ただ一度の微笑みで

森音藍斗

ただ一度の微笑みで

 黒沼先輩は表情に乏しい人だった。

 全く笑わないというのではない。同じ学年の先輩同士で男子高生らしく馬鹿やっているところは何度も見たことがある。冗談も割と言うほうで、昨夜のテレビのネタを真似てみせるのも上手い。ゲームが好きで、同じバンドの新井先輩の家に遊びに行って、休日なんかは一日中ゲームして終わることもあるんだそうだ。人と接するのが苦手とか、後輩の指導が下手とかというわけでもなく、直属の後輩に当てられた私の面倒はよく見てくれる。

 要素だけ見ると親しみのある先輩なのだけれど、じゃあ、取っつきにくいのはどうしてだろう、と何度も考えたことがある。結論はまだ出ていない。

 何を考えているのか分からない、という表現がいちばん近い気がする。




「浮谷さんは何で軽音部入ったの」

 それは、私が軽音部に入部して、黒沼先輩が直属の先輩に決まった直後、四月の終わりの会話だった。ようやく担当の楽器とバンドが決まって、ドラムスのスティックが買いたい私を、部活帰りに、黒沼先輩が楽器屋まで連れて行ってくれる約束だった。

「部活紹介のとき――入学式のあと、ステージで先輩たちが順番に部活の紹介する時間あったじゃないですか。そのときの軽音部のパフォーマンスが、ええと、楽しそうで」

 そのとき軽音部からステージに上がって演奏してみせたのは、黒沼先輩と新井先輩が所属するバンドだった。

「私、ピアノをずっとやってたんですけど、やらされていただけで面白くなくて。でも先輩たちがとても楽しそうに演奏してたので、もう一回音楽試してみたいと思って」

「あー、新井はなあ、めちゃめちゃ楽しそうに歌うよな」

 正直、ギターボーカルの新井先輩に惹かれて入ったと言っても間違いではない。あたりの柔らかい新井先輩は一対一で喋っても優しくて、入部した一年生の間で今も大人気だ。しかし、新井先輩の直属の後輩になりたければ、まず先輩と同じ楽器、即ちギターを選択しなければいけない。

「じゃあ、ギターやりたかったの、本当は」

 黒沼先輩に、私は答える。

「ギターって希望者多いじゃないですか、私、音楽がやりたかっただけなので、はじめからギターやりたかった人とか、経験者とか、家に持ってるって人にはどうしても負けちゃって」

 言ってから気づいた。ドラムスの先輩に対して、実は今の楽器――ドラムスは第一志望じゃなかったんですと言うのはどうなのか。

 しかし黒沼先輩は何の気なさそうに、

「まあ、ギターは花形だよな」

と言った。

「ドラムと違って、学校に背負って行くのちょっと憧れるし。ドラムはステージのいちばん後ろで座ってるから見えにくいしね」

 その割には担うところが多くて大変なんだけど、と。

 一年生の間でバンドを組む兼ね合いから、全員が希望の楽器を持てるとは限らないのが部活動という社会の世知辛いところである。

 黒沼先輩は続けた。

「キーボードは考えなかったの?」

「せっかく新たな気持ちで始めるので、ピアノはちょっと……」

「相当懲りてるね」

 黒沼先輩はそこではじめてちょっと笑った。

「先輩はどうしてドラムなんですか」

 そう尋ねると、先輩は、いや、と否定を口にした。

「俺は何でもやるよ」

「え?」

「着いたよ、楽器屋」

 気づけば学校を出てから徒歩十分、駅前の大通りまで出ていた。四月の午後六時は真っ暗で肌寒い。明かりのついたショーウィンドウにはギターが何本か飾られていた。先輩が扉を開ける。

「こんばんはー」

 先輩に倣って私も小さくこんばんは、と言いながら続いてドアをくぐった。普通、道端のお店に入るときに挨拶なんてするものだっけと、疑問に思う暇もなかった。店の奥から元気な声が飛んできた。

