夜叉王が呆れる

エルアラメイン王都『ハイデルブルグ』で3日程、


 オークを狩ったあと、俺たちは拠点を移す事にした


『ハイデルブルグ』付近にはあまり凶悪な魔物はいない


それで、Cランク以上の魔物の討伐依頼がなかなか無いのだ


 稼ぐには拠点を移動した方が良さそうだった


 新しい拠点は『ローテンブルグ』


 辺境のこの街は強い魔物が多い、冒険者も腕に自信がある者だけが集まる


「本気ですか?」


ギルドの受付で夜叉王と受付のお姉さんが揉める


「いや、条件はあっているだろう。我らのパーティはCランク


 Bランクの討伐依頼までは受けられる」


「あなたはCランクの冒険者ですけど、


 お連れの女性2人はFランクでは無いですか?」


「彼女達は大丈夫だ」


「知りませんよ......」


受付のお姉さんは渋々受理した


『Bランク討伐依頼 ノーブルバンパイヤ』


この近くの廃城にバンパイヤが住み着いたらしい


 この街の付近は魔物だらけなのだ


 この街のほとんどの住民が冒険者とその家族だ


 一般の人々はこの街で生き延びる事はできない


 街の中にさえ魔物が侵入する事がある


俺たちは出発した


 そしていつもの様に銃で銃撃する


「か・い・か・ん・」


俺がいつもの言葉を口にすると


「高野君、それあまり言わない方がいいわよ」


「そうかな?」


「我は高野はかなりやばい奴と認識している」


夜叉王が呟く


「そんなー、ひどい」


「ギルドでは我の方がひどい奴と思われておる」


「それはごめんなさい」


「いや、いい、お前達が強すぎてもお前達のせいではない」


その後俺たちは少しずつ自分たちの能力を解禁していった


 一度にしないのは夜叉王が拗ねそうだからだ


 男はプライド高いから......


 そして、廃城を楽々攻略しての帰り道


「少し、休憩しよう」


「そうね。高野君お願い」


俺は倉庫からテーブルと食器、お茶のセットやケトルを出した


『!』


夜叉王が驚く


「な、それはどこから?」


「倉庫から、収納魔法なんです」


「お前ら、まだ隠し事あったのか、さすがにもうないと踏んでたのだが」


「そうですね。まだちょっとあります」


「まだ、あるのか......」


夜叉王は呆れた

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