第3話 何度も追放される理由



 俺はどうやら時代遅れな人間らしい。


 俺が前線から退いている間、主な戦い方が変わっていた。


 性能の良い武器、性能の良い防具、性能の良いアイテム。

 戦闘時は、それらで身を固めておくのが主流になっていた。


 以前は、たとえ素質がそれほどない人間でも、そういった品物で身を固める事で、戦力になる人間が多かったようだ。


 しかし、時が流れるにつれて考え方が変わっていった。


 良い武器、良い防具、良いアイテムを持っていない人間は弱い。

 そんな価値観が当たり前になっていったのであった。


 性能が良い品物が出回るようになった事は良い事だ。

 だが、それに胡坐をかいて人間の素質を見抜く目が失われてしまっているようだった。


 だから俺は世間から、使えない奴で弱い奴という烙印を押された。


 ならば、と。

 パーティーに入る事ができないなら、作ってしまう事にした。

 世間では使えないとされている者達を集めて、パーティーを組む事にしたのだった。


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