「黒沼くんじゃん! 久しぶりだねえ」

 壮年の男性がエプロンで手を拭きながら現れた。下がった目尻の小皺が優しそうだった。

「ご無沙汰してます、仲井さん」

 どうやら顔見知りらしい。

「エルダリーの中古、いいやつ入荷してるよ。弾く?」

「SNSで見ました。弾く。いいんですか」

 いいんですかって聞く前に、弾くって言っちゃってるじゃない、と内心突っ込みを入れる。

 黒沼先輩はさっさと鞄を床におろし、仲井と呼ばれた店員さんについていってしまった。エルダリーって何だろうと思いながら先輩の鞄の傍で待っていると、ほどなく店の奥からギターの音が聴こえてきた。

 店内に立てかけられているギターやベースに触らないように気を遣いながら、棚の奥をそっと覗くと、丸椅子に座ってギターを抱えた黒沼先輩が、顔を上げた。

「浮谷さん、こっち来なよ」

「先輩の鞄は……」

「そのままでいいよ。置いてきて」

 他のお客さんとか来たらどうするんだ。防犯意識も何もあったものではない。けれど先輩のほうがこの店をよく分かっているはずなので、私は言われるがままおずおずと先輩の近くまで顔を出した。

 店員さんがようやく私を認識したようだった。

「あれ、いらっしゃいませ。黒沼くんの連れ? 彼女?」

「俺に彼女いたことないの知ってるくせに」

 へえ、黒沼先輩、彼女いたことないんだ。

「部活の後輩です」

 私を紹介する先輩の手振りに、私も会釈を続ける。

「そうかあ、黒沼くんにもこんな可愛い後輩ができたんだなあ。ついこないだ小学校に上がったと思ったのに」

「俺が仲井さんと知り合った頃にはもう俺小学生でしたよ」

「そうだっけ」

 しれっととぼける仲井さんの隣で、先輩が、ちょっとだけ待っててと私に言った。異論はない。先輩に私が口出しできることなどない。

「先輩、ギター弾けるんですね」

「ドラムは高校で始めたけど、浮谷さんと同じようにピアノも小さい頃から習ってるし、ギターは趣味でずっと。知らない楽器は何でも触ってみたいタイプだから」

 中途半端だけどね、と口で言うほど、先輩のドラムも、今、手遊びのように弾いているギターも稚拙ではない。

「軽音部でメインとしてドラムスやってるのは、家に買えないから今のうちにっていうのが大きいかな。たまにピンチヒッターで他のバンド呼ばれたりする。ギターとかベースとか」

 知らなかった。目の前でギターを弄ぶ先輩は、確かに様になって見えた。

「リクエストない? 何か弾くよ」

「リクエスト、ですか」

 そんな、ぱっと言われた曲を弾けるものだろうか。

「私、先輩の知ってそうな曲とか分からないですけど」

「何でもいいよ、最近の邦楽とか」

 何でも、ってどういうことだろうかと思いながら、本当に何でもいいというのなら、と去年のドラマの主題歌を言ってみる。受験中ずっと聴いていた曲で、ヒットチャートにも載ったからそこそこ有名なはずだ。

 先輩は、あー、あれね、と言いながらスマホを少しいじって、それを自分の膝の上に置いた。ちらりと見えた画面には、歌詞とコードが書いてあった。

 ギターってこうやって弾くものなのか。クラシックピアノとはまるで世界が違う。

 簡単にコードをなぞりながら女声の歌を一オクターブ下で歌う黒沼先輩は、悔しいけれど、かっこよかった。

 Bメロで歌があやふやになった先輩は、どうやらこの曲をよく知っているというわけではないらしい。スマホを注視しながら手を動かす先輩に代わって私がBメロを歌いだすと、先輩は歌うのをやめて、ギターに専念した。ギターを弾く先輩は真剣な顔で、やはり笑顔は出ない。キリのいいところで止まった先輩は、弾きやすいですね、と傍で聴いていた仲井さんに顔を向ける。

