14 命の天秤

同じ価値の命などなく

愛や憎しみや権力によって

たやすく傾いている


その無情さに涙を流せども

命の天秤の揺れを

止めることなど出来ない


問われる大切なものを

答えることすら憚られ

うつむくしかないのだ


命の天秤が釣り合う日は

我々から感情が削られた日だ


誰もが愛することを知り

憎しみを知っているからこそ

その不平等にも思える天秤を

嫌い嘆き悲しむ


私が天秤にかけられた日には

その皿の上から飛び降りよう

それは揺れ動く天秤を

見てみぬふりをしてきた

罪に違いないのだから

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