ラビーの過去(2)

 この2人、いつまでこの状態でいるのか。透明な球体の中にいるアリス。川の上に浮いているラビー。

 すると、透明な球体はゆっくりと上昇して行く。この光景は、まるで透明なエレベーター。

 透明な球体は、ラビーに近づいて行く。アリスは川の上に浮いているラビーを見て驚き。透明な球体は川岸に着くと消え。ラビーも川岸へ。

 すると、ラビーはアリスに、もう恐竜は探さなくてもいいと言い出し。写真も撮らなくていい、感想も書かなくていい、動画も必要ない、1000年後の未来に行く必要もないいと言う。そして、私が何者なのか、あの洞穴に戻ったら全てを話すと言った。


 アリスはスマホ取り出し、タイムマシンを呼ぼうとすると。ラビーは、その必要はないと言い。ラビーはアリスの手を握り、目を瞑ってと言い、目を瞑ったアリス。

 目を瞑り、約2秒後。ラビーはアリスに、目を開けてと言うと。驚くアリス。あの洞穴に着いていた。タイムマシンの目の前にいる。これって瞬間移動。もはやここまでくると、ラビーは超能力者なのかと思うアリス。


 ラビーは、タイムマシンを目の前にし、真剣な表情で。

「おばあちゃん、私、今思ったんだけど、ずっと見てたでしょう、私達のこと?」

「見てましたよ、あなた達のこと」

「じゃあなんで助けに……まさか、そういうこと!? そうなの!? おばあちゃん」

「どうやら感が戻ってきたようね。それと、全ての記憶を取り戻したようね、ラビー王女様」

 ラビーの隣で聞いていたアリスは、ラビー王女と聞き、あの小説を思い出し、もう何が何だか訳が分からない。


 そんな中、ラビーはアリスに全てを話すことにした。話しが長くなるのでタイムマシンの中で話すことに。

 タイムマシーの中に入ると。前席を後ろに向きにし、後ろの席と対面になっている。

 2人は向かい合わせで座り、ラビーは真剣な表情でアリスに、机の1番下の引き出しに閉まってある、あのノートに書かれた小説の中から抜け出し、この世界に来たとことを打ち明けた。


 呆然と立ち尽くすアリス。まさか、そんなことがあるのか、信じられない。しかし、あの技、このラビーの姿、まさしく私の小説に登場する人物と同じ、そう思ったアリスは。

「分かった。私、ラビーを信じる。でも、誰が何と言おうと、あなたは私の妹だからね」

 目頭が熱くなるラビーだが、あの小説の中に戻らないといけないと言う。

 すると、楽観的なアリスは、いくら小説から抜け出したとしても、こうやって現実に生きている、このままこの世界で一緒に暮らせばいいと言い。ラビーもできることなら一緒に暮らしたいと言う。しかし、そうはいかない現実がある。

 その現実と更なる衝撃の真実をラビーはアリスに伝えないといけない。あの時アリスがハワイに行った時に、未来のアリスが話したことを。


 その話とは。未来のアリスは、人生に後悔はない、アリスにそう言った。

 では、何故、今でもあのノートを机の1番下の引き出しに閉まっているのか。そこには諦めきれない何かがあるからではないのか。未来のアリスは、それを確かめる為に、73年間閉ざしたあのノートを開いた。

 すると、その小説に新たな文章が書き加えられていた。その小説のタイトルは、『アリスの本』


『アリスの本』のあらすじ。

 80歳になったアリスおばあちゃん。70歳頃に、ひょんなことから若返りに目覚め。若返りのツボの研究や新気功マッサージを生み出した。

 80歳になり、これまた、ひょんなことから異世界の扉を開け、異世界に入り込み、アリスおばあちゃんは20歳に若返り。おばあちゃんではなくなったアリス。

 その時、王女ラビーと知り合い、マッサージで身に着けた、気功法や気功術が進化し。ラビーにその技を伝授する。まるで2人は姉妹。

 そんな中、元の世界に戻るすべを探すがみつからない。そんな時、進化した技で人助けをし、この世界のヒーローとなる。

 そこへ、この世界を我が物にしょうと闇の女王と名乗る者が現れた。ラビーとアリスは力を合わせ、闇の女王を石に変え。悪者から平和を取戻した。

 ある日、アリスは突然決断を迫られた。このままこの世界に留まるか、元の世界に戻りたいのか。

 この辺りで話が止まっているはずだった。しかし、次の文章が書き加えられていた。


 石にされた闇の女王は、暗闇の中に閉じ込められ、そのせいで闇の力が増した闇の女王は元の姿に戻り、あの2人に対し復讐劇がはじまった。

 まず、闇の女王はラビーの両親を操り。そのことを知らずにいたラビーは、両親の命令により牢屋に入れられ。闇の女王は、この世界を乗っ取った。

 ラビーは両親に裏切られ、捨てられと勘違いし。1ヶ月が経った頃、ラビーは、これには何か裏があると思い。なんとか、牢から脱失に成功。両親が操られたことを知り。その時、ラビーは闇の女王の企てを知った。どうやら、アリスの目の前でラビーを石に変え。アリスも石に変えるつもりでいる。しかし、肝心のアリスがみつからない。闇の女王は、アリスを探し始めた。

 ラビーは闇の女王の企てを阻止する為に、闇の女王を尾行し。闇の女王は新たな世界を発見した。ところが、その世界は時が止まっていた。

 その時、眩しく光るドアをみつけた闇の女王は、その光の中に吸い寄せられるかのように引き寄せられ、そのドアを開け、この小説の中から抜け出した。尾行していたラビーは、闇の女王に見つかり、ウサギに変えられ、記憶を奪われ。闇の女王は姿を消した。

 

 何故、こんな文章が書き加えられているのか、いったい誰がこんな文章を書き加えたのか、未来のアリスは困惑し。次のページをめくった。

 すると、そこには驚くべき真実が書いてあった。

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