「でしょう。音も温かみがあって」

「見た目通りの音って感じする」

「そうそう。中古だから、ちょっとここに傷があるんだけど」

 そうやってギターの裏面を確認するふたりを、私が手持ち無沙汰で見ていると、

「後輩ちゃんは良い声してるね」

 仲井さんが唐突に私に話を振った。

「そ、そうですか?」

「黒沼くんの後輩ってことはドラム? 初心者?」

「はい、始めたばっかりです」

 というより、この間試しにちょっと触らせてもらったぐらいで、今日スティックを買おうと思って来たぐらいなのだから、まだ始めてすらいないというのが正しい。

「じゃあ歌いながらは厳しいかなあー。歌ってるとこ見たいけどね」

「ありがとうございます」

 ピアノ教室で叱られながら育った身として、褒められるのは素直に嬉しかった。ドラムを叩きながら歌えるとは全く思わないけれど。やっぱりボーカルを兼ねるのはギターが多い。

「そう、スティック買いに来たんだった。あと、練習用のパッド」

 先輩がようやく話を戻して売り物のギターを仲井さんに返し、本題の用事を済ませて、楽器屋の名前が入ったビニール袋を抱えて店を出た頃にはもう七時に近かった。

 意味の分からないカタカナ語や固有名詞が飛び交い、全く見た目の違いが分からないスティックを何本も持たされるのは疲れたけれど、何とか先輩と仲井さんのおすすめを購入して、気分は晴れやかだった。

「基礎練の本とか部室にあるから、勝手に借りたらいいよ。明日部活来る?」

「行きます」

「じゃあまた明日」

「先輩」

 駅で解散しようとする先輩に、少しだけ勇気を出してみた。

「ドラムがそこそこできるようになったら、ギター教えてくださいますか」

 振り返った先輩は、

「そういうのはよくないよ」

 その言葉は、ぐさりと胸に刺さった。

 いつまでもギターに未練があるようなことを言って。担当がドラムになったんだから、責任を持ってドラムを練習しないといけないのに。

「ごめんなさ――」

「楽器なんて、どこまでいっても上がある。そこそこなんて言ってると、いつまでたってもできないよ。ギターやりたいなら今やればいい」

 じゃあ、と今度こそ去っていく先輩の後ろ姿に、そういうのは笑って言う台詞ですよ、と独り言が漏れた。




「あー、黒沼なー、確かに何考えてるか分からないとこあるよな、あいつ」

 部活の終わり掛け、ドラムセットを部室に片付けていたら、珍しく新井先輩とふたりきりになれて、ラッキーとは思いつつ、下駄箱に辿り着くまでの貴重な時間の話題は、黒沼先輩について以外にはなりえなかった。

「別に自分のこと話さないってわけじゃないし、白けてるわけでもないんだけどな」

「私もそれが不思議なんです。質問したら丁寧に教えてくれるのは分かってるんですけど、何となく聞きづらいし、嫌な顔されたことがあるわけでもないのに、練習中は話し掛けづらいし」

