第三回こむら川小説大賞の自作語り

◆雪女の恩返し

ハイローレッドレインの「雨は嫌いだ」が思いついて、とりあえず書いたら書けました。

 パンツの恩返しのリメイクに近いかも。


◆Drag&Rider

これは捨てた1400字

 空から降り注ぐのは白く燃える炎。

 小さな太陽みたいな大小の石が降り注ぐ。


「セレスト、逃げなさい!」


「母さん」


 胸元を押されて、母さんが遠くなる。

 伸ばした手は、焼け付くような熱さの空を切って、目の前で屋根が落ちる。

 叫び声は母さんに届かない。


 煙と鉛のような雲の合間に、紺碧の鱗が煌めいて通り過ぎる。

 地響きのような音をさせて、白い煙を吐きながら空の王と呼ばれる巨大なドラゴンが遠ざかっていく。

 長く伸びたドラゴンの尾に、翼に、巨大な炎の龍が放った槍の様な棘シューラ・ヴァラが突き刺さる。

 太い笛の音みたいな音が響き、空の王が高度を落とす。

 槍の様な棘シューラ・ヴァラが突き刺さったまま、落ちてきた長い尾が家々をなぎ倒す。母さんが下に眠っている俺の家が粉々になる。

 妹たちが通っていた修道院の上に、空の王が墜ちた。


 全ての色を反射してるみたいな虹色の角と爪は欠け、紺碧の鱗が剥がれ落ちたところからは赤黒い血が滴っている。

 晴れた日の雲みたいな真っ白な牙を剥いて、堕ちた王は、自らに突進してくる炎龍に吼えた。

 ビリビリと空気が震えて、ゴウと風が吹く。

 熱い空気の中で、俺はただぼうっとしながら動けずにいた。

 母さんも、妹たちも、死んだ。

 番兵たちに助けを求めに行った父は、炎龍に踏まれて死んだ。


「どうして」


 自然と口から言葉が漏れた。誰に言ったわけでもないけれど。いや、俺は、空の王に言ったのかも知れない。

 空の王が、燃え立つ炎の色をした瞳で俺を見た……気がした。

 人の匂いに気付いた炎龍の視線が、俺に注がれる。

 覚悟を決めた次の瞬間、真っ白な光が辺りを包む。眩しくて、咄嗟に翳した右腕の表面がジュっという音を立てて灼けた。



「すまんな」


 あれから五年。

 両親も故郷も亡くした俺は、故郷から離れた場所で目を覚ました。

 確かに音を立てて灼けたはずの皮膚は、火傷どころか傷一つなかった。けれど、俺の右手にはよく見ると虹色の鱗が生えている。 

 ここの村人は、行き倒れになっている俺を小屋に運んで看病をしてくれた。

 それからなんだかんだ住む場所も用意してくれて、俺は小屋の修理だとか、畑仕事や家畜の世話を手伝いながら生活をしていた。

 気味の悪い鱗の生えた見知らぬ子供を助けてくれた。

 それだけでも、この村の人達には感謝してる。

 元々、余所者だ。身寄りも無い。この人たちが悪いわけではない。

 

 本当に、俺が呪われているから、俺を追い出せば村は元に戻るのかもしれない。

 俺が来てから、村に不幸が増えたらしい。村だけでは無く、この国全体が狂ったらしいが。

 手負いの炎龍はなりを顰めたが、最近になって暴れているらしい。

 雷がそこかしこに落ち、桶をひっくり返したように雨が降ったと思ったら、そこからしばらく狂ったように熱くなったり、真夏なのに真冬みたいに寒くなる。

 そのお陰で畑も森も荒れて、獣は飢えた。

 飢えた獣が里で家畜や人を襲うようになった。

 獣だけならまだしも、最近では小型の龍が辺りを彷徨いているらしい。


 後ろ手を縛られて、背中を押される。

 馬車の荷台から降りた俺を、教会の屋根よりうんと高い洞窟の入り口に俺を残して、村のみんなは再び馬車へ乗り込んだ。

 俺に一言謝ったきりで、彼らは帰路へ着く。これでいいんだと自分に言い聞かせて、俺は言われた通り洞窟の中へ歩を進めた。

 せっかく生け贄としてきたんだ。狼や熊に喰われるわけには行かない。


 洞窟の中にいる巨大な灰色の龍の生け贄


無理や!!!!!と思って別の話にしました


』メモ書き』

 穴に転げ落ちる

 灰色の龍がいた

 龍と対等になりたがるから龍騎士ドラグライダーには向かない

 龍には命令しないといけない。龍と友達になるのではだめ

 力を示さないといけない

 力を示して、自分より強いと認められないと龍には乗れない

 天気や自然の名を冠する龍には乗れない


 灰色の龍は空の龍

 攻めてくる龍は天気の龍がいいかな(雲とか雨?)


これでhttps://kakuyomu.jp/works/1177354055367729906 ができました

エアちゃんがセレストくんを最初助けたのは、ドラゴン除けの香草と、金髪と茶色い服で自分の子供だと勘違いしたからです(その後すぐにちがうと気が付いたけど害はなさそうなので言うことを聞いた)


中編とかに書き直すときにちゃんと書きたいね

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