セイクリッドリッチ討伐

勇者島村たちと再会した俺と南は島村たちと合流する事にした


 とりあえずセイクリッドリッチの討伐に向かう


 死者の軍団を俺と南で退けた為、リッチは自身のダンジョンに引き篭もった様だ


 死の軍団を再結成したら、当然、また再戦を挑むと考えられた


 そこで、俺たちはリッチのダンジョンに向かった


 街から馬車で3日間、それから2日間歩き、ようやくリッチのダンジョンに着いた


 ダンジョンでは俺のゴーレムで偵察しながら慎重に行った


 陣営は前衛に勇者の島村、サムライの林、夜叉王、中堅に俺と南、後衛に西野と泉だ


 そして、最終階層までようやく着いた


 ドアを開ける


「よく来たな、下等な人間よ。よくも私のかわいい僕たちを滅ぼしてくれたな」


南が質問する


「なぜ、あなたは街を襲うの?」


「何故だと?


 それは犯し、殺し、奪い、凌辱する為だ」


「何故そんなひどい事をするの?」


南が怒る


「何故って、楽しいからだ。死を前に恐怖する人間を観察するのは楽しいぞ」


「お前馬鹿か、このぽね野郎!」


南がキレた


「何故そんなに怒る、たかが死ぬ位で、わからんな」


「つまり、あなたは生きていないから、痛みや恐怖がばからないのね」


南がかなり激おこモードに入っている


「あなたに恐怖を教えてあげる」


なんか南が怖い


 林、夜叉王が剣を抜く


 そして


『ブレーブソード』


島村が勇者の剣、ブレーブソードを顕現させる


 島村はアルデンヌのダンジョンで剣の声が聞こえたそうだ


『デュランダル』


続いて南が聖剣デュランダルを顕現させる


『ジャキ』


俺はアサルトライフルHK416を構える


 古代魔法の事はまだ打ち明けていない


 もし、打ち明けたら、島村たちと魔王討伐に参加しなければならないだろう


 だが、俺はまだ、島村たちと行動を共にする決意がなかった


 俺は先制攻撃した


 銃声が響く、セレクターをオートモードにしてエーテル弾を一斉射撃する


「は、痒いわ」


リッチは俺のエーテル弾をものともしなかった


 予想はしていた。このリッチはただのリッチではない、さらなる最終魔法で


 リッチの最終携帯セイクリッドリッチとなっている、


 ドラゴン以上の魔法障壁を備えている事が予想された


「くっ、俺のエーテル弾が......」


このエーテル弾は最終改良型のメタノール+火薬+水verの最強フレアランスの魔力を込めてあった


「高野、大丈夫だ。効いてはいる」


「ああ、地道にやろう」


そして、南と泉が『ホーリー』をたて続けに唱える


 ただし、南のは『セイクレッドホーリー』だ。ホーリーの最上位魔法


「この世ならざる者どもよ 歪みし哀れなる者よ 


 我の浄化の光もて 世界と世界を結ぶ彼方へ消え去らんことを


 『ホーリー』」


「この世ならざる者どもよ 歪みし哀れなるものよ 


 聖なる癒しのその御手よ 母なる大地のその息吹


 その大いなる慈悲の心と 優しき浄化の光もて 世界と世界を結ぶ彼方に消え去らんことを


 『セイクリッドホーリー』」


かなり効いた様だ


「ふん、やるな、こちらも、いでよ我が僕よ」


土の中から人が形作られる、デュラハンだ。騎士のなれの果て


「「「俺たちが」」」


島村達戦士職がデュラハンと戦い始める。しかし、リッチは呪文を詠唱し始めた


「南、火の攻撃魔法だ。防御魔法だ」


「わかった、私は防御魔法する、高野君はアビリティを」


「ああ」


『神盾』


「水よ、我らを守護する水よ。勇敢なる我らに汝の駕籠を与えたまえ。ファイヤプロテクション!」


俺と南の魔法とアビリティが発動する


 そこへ、リッチの火の攻撃魔法が降り注ぐ


「炎よ揺らめく輝きをもつものよ、


 その深紅の滾りをもって我が道を阻む愚かなるものを


 その身の一片に至るまで焼き尽くせ 『ファイヤウォール』」


リッチの魔法は強力だった。だが、こちらのダメージは0


「なんだと小賢しい」


リッチはまた新しい呪文の詠唱に入る


 しかし、程なくしてデュラハンは島村たちに滅ぼされる


 リッチは新しい呪文を完成しそうだ。そこへ


「もらった、デュランダル!」


南が『空間転移』でリッチの直前に現る。デュランダルは聖なる剣


 当然、リッチには特効だ


 しかし


「かかったな、『暗黒鎌』」


リッチはこの時を待っていた。戦士職が飛び込んでくるのを


「遙ああああああああああああああ」


俺は思わず叫んだ


 南の首は黒い鎌で撥ねられた


 南の首が転がる


「いやーーーー」


泉の悲鳴が響く


「よくもやってくれたわね、この骨野郎」


俺は聴き慣れた声を聞いた。これ、南の声......


 南は頭のない体で、自分の頭をよいしょと拾って自分にくっつけた


「いやーーーーーーーーーー」


またしても泉の悲鳴が上がる。まあ、無理も無い、見慣れないとあれはビジュアル的に結構きつい


 そして、


「貴様、なんで、死なない。お前どうなってるんだ?」


リッチが錯乱する


「いいから、この骨やろう死にさらせ!」


『空間転移』と『瞬歩』南は一瞬でリッチに近づき呪文を唱えた


「我敵を切り裂け”『ダムド』」


古代魔法『ダムド』、近接攻撃魔法、その威力は凄まじい


「ぐおおおおおおおおおおお」


リッチが悶絶する


 そこへ、南のデュランダルがリッチがトドメを刺す


「そんな馬鹿な、この私が人間ごときに」


「てめーも昔は人間らったんだろー」


リッチは消えて行った。大勢の人にトラウマを植え付けて


 南がこちらを向くと


「ひっ」


泉が思わず悲鳴をあげる


「あ、いや、私、別に死んでないから」


そういう問題じゃないよ


「無詠唱の回復魔法、それもリザレクション......」


俺が呟く


「リザレクションなんて可能性だけが示唆されていただけの呪文だ


 それが、実在がするものなのか!それも無詠唱でだと!」


島村が唸る


「魔法使いが剣で戦うんだもの、これくらいのハンデは必要だよ」


南がニッコリ笑った


みんな、その顔はひきつっていた

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