第3話 ささもっちゃん登場

 4月中旬、放課後に奈緒はまたまた明日香に呼び出される羽目になるのだった。


 明日香「奈緒さん遅いわよ!」

 沙也香「こっちだよ~」


 使ってない部室の奥に明日香、沙也香ともう一人小柄な女の子が可愛く座っている。


 奈緒「明日香、沙也ちゃんおまたせ!給食で余ってた牛乳全部飲んでたら遅れたよぉ~」

 明日香「あんた馬鹿なの。それ以上乳房膨らませてどうするのよ」

 沙也香「奈緒ちゃんまたお乳大きくなった?」

 奈緒「うん、Hカップだけれど、何か文句でも明日香」

 明日香「北海道で酪農でもする気?このセルフ乳搾り女」

 沙也香「アタシはDカップだけど明日香は?」

 明日香「私のサイズはいいでしょ、馬鹿。超高校級エースのAよ」

 奈緒&沙也香「アホやコイツ」


 おっぱい談義に花を咲かせていると黙ってもぞもぞしていた小柄な女の子が急に立ち上がった。


 ささもっちゃん「ささもっちゃんで~す。Cカップで~す。よろしくお願いしまぁ~す♪」

 明日香「あなたカットインしてくるタイミングおかしいわよ」

 奈緒「ささもっちゃんお得意のカットイン戦法ですか?」

 ささもっちゃん「ですね」

 沙也香「あんた出来るな、この実力者が」

 ささもっちゃん「ささもっちゃん嬉しいシリーズセパ両リーグ開幕ぅ~♪」

 明日香「調子に乗りすぎよ貴方は~。グリグリ~」

 ささもっちゃん「痛いですぅ~ささもっちゃんですぅ、はわわっっ」

 明日香「ささもっちゃんですばかり言うな。バシィ」

 沙也香「あんた、可愛いなあ」

 奈緒「明日香、あんたこんな可愛い子どこから連れてきたのさ」

 明日香「1年生のクラスで休み時間中、音楽を聴いてる女の子がいたのよ」

 奈緒「そんな子は何処にだっているでしょ」

 明日香「でもね、ささもっちゃんは昭和ムード歌謡インドネシア歌手ロマン・テムを聞いてたのよ。かなりのやり手だと思ってメンバーにしようと思ってね」

 奈緒「渋いなぁ、それ」

 ささもっちゃんは奈緒たちより2つ学年が下の高校1年生の女の子。所謂、妹系女子だが少し小生意気で臆病者な女子である。本名は何故か内緒にして欲しいと言う少し狡賢い女の子である。ツインテールの似合う女の子。


 明日香「今日集まった私達4人と此処にいないけどあとプラス2人ぐらいアイドルグループのメンバーに入れようと思ってるわ」

 奈緒「あんたはやるの?」

 明日香「総合プロデュース兼グループのリーダーをしようと思ってるけど、文句あるの?」

 奈緒「文句は無いけどね。楽しいのかな。どこでもありそうなことやらないでよ」

 明日香「あらあら、このクールビューティー明日香様に楯突いていいと思ってるのかしら?」

 沙也香「まあまあ、田吾作の戯言は置いといて、奈緒ちゃんはさぁ、かなりアイドルとしてイケてると思うけどね」

 奈緒「まぁね!荒塩を結構飲んでるからね。可愛いでしょう?」

 明日香「あんたねぇ、即日死にたいの。止めなさいよ(株)ほら吹き興産が」

 奈緒「いきなり株式会社にすんな。有限会社ぐらいにしろよな」

 ささもっちゃん「私はあまりよく分かりませんが、尊敬している奈緒ちゃん先輩と一緒ならやってみたいんです。自分を変えてみたくて」

 3人「いやいや、変えなくていい×3」


 そんな会話を繰り返していき、明日香がやると言ってきかないので、奈緒はこの話を受けることにしたのだった。ささもっちゃんは自宅に帰ると、今日会ったことを両親に報告するのだった。


 ささもっちゃん「ささもっちゃんで~す。はわわわっ!!ささもっちゃんはいるぅ~。そしてあいどるになるぅ~」

 正幸「えっ、アイドルになるぅ~?パパはカメ子するぅ~」

 正子「あんたは乗らなくていいの。ささもっちゃんはアイドルになりたいのかな?」

 ささもっちゃん「アイドルになるって決めたんだ。パパママ良いかな?」

 正幸「当然いいに決まってるぅ~。ささもっちゃんがアイドルになったら、パパが振付からMCの仕方までレクチャーするぅ~」

 正子「貴方はこのことに介入しないの」

 正幸「パパにポーズ決めさせて、ねっ、ささもっちゃん」

 ささもっちゃん「パパ必死過ぎてキモい」

 正子「そうよ。ちょっとは自重しなさいよ。変態にも程があるわよ。ささもっちゃん、やるからには頑張らなっきゃ駄目よ、いい?」

 ささもっちゃん「はい、ママ」

 正幸「頑張れ、ささもっちゃん!」


 ささもっちゃん家は非常に明るい家庭だった。特に父の正幸は営業のサラリーマンをしており、娘を溺愛するあまり、全ての事を作品と位置付ける癖があった。母はそれを一定量溜まった頃を見計らって黙って捨てていた。普通の観点からいえばどうでも良い部類の映像集・写真集であるので、正幸は誰の理解も得られなかった。


 こうしてささもっちゃんは、アイドルになる承諾を親から貰えたのだった。





 

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