勇者島村達との再会

死者の軍勢を撃退した俺たちに以外な援軍がきた


 司令官に呼び出されて俺と南、夜叉王、サラは司令部に来た


「み、南、それに高野」


それは島村だった


「島村君、それにみんな」


司令部には島村達が来ていた


 しかし、一人違うメンバーがいた、泉だ


 泉はツカツカと南の前に来ると突然平手打ちした


 かなりの力で張った。南の頬が赤くなる


 そして今度は俺の前につかつかと来て、やはり


『パシーン』


激しく叩かれた


「高野君、南、自分たちが何したかわかってるの?」


泉はその冷たい美貌で俺たちを見た


「高野君、あなたお金の為に体を売ったそうね


 南、あなた高野君についていっちゃったんだよね」


「「ご、ごめんなさい」」


「高野君はあとで、たっぷりお説教してあげる


 でもその前に、私は南に文句いいたい


 あなた高野君の事諦めるって言ってたわよね


 ずるくない?」


「だ、だって私、高野君のことづぎだもの」


「何、コロコロ変わってるの?


 あんなに高野君の事悪く言っておいて、自分だけ追いて行くなんて」


「だ、だってばたし、高野君に悪い虫つかない様に必死で」


「悪い虫で悪かったわね。ひどいわね南」


今、泉さん今、変な事言ってなかった?


「ま、まあ、泉、個人的な事はあとで......」


「島村が止めてくれた」


「あとで、二人にはたっぷり話があるからね」


泉はようやくその怒りを納めてくれた


「とにかく、俺たちはエルアラメインの国王にセイクリッドリッチの討伐依頼を受けた」


「そうだ。高野、気持ちはわかるが、今は俺たちに協力してくれ」


元親友の西野だ。そういえば、一人足らない


「須田は?」


「彼は秋山達のパーティに入った。南が抜けたから泉に入ってもらった」


「いや、島村が追い出したんだよ」


「西野!」


「できれば放っておいて欲しい」


「私も......」


「そうはいかない、俺たちは知ってしまったこの世界の秘密を......」


「島村たちも?」


「ああ、アルデンヌの真の試練のダンジョンを攻略した」


「じゃあ、アリシア教の事や魔族の事も......」


「ああ、俺たちは魔族を友にできるかもしれないと考えている」


「そっか、じゃ、島村達、頼むよ、島村ならできるよ」


『パーン』


また、泉に頬を叩かれた


「高野君、あなたはそんな人じゃない。本当は島村君や西野君と仲良くしたいんでしょ?」


「できればそうしたいよ。でも、俺、嫌われるから......」


「人と接しないから、嫌われるの、嫌われるのを怖がって人と相対しないからそうなるの」


「高野君、それは泉の言う通りよ」


南が俺に言い聞かせる


「いつか、高野に帰って来て欲しい、そう思っていた」


「だから、須田を追い出したんだろう


 島村があんなに怒るとは思わなかった」


???


「何があったの?」


「島村が須田をいびり倒したんだ


 あれは痛快だった」


「......」


島村は沈黙した


「すまん、高野」


西野が謝る


西野、それはかつての俺の親友だった 


「俺はお前を見殺しにした。親友なのにお前を見殺しにしようとした


 俺は須田より罪深いのかもしれない」


「ああ、そうだよ。お前に見捨てられた時、俺は死ね事を決意したよ」


「すまん、だけど、俺は後悔してる。せめて謝らせてくれ」


西野は泣きだした


「西野は陰で、高野を助けられないか動いていたんだ......」


林が言い出した


「俺だって、本当はかわいそうだと思ってたんだ。でも、俺からは言い出せなくて


 そんな時、西野から相談を受けて、もう、いぢめはやめようって考えてたんだ」


「俺も西野から相談を受けた」


島村だ


「もう少し時間があれば解決できたかもしれない」


「じゃ、じゃ、俺死ななくてもよかった?」


「俺はこの転生はむしろ感謝している


 高野に責任を果たす事ができる」


「わかった。少し、考えさせてくれ


 二度も殺されそうになるとさすがに人間不審になるんだ」


「わかった、じゃ、一晩考えてくれ」


「男の子の話が終わったから、今度は私の続きね


 二人ともたっぷりお説教してあげるからね」


泉が宣言した


 そして、俺は泉と二人っきりになった。とても怖かった


 すごい、怒られる。そう思ってたら


「高野君大丈夫だった?


 ごめんね、私何もできなくて」


泉はさっきの勢いがなく、目に涙を浮かべている


 そして、突然言い出した


「高野君、私の事好き?」


「......???......」


俺は頭がパニックになった


「い、いや、泉の事嫌いな男いないと思うよ」


「本当、私、南みたいに愛想よくないから」


そう言った泉の顔からいつもの無表情が消えていた


「ありがとう高野君、私嬉しい」


初めて見る笑顔......


 ていうか、デレデレの顔、これ本当に泉?


 そのあと、泉はいろいろ世話を焼いてくれた


 そして、その後、南が泉の餌食になった


 2時間も泉にお説教をくらったらしい


 それにしても、俺以外とモテてたと南が言っていたけど


 イメージ的に影の薄い女の子が密かに俺を思ってくれた


 そう、思ってたんだけど、それって泉の事......


 だよね。俺は南ってこすいって思ってしまった


 泉になんで俺の事好きなの?


 て聞いたら、自分の彼氏が自分より優秀なのは当たり前でしょうと


 学校の成績で泉より成績いいのは俺だけだった


 本当にそれだけ?

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