っ張ったなら、数字の「8」が縦に連なっているようなイメージです。ちょっと作業がしにくいけれど、慣れればそれなりに綺麗にできました)


上記手順にて注意すべくは、

・ページ並びが間違っていないかチェック。ここで失敗すると、乱丁になる。

・背表紙側を平らにそろえること。デコボコだとこのあとうまく糊付けできない。背表紙そのものもボコボコになる。


一般的な場合だとこの後、表紙でくるんで糊付けですが、強度にかなり不安があったため、


3)背表紙を木工用ボンドで塗り固めました。(無線とじのとじ方を併用)

・斜めにずれたりしないよう、本文クリップで挟んで固定。

・背表紙へボンドを塗る。指で塗り込むと、かなりきれいに仕上がりました。

・本文表、裏へいらない紙をあてがい、ボンドがヨソにつかないようガード。

おもしをかけてボンドが乾くまで待つ。

・乾いたらいらない紙を剥がして、中から本文を取り出す。


そしてついに表紙つけ!

表紙用の厚紙で本文をくるみます。


4)厚紙で本文をくるむ。(これが一番難しかったです)

・表紙、背表紙の幅を測り、前もって厚紙に折り目を入れておきました。

・ボンドを背表紙に塗る。(平綴じ時のホッチキスが隠れるように、その上にもほそーく、ボンドをぬるとより本格的な仕上がりに!)

・表表紙と本文を合体。

ふわっとつけているだけだと接着強度に不安あり。爪でごしごし背表紙へ密着させました。

・再びおもしをかけて、乾くまで休憩。


乾いたなら、もう完璧な冊子です。

強度に不安がありましたがボンドをかなりたくさんしっかり塗り込んだせいか、思っていたより頑丈で満足しています。


あとはカラー刷りしておいたカバーを一冊づつのサイズに合わせて裁断、かぶせて完成となりました。

今回はボンドで接着しましたが、簡易方法として両面テープを使うやり方もあります。乾くのを待たずともよく、手も汚れませんので、こちらもどうぞお試しください。


また最後、化粧断ちをする予定でしたが、完成した本体の厚さは16ミリ(おもしをかけたせいか薄くなった!)これを扱える気がせず、思ったよりもボサボサでなかったため、化粧断ちは行わないことにしました。

もし行うなら1)の段階で寸を測り、小冊子ごと、小刻みに切り落とす方が安全かつ確実かと感じています。


ノドについては見開き真ん中の行が読めない、という事はありませんでしたが、あと3ミリ程度、広く取った方が見た目が綺麗だと感じました。


さて、よく見ると歪でザツですが、内容にも差し障りのない程度のデキですし、最初からハードルが高かったなと合格点を出すことにしています。

お買い上げいただくことがあったなら、その辺りもこみで了承いただき嫁がせたいと思っています。


慣れていないせいかこの作業、けっこう疲れました。

そして長編、およそ160ページがまだ1本あります。これを仕上げてようやく次の段階へ進めるというもの。


完成する次回まで、しばし待たれよ。

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