パーティランクB昇格

俺たちのパーティランクがBクラスに上がった


 パーティクラスはリーダーのランク以下かつ、


 一定の討伐成功を重ねると昇格できる


 今回、夜叉王がランクBの昇格試験に合格したので、無事上がれた


 一方俺たちはようやく冒険者ランクEになった


 俺たちのランクがなかなか上がらなかったのは


 Eランクの昇級条件が薬草や木の実などの討伐依頼成功が条件になっていて


 そんなのこの『ローデンブルグ』にはほとんどないからだ


 今日はAランク討伐を受けようと、夜叉王が受付のお姉さん相談したところ


この騒動がおきた


 あまり気にしてなかったのだが、夜叉王はかなりこのギルドで嫌われていた


 だが、理由は彼が亜人だからでは無い、


 彼がEランクの女の子を連れて回る冒険者だからだ


 どうも、俺たちはエッチな目的で連れられていると、そう思われていた様だ


 俺は全然気づかなかったが、南が教えてくれた


「私はもう我慢できません


 危険な魔物討伐にEランクの女の子を連れて行くなんて」


受付のお姉さんはかなり怒っている


 理由は勘違いだ。俺たち何もやましい事してないし、


 大半の魔物は俺と南でやっつけている


「いや、彼女たちはランク以上に強い、信じてくれ」


夜叉王は訴えるが、聞いてもらえない


「決闘を申込ます」


受付のお姉さんが啖呵をきった


『決闘』


冒険者や貴族にある問題解決方法


 その名の通り、戦い、勝った方の意見が正しいとされる


 ただし、決闘は両者以外に両者の承諾者が必要だ


 決闘という名の殺人が行われてはならない為だ


「しかし、あなたは冒険者では無い」


「いえ、私は冒険者の資格は持っています


 ランクはA」


どうもこのお姉さんはリタイヤ冒険者の様だ。それもかなりの手練れ


「我は構わんが......」


夜叉王はかなりやる気無い


 そこで.....


「すいません。それ私と決闘してください」


俺は申し出た


「な、何を言ってるの?


 あなた達を助けようとしてるのよ」


「お姉さん。気持ちは嬉しいのですが、勘違いしてます


 私たちやましい事はしてませんし、私たち強いですよ


 多分、あなたより」


「そんな事がある訳が......」


お姉さんは驚いた様だ。Aランクの自分より強いと主張するEランクの女の子に


「わかったわ。むしろ好都合だわ。負けたら、もっと弱い魔物と戦うのよ」


「わかりました。ただし、負けたらですよ」


俺たちは『決闘』の手続きを行った


 そして、闘技場で戦う事になった


 多くの人が集まった


 EランクとAランクの冒険者の決闘、娯楽は無いこの街の人には注目を集めた


「では双方準備」


受付のお姉さんは普段と違い軽装の鎧とミスリルの剣を装備していた


『シュン』


剣を払う音は検先の速度がどれだけ早いかを物語っていた


「あなた、魔法使いでしょ


 何か獲物を持たないと瞬殺よ」


俺は魔法使いと冒険者ギルドに登録していた


 南は剣士、スキルの登録義務は無い


「じゃ、私は短剣で」


短剣を構える


「短剣も剣には相性悪いんだけど......」


「双方準備いいか?」


審判のおじさんが準備を促す


「はい」


「もちろん、いつでも」


「始めー」


戦いが始まった


 俺は速攻にする事にした


『瞬』


『瞬歩』ではなく、『空間転移』


金属音が響く


 信じられない事に受付のお姉さんは俺の短剣を受け流した


「まずい」


お姉さんは想像以上の手練れだ


『シュバリエアーツ』


俺はアルナロック 真の試練最終階層の武技『シュバリエアーツ』のスキルを発動した


 体中にエーテルがみなぎる。俺の身体能力は数百倍になっている


『瞬』


今度は『瞬歩』


だが、『シュバリエアーツ』起動時の速度は全く違う


『ガキン』


全く信じられない事にお姉さんは俺の剣をふたたび受けた


 だが、剣がもたなかった


 剣が折れたが、勝敗の号令が出なかった


 審判のおじさんが何がおきたのか理解できてないのだ


「審判、私の負けだ」


「勝者、魔法使い高野」


『おおおおおおおおおおおおおおおおおおおお』


大歓声が闘技場に響いた


 誰もEランクの冒険者の勝利を予想していなかった


「あなた、本当にEランクなの?」


「冒険者ギルド規程では仕方なくそうです」


「......」


「あのー、私ともやります?」


南がお姉さんに聞いた。聖剣デュランダルを持って......


「い、いや、やめておく、その剣、ただの剣では無いでしょ」


お姉さんは完全に理解した。私たちが半端な冒険者では無い事に


☆☆☆


その後、受付のお姉さんが色々調べてくれて、


 特別昇級試験がある事がわかった


 それで、特別昇級試験を受けた


 俺と南はAクラスの冒険者と戦って勝った


 俺は相手の剣を短剣で折ったが、まだ剣技に慣れない南は剣で思いっきり


 斬られた。だが、魔力障壁を持つ南にはミスリルの剣など効かなかった


 対戦者の剣は魔力障壁に当たった瞬間折れた


 こうして2人とも冒険者ランクCに昇級できた


受付のお姉さん曰く


「なんなのこの娘達......」

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