第10話 悲願の討伐



 世界の多くの人が魔王の脅威を正しく認識した頃、一人の研究者が魔王討伐の協力へ名乗り出た。


 その研究者は、かつての伝承に向き合い、魔王復活の重大な危険性について考えいたものだ。。


 だが、彼女の考えは多くの者から嘲笑われ、それゆえ研究会から追放されていた。


 一人研究を続けていた彼女は彼らを見返すため俺達に目を付けた。

 彼女の協力もあってか、貴重な聖属性の力を活用する方法が、いくつも発案された。


 力を分ける方法。

 力を武器に付与する方法。

 力を強力にする方法。


 彼女の協力の元、人々は徐々に力をつけていった。





 そして、人々が十分に力を付けた頃。魔王復活の兆候が表れた。

 俺達は急いで魔王の体が眠っている地へ赴いた。


 そしてそれぞれの武器で、魔法で、魔王を浄化する事になった。


 目覚めようとする魔王と、それを押しとどめようとする俺達。

 

 半覚醒状態の魔王は、俺達に何度も攻撃を加えてきた。


 だが、その頃の俺達には頼れる仲間が大勢ついていた。


 多くの犠牲を出しながら、長い月日をかけて戦いを続けた俺達は、日が百回昇るころに決着をつけた。


 浄化の力をあびて、魔王は力尽きていく。


 長い年月をかけた戦いは、ようやく終止符を打ったのだった。


 異端として蔑まれ、哀れまれ、馬鹿にされていた俺達がやりとげた偉業に世界は沸いた。


 多くの国から領地や領民、金銀財宝などの褒美を差し出されたが、俺はそのすべてを断って、最後の時を迎えるまで故郷で穏やかな日々を過ごした。


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魔王に殺された勇者が転生したら、世界が滅んでいなかった 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

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