待って待って、これカクヨムでタダ読みしていいの?

最初に言いますけど、これ、私はお金出して買いますよ。
内容についてのレビューは他の皆さんのを参考にしていただくとして、せっかくなので別の切り口から。

まず、牽引力が尋常ではないです。
公募に出された作品とのことなので、一話ごとの文字数や引きなどは計算していなかったかもしれませんが、とにかく一話の引きがいい。絶対に続きを読みたくなる。
数日かけて読もうと思って夜に読み始めたのが運の尽きで、読み終えたら朝の4時ですよ。「続きはまた明日」ってのを許さない凄まじい引力に、読者はただただ翻弄されるだけになっちゃいます。覚悟して読みましょう!

それと、なんていうかな、機械への愛を感じます。機械というかなんだろうなぁ、ヒトじゃないもの。マシンだったりプログラムだったり数字の羅列だったり確率だったり、そういうものに愛情が注がれてる。
0と1を語るのに、こんなに愛を持って書く作者がいたかなぁ……って思うほど、「概念」や「無機物」「文化」のようなものに深い愛情を示してるんですよ(なんか私の日本語が変ですね。語彙力飛びました)。

そして登場人物たちの持つ優しさ。登場人物全員がびっくりするほど優しい。みんなそれぞれにベクトルは違うものの、どの人もみんな愛情深いんです。


最後に作者は読者に挑戦するかのように難問を残しています。
――本当のバグは何なのか――
読者によってその回答は変わるような気がします。
それがどう偏るか、それこそがランダムナンバーなのかもしれません。

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