最後の試練(3)

 突然の出来事に、アリスは頭の整理がつかない、ノートの主ってなんなのか。アリスは、ノートの最後のページをめくった。


 1.このノートを正常化にするには、正義のリングを使い、闇の女王を閉じ込め。そして、ラビーとアリスあの物語の中のアリスの手をそのノート上に置く必要がある。

 2.このノートを守るために、あの小説を完結してくれ、頼んだぞ。但し、24時間以内に完結すること。

 3.この試練をクリアするヒントは、この小説の作者はアリス。では、この夢の物語の作者は誰、主人公は誰。

 4.助けてやりたいが、私にできることはここまで。あとはアリスに任せる。厳しい言い方だが、これはアリスがまいた種。自分自身で決着をつけろ。この本の正体を知らなかったのが、そもそもの原因だが、アリスが悪い訳ではない。


 未来でこのノートに、文書が追加されていたこと、今、ノートに文書が書き込まれたこと。ノートの主とは、このノートを守る者、そういうことなのか、アリスはそう思い。

 今、一番に考えないといけないのは、ラビーとアリスお姉ちゃんを守らないといけない、どうやって守る。私には、なんの能力もない。さっきだって、石になるところをノートの主に助けてもらった。アリスは打開策を模索していると、ルークが放ったバリアが解かれていることに気づき。ラビーは、この状況に頭がついて行けない。

 

 その時、闇の女王は冷静さを取り戻し。ルークの放ったバリアが解かれていることに気づき。闇の女王は、石に変える魔法の呪文を唱え、魔法の杖を振りかざし、その標的は、アリスお姉ちゃん。

 あっという間に石にされたアリスお姉ちゃん。2人は呆然と立ちつくし、助けることも何もできなかった。

 2人は、石になったアリスお姉ちゃんのそばに行き、ラビーは目を真っ赤にして、闇の女王を睨みつけた。

 闇の女王は、勝ち誇ったかのような態度で、鼻高々と笑い、ラビーたちを見ている。

「それだよ、それ。わらわが見たかったのは。悔しいだろう、悲しいだろう。お前たちは、わらわにこれと同じことをしたんだ。わかったか!」

 また、鼻高々と笑う闇の女王。

 するとアリスは、闇の女王を睨み。

「……よくも、アリスお姉ちゃんを石にしてくれたわね! 許さない! 私が相手になる、覚悟しなさい!」


 闇の女王は、余裕の態度を見せ。

「ほぉ、ほざいたな小娘、お前に何ができる。まさかのルークもいない。わらわは、闇の女王だ!」 

 勝ち誇ったかのように、鼻高々と笑う闇の女王。


 確かに、闇の女王の言う通り。私にどうすることもできない。こんなことになったのも、全て私のせい、アリスはそう思った。

 その時、ふとアリスは、手に持っていたノートの最後のページをめくり、何か気づき。

 そうか、そういうことか、なら試してみる、これは私の夢の物語ということならできるはず。アリスは何を思ったのか、闇の女王を見ながら、右腕を上に上げた。

 アリスの右手には、あのノートが。

「このノート。あんたなんかに絶対渡さない!」

 闇の女王は、余裕の態度で。

「なんの真似だ、小娘」

「さっきから、小娘、小娘って、私には、アリスって名前があるんだからね!」

「それがどうした小娘」

「このノート。取れる物なら取って見なさい!」

「言われなくても返して貰う」


 アリスは右手にノートを持ち、右腕を上げたまま微動だにしない。

 闇の女王は、魔法の呪文を唱え、魔法の杖を振りかざした。

 すると、闇の女王の魔法が全く利かない。何度やっても、ノートは闇の女王の手には戻らない。

 アリスはこの時、これが私の夢の物語なら、主人公が負けるはずがない、そう強く思った。

 その時、闇の女王は、石に変える魔法の呪文をとなえ、魔法の杖を振りかざし、標的はラビー。あっという間に石に、されていない。

 ラビーの前には、アリスがいる、いつの間に。ラビーはこの光景にものすごく驚いている。それもそのはず、アリスは右手を前に突き出し、魔法を跳ね返した。

 闇の女王は呆然と立ち尽くし、このまさかに、あの石になった光景が蘇り、石のように固まってしまった。


 アリスの周辺にバリアが貼られ。アリスお姉ちゃんは、石の魔法が解け、元の姿戻り、3人は大喜びしていると。

 その光景を見せつけられた闇の女王は、我を取り戻し、怒りに任せたかのように、あらゆる魔法でバリアを破りに挑んだ。しかし、アリスのバリアは破れない。

 そんな中、何故、アリスがあの技を使えるのか、ラビーはアリスに聞いた。

 私がこの夢の物語の作者で、私が主人公であるならば、私の自由にできる。私は負けない。あの技だって私にできるはず、そう思ったら、できちゃった。

 そんなことを聞かされても訳がわからないラビーだが、とにかく奇跡が起きたと。


 アリスは手に持っていた、ノートをゆっくりと床に置き。自分自身に決着をつけるアリスは、戦意喪失している闇の女王を見て。バリアの外に出ると、アリスはゆっくりと闇の女王に近づいて行った。


 闇の女王との距離、5メートル手前で止まったアリス。

「これでわかったでしょ!? あなたは負けたの。潔くノートの中に戻りなさい」

 闇の女王は、アリスを睨み。

「……わらわが負けた!? ふざけんな! 小娘には負けん!」

 闇の女王は、アリスに向かって、石に変える魔法の呪文をとなえ、渾身の想いで魔法の杖を振りかざした。

 しかし、アリスは右手を前に突き出し、魔法を跳ね返し。闇の女王はアリスを睨み。

「小娘、父親との約束を破るつもりか!? 小説を書くこと禁じたはず!」

「確かに、約束は大事。しかし、時と場合による。よって、私は完結する。それと、あなたに約束を口にして欲しくない!」


 闇の女王は魔法の杖を床に叩きつけ、膝を落とし、どうにもならないことを悟ったのか、わめきちらし。また、まさかという手にやられとは思ってもいなかった、完璧な計画だった、万が一など起こるはずがないと思っていた、それなのに、こんな小娘にやられるとは、呆然立ち尽くす闇の女王。


 アリスの右手にはあの光。やめてくれと、闇の女王は叫ぶ。

 アリスは闇の女王を睨み。

「この正義の名のもとに、闇の女王をノートに戻す。行け! 正義のリング、闇の女王をノートに戻して!」

 アリスは右手を前に突き出し、正義のリングが闇の女王に向かって放たれた。

 すると、透明の球体が闇の女王を包み込み、身動きがとれない闇の女王。

「クッソー……わらわは、また石になるのか……」

 透明な球体は浮き上がり、ノートに吸い込まれるように消えて行った。

 すると、辺りの景色は一変し、アリスたち3人とタイムマシンは、アリスの家の庭に戻って来た。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る