「直属の先輩がそれってのはちょっと問題だなあ」

 新井先輩が眉をひそめた。

「今度本人に言っておくよ」

「あ、そういうんじゃなくて」

 本人は悪くないのだ、さっきも言ったけれど。だから私はきっと気にせず話し掛ければいいし、質問もしたらいいのだ。

 何となく、の問題。

「先輩のバンドで練習してるときは楽しそうにしてるんですか?」

「どっちかっていうとゲームしてるときのほうが楽しそうかな」

 あれだけ楽器が弾けるのだから好きじゃないなんてことはないはずなのに、何なんだ、それは。

「でも、よく考えたら俺も、あいつの満面の笑みってのはちょっと見たことないかもな。――表情筋が脆弱なだけじゃない?」

 手厳しい物言いで逆に笑ってしまった私に、新井先輩は微笑む。

「大丈夫だよ。別に浮谷さんのこと嫌ってるわけじゃないし」

「そう……ですか」

 実は、それは密かに気にしていることでもあった。

「この前あいつに浮谷さんどうって聞いたら何て答えたか教えてあげようか」

 それは勝手に聞いていいことなのかと一瞬迷ったけれど、秘密ってわけでもないだろう。私が頷くと、新井先輩はもったいぶるように声のトーンを落とした。

「『俺のが上手い』って」

「……当たり前じゃないですか!」

 噛みつく私に新井先輩は笑う。

「ね、あいつ、嫌いな相手には結構辛辣に苦笑いするぜ」

 じゃあ。

 黒沼先輩のドラムは、練習風景を見ていても、二年生の中でも群を抜いて上手いと思っていた。それはきっと、ドラム歴よりも、音楽経験の長さが寄与しているところが大きいのだろう。

 その先輩に、比較対象という土俵に上げてもらっているというのは、実はかなりすごいことだったりして。

「黒沼には、顔の筋トレしろって言っとくよ」

「言わなくていいですから!」

 新井先輩と別れたあと、ずっと頭に残っているのは新井先輩ではなく黒沼先輩のことで、それは入部を決めたときにはちっとも想像していなかったことだった。




 七月のはじめに七夕コンサートと称して、新入生のお披露目を兼ねた学内発表会があった。もう引退した三年生もやってくる。三年生と新入生の懇親会という意味合いも強い。音楽室の、照明を落として一部だけライトで照らしたステージで、一年生のバンドが順番に演奏して、それから二年生のバンドが演奏する。

 先輩にバンド練を見てもらったことすらあれ、大人数の視線を浴びながら叩いたドラムは散々だった。けれど、先輩たちは我が子を見るような温かい目で私たちを褒めてくれた。

 緊張のタネは済んだので、あとは思いっきり先輩たちの演奏を楽しむことにする。

 入部して最初に組んだバンドは、先輩たちが楽器編成や各個人の音楽の好みを鑑みて当てがってくれたものだけれど、二年生になる頃には解散しているものも多いらしい。楽器を変えたがる人が出たり、それぞれが気の合う人とバンドを組んだり、やりたい曲がある人がメンバーを集めたり。バンドを掛け持っている先輩も多く、黒沼先輩は全部で三回ステージに上がった。

 新井先輩は四回。新井先輩はいろんな人とバンドを組むのが好きで、一度きりの限定バンドを含めて自分から声を掛けるそうだ。黒沼先輩はどちらかというと誘われる側で、実力を見ればそれも想像がつく。急に誰かの欠席が決まってピンチヒッターとして直前に呼んでも、譜面台さえ置いておけば適当にまとめてくれる人材は希少だ。

 そう思うと、黒沼先輩の下につくことができた私は、きっとかなり運がよかった。女子の先輩とペアになった子みたいに、楽器屋の帰りにカフェに連れて行ってもらえたりしなくても、話し掛けづらくても。

 いつの間にか黒沼先輩を目で追うようになっていたのは、自分がドラムを始めたからだと思っていた。他のバンドのときも、ドラムの音がよく耳に入ったから。

 ピンチヒッターで一度だけギターを弾いた黒沼先輩を、ずっと眺めてしまっている自分に気づいたのは、一曲が終わったときだった。

 代役だけあって、目立たないように、それでも曲が寂しくならないように、それだけのためにギターを弾くのは、きっと想像しているより難しい。自分でもやってみて分かった。自分で音楽の中にいるときは、客席からとはずいぶん違って音が聴こえる。ひとりでピアノを弾いていた頃には感じなかったことだった。誰かと一緒にひとつの曲を作るときの難しさ、音量バランスとか、知らずに上がってしまうテンポとか、そういうの。

