内閣官房・就職氷河期世代支援推進室

 なんと、面会に行って来られたそうです。氷河期ネットの皆様が。

 ようやく、ここから本題です。


 市民団体としての本気度がうかがえます。メディアを呼んで記者会見とか、今の私にそれだけの度胸があるかどうか。


 資料代の参加費500円を受付で払って、遅めに来たので空いてた前の席で資料に目を通しながらお話を聞かせて頂きました。

 昨年あたりから、就職氷河期の人たちに関することがメディアで注目されるようになりました。その影には、十二年もの長きに渡って国会で地道に氷河期問題を訴え続けた当事者世代の、ある参院議員の方の尽力があったとか。知りませんでした。


 私も、メディアで氷河期世代に関するニュースや特集が流れるたび。同年代の人に的を絞って応援したい気持ちが出てきて。数年前から温めていた「永遠の冬の世界の物語」を…。


 現代日本における「大いなる冬フィンブルヴィンテル」の到来、つまり就職氷河期が地球と異世界の間に接点をつくった。そんな奇想天外な組み合わせで書き直してみようと思うに至りました。


 それで、実際このイベントに参加してみた感想ですが。

 社会の不公正と戦う氷河期戦士は、本当にいたな! という想いです。


 市場経済に対して何もしないままだと、一度貧困に陥った人の消費力は自然に回復しない。貧困は自己責任にあらず、故に政治の力で変えていこうと。そこは私も必要性を感じます。

 貧乏人が額に汗して働くより、資産家が複利の魔法でお金にお金を産ませる方が勝ってしまう。そして格差は一層拡大すると、経済学者ピケティの説もありますしね。私も一応、経済学部卒なので関心はあります。数学がからっきしダメでしたけど。


 その問題に対しては「短時間の正社員制度を作って、柔軟な働き方やワークシェアを進めてみては」ですとか。「負の所得税」みたいなもので、年収300万円を下回る人にはマイナスの税率になって給付金が出る「給付付き税額控除」を検討してみてはと。いろいろ申し入れをしてきたようです。日本版ベーシックインカムですね。

 日本ベーシックインカム学会というのも、最近できたそうです。


 高度成長期の幻想という、古き太陽が光を失うとき。バブル崩壊に端を発する就職難という、夏の無い極寒の冬が三連続でやってきて。人の心は荒み、猛吹雪のような暗いニュースが四方八方から吹き付け、絶え間無い争いが起きて親兄弟が殺しあう。現実にそんな事件も起きてしまった。

 現代日本の状況が、驚くほど北欧神話の「フィンブルの冬」とそっくりに感じました。興味のある方は、ウィキペディアの項目を読んでみてください。こんなんだから夢の中でも、どこか似通った異世界バルハリアに迷い込んじゃうんだよと。


 この異常な冬は、あの有名な神々の黄昏・ラグナロクの前兆で。FFシリーズの最強武器とか、十年以上続いてる老舗のMMORPGで名前をご存知の方も多いでしょう。これを今の日本に当てはめるなら、古い制度や過去の常識の終わりでしょうか。でもその後、北欧神話においては新たな世界が再生します。日本もきっと、いつの日か生まれ変わるでしょう。


 私たちは決して、不幸じゃない。新たな日本の再生のため、社会の理不尽や不公正とみんな戦ってる。そして、あなたを応援する仲間はここにいると。

 そんな、氷河期世代の人たちの「安心・安全なコミュニティ」で「第二の実家」が日本に増えていくといいですね。なおこれは私の考えた言葉ではなく、私も会員になってる一般社団法人・立志財団様の掲げる理念の受け売りですが。


 ここで人生、あきらめちゃいけません。産業革命期の英国で、人々のクリスマス観を一変させた文豪ディケンズの名作「クリスマス・キャロル」みたいに。ケチな金貸しの老人スクルージが、クリスマス前夜に見た不思議な夢のような「人生の転機」はきっと、誰にでも訪れるのですから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る