第22話 あとがき

っと、いうわけで終わりです。


今年最大の寒波来襲してる真っ最中です。年越したのに、クリスマスの話を書いている私は何なの!? 


だいぶバーンも変わってきましたね。書いていても、ちょっと楽しいかな。自分の感情を少しずつ素直に出せるようになってきてる彼は変わってきましたよ。


ほんとに。どこまで変わるかが今後の焦点ですが、『あのこと』が解決しない限り彼の『魂』が解放されることも、ラティの『想い』が成就することもないんでしょうね。(バーンはまだラティの本当の想いに気がついていません)さて、どうなるかな?


「アルジズ」の意味は、「保護、防御、ヘラジカ、イグサ」を表すルーンです。今回はこれらの意味よりは「感情のコントロール」という意味に重点を置きました。


「人生の進路を変更したり、自己変革が加速されている時期には感情におぼれないことが大切である。」ことを示すルーンです。


今までのバーンは感情を抑圧しすぎて、無感情・無表情・無感動に見えていましたが、本当はそうではないはずです。彼の中には他の人と同じように喜怒哀楽が存在しています。それをあえて強力に自制心でコントロールしているのです。この話では、自分の誕生日という彼女の命日にそれが少し緩和され、彼が本来持っている悲しみや喜びの感情が息を吹き返し、表情や言葉になって現れました。(すごい変化だな。と、作者自身も喜んでいます。)


また、このルーンは、自己の「鏡」の役目をするルーンでもあるのです。今まで、後ろ向きで動こうとしなかった彼が、彼女の「死」と向き合い、また自分自身と向き合い、振り返ることによって少しずつ過去に距離を置きながら現実世界での「自分」を確立していってほしいと願って書いたものです。


鏡に映ったものは、自分自身の姿=彼女が好きだった彼であり、向き合ったそのひとつの答えとして、彼女に(届くかどうかは別にして)自分の言葉で自分の想いを口にすることができたという結論です。


臣人の方もある意味バーンと同じ立場にいるんですけど、「鏡」に映った臣人の姿は、バーンを護るイグサであるという解釈です。彼の周りに一定の空間を確保しつつ、時を得た正しい行動できっと彼を護ってくれるでしょう。


(でもバーン自身はそれを望んでいません。が、臣人自身は何があってもそれを貫くでしょう。)それがバーンに対する、またラシスに対するただひとつの償いだと思っているので。(うー、暗くなってきた。)


そんなバーンと臣人の思いをそっちのけで引っかき回す綾那と美咲。それはそれで、彼ら二人にとっては別な意味で救いです。彼女らがいなければ、今回の誕生パーティーのこともなしになっていたので。


人が人を思いやる、誰かが喜んでくれる何かをする、こんな当たり前のことがバーンにとっては不思議なことなんです。迷惑なこともあるんですけど、その明るさややさしさにバーンの心も次第に開かれていってるんでしょうね。(本人にその自覚なしですが。)


綾那もバーンの鉄面皮の下に隠された「本心」に気がつき始めました。それが彼女に何をもたらすのかは、今後の展開ってことで。(逃~げた!!)


『銀の舟』(=The Silver Arc)という宗教団体の名を覚えておいてくださいね。この教団がバーンの話の全てに関わってきます。諸悪の根元ですので。設定的にはフリーメイソンの一派で、かなりの左派という設定です。思想的に過激な面を持ち、自分たちの理想実現のためにはどんな犠牲をもいとわないカルト教団です。(もちろん教徒が死ぬことすらも・・・です。)


この教団のおかげでラティは死んだと思っていただいて結構です。教義、教祖、司祭等の設定も起こしましたが詳しい話は「イングズ」でしたいと思います。


ただ、本編で臣人とその祖父國充もこの教団の名を知っていました。これが何を意味するのか。(おおっ伏線張りまくり!)昔々、國充もこの教団と一度闘っています。もちろん、ここ日本でです。その闘いを臣人が引き継いだ形になっています。引き継いでから、その教団絡みで臣人はアメリカでバーンに会ってしまうわけです。(まさに運命的な出会い!?)


ここまでネタばらししていると外伝が書きたくなってきたぁ!!どうしよう…。誰か私を止めて。


ラシスの家族について弁明。ラティは4人家族でした。父ディアス、母ノーマ、そして弟キース。ラティとキースは3歳差です。彼女が生きていれば(現在時制でいくと)ラティ25歳、キース22歳ということになります。父はバーンに対して憎しみの感情しか持っていません。かわいい一人娘を失った悲しみを憎しみに置き換えるしかなかったことがうかがえます。


この思いを最終章で利用され、父は知らず知らずのうちに教団の手駒となってしまうのでした。バーンを苦しめるためだけに、殺すためだけに今の父ディアスは生きているのです。そんな父の行動を阻止するべく息子であるキースも動き始めます。姉の本心を直接聞いている弟は、それを確かめるためにバーンと対峙することを決意するのです。(あ~あ、泥沼だぁ)その二人をただ見守るしかない母ノーマ。(書けるかなぁ。頑張るしかないなぁ)このお話が「ハガラズ」です。


さて、次回のお話は春先ということで(?)桜のお話です。一度やってみたかったんだよね、桜の話は。桜といえば悲恋、失恋etcあまり幸せそうなイメージはないんですが、どうなるかなぁ? 


臣人が横にいないひとりっきりでやるバーンの退魔行の話です。(まあ、アニスのヘルプはありますが。バーンの使い魔だし)桜の花びらが風に舞い散る中、再びお会いしましょう。


最後までお付き合いくださって、どうもありがとう!

ご感想をお待ちしています。


あなたにルーンの加護がありますように。

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ALGIZ 砂樹あきら @sakiakira

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