 いつもとは違うメンバーの中でささやかにギターを弾く黒沼先輩は、きっと一生懸命周りの音を聴いているのだ。だからきっと、笑顔を作るなんてところに気を回さない。

 それは音楽を奏でる人間として誠実で、ただしエンターテイナーとしてはやはり新井先輩のように、笑顔で客の笑顔を誘うのも大切なことで、どちらがいいという話ではないけれど、きっと、黒沼先輩は、音楽が好きだった。

 今回のコンサートのトリを務めたのは、入学式のときにもステージに上がった新井先輩や黒沼先輩たちのバンドだった。二年生や、見に来た三年生の中でも空気が一層熱くなったのが分かる。新歓の代表に選ばれたぐらいなのだから、たぶん部内でいちばん上手いと、先輩たちの間で思われているのだろう。

 確かに演奏は上手かった。はじめて見たときは新井先輩の笑顔と歌ばかりが目立ったけれど、それはバックに違和感が少ないからだと今になってようやく気づく。今日は自然と新井先輩より、後ろでドラムを叩く黒沼先輩に目が行く。

 やはり先輩は真剣な面持ちで、それもかっこいいと思うのだけれど――

 あ。

 笑った。

 新井先輩が大サビ前の間奏でマイクから離れ、ドラムを振り返った。それに応じるように顔を上げた黒沼先輩が新井先輩と目を合わせて、笑った。

 そうやって入るドラムソロは、最高にかっこよかった。

 ああ、黒沼先輩が楽しそうだ。

 それだけでもうこんなに幸せだから、私はまだ音楽を諦めないで、よかった。

 高校生という青春を、音楽とともに過ごすことに決めて、よかった。




「私の演奏、どうでした」

 片付けのとき、黒沼先輩に聞いてみた。ドラム担当のみんなでドラムセットを解体してパーツごとに部室に運びながら、黒沼先輩とふたりきりになれる瞬間を狙っていたら、それは部室の前での立ち話になった。スネアを持った私と、ちょうど部室から出てきた先輩。

「まあ、よかったんじゃない」

 絶対よくない顔でそう返される。

「俺も去年はそんな感じだったし」

 本当かなあ、と疑いの目を向けるも、黒沼先輩は気づいてはくれない。今度、新井先輩にでも聴いてみよう。

「先輩って演奏してるとき笑わないですよね」

 それを本人に直接指摘したのははじめてだった。先輩はちょっと驚いた顔をした。

「そう?」

 意識したことがなかったとでも言いたそうな顔に、まあ、そんなもんかなと思う。

「でも今日は最後の曲、新井先輩と目が合ってからずっと楽しそうに笑ってて、見てるこっちが嬉しくなりました」

 先輩は複雑そうだった。

「先輩」

 汗ばむ季節になった。話が終わったと思ったのか、背を向けようとした黒沼先輩を呼び止める。

「お願いごとしてもいいですか」

「何? ギター選びなら付き合うよ」

「いえ、そうじゃなくて」

 言うと決めたのに、ここに来て一瞬躊躇った。

「先輩のやってたピアノって、クラシックですか」

 唐突な話題にも、先輩は答えてくれる。

「まあ、クラシックとか、たまにジャズとかいろいろ」

「今度、弾いてくれませんか」

 グランドピアノなら音楽室にある。

「どうして」

「黒沼先輩が弾いたら、好きになれそうな気がしたから」

 何それ、と、先輩は笑った。

 笑った。

「俺でよければ」

「めちゃめちゃ古典の面白くないやつ弾いてください」

「面白くないやつねえ」

 肩を竦めて、今度こそ先輩は去っていった。

 どうせピアノもまたやりたくなっちゃうんだろうな。悔しいけど。

 いつか私の演奏で、先輩を笑わせてみたいと思った。

 ようやく足を踏み入れた部室はひやりと涼しくて、火照った体を心地よく冷ましてくれた。

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