ラビーって何者!?(3)

 AIアリスおばあちゃんはアリスに、タイムマシンのトランクの中から、サバイバルセットの箱を開けるように言い。そこには、サバイバル用の服装が2着分とスマホが入っていた。

 このサバイバル用の服装は、ある程度の害虫を寄せ付けないし、雨に濡れても大丈夫。帽子もついているが、ラビー用の帽子はなかった。

 アリスはこの服装に着替え、なんか気に入らない様子。しかし、ラビーは気にいっている様子。そして、アリスの手にはデジカメではなく、スマホを手にしている。


 このスマホは、市場に出回っていない、アリスおばあちゃんが考案したスマホで、国際宇宙ステーションで使用され、大気圏でも燃えない、大気圏から地上へ落としても絶対に壊れないようになっている。

 GPSと超高性能発信機が内臓で、衛星がない時代に対応するために、タイムマシンから半径100キロ圏内であれば、AIアリスおばあちゃんが必ず見つけてくれる超高性レーダーが付いている。

 いつでも、AIアリスおばあちゃんがスマホから見守ってくれる。タイムマシンがいつでも駆けつけてくれる。もちろん、衛星がなくても特殊電波を使い電話機能も使える。


 サバイバル用の服にはポケットがいくつもあり。アリスは胸のポケットにスマホを入れ。いざ、恐竜のいる地上へ。

 しかし、流石にこの高さからは降りれない。タイムマシンに乗り込む2人。この2人、怖くないのか。不安はないのか、無謀すぎるこのミッション。

 2人は、最初は嫌がっていた。しかし、「冒険」と言われ、この言葉が2人にとっては、怖さや不安を相殺し、ワクワクに変えていた。冒険、恐るべし。


 タイムマシンは、時空間移動で大地に降り立ち。上空で見る景色と、今見ている景色は、まったく違う。ごつごつ岩があちらこちらにあり、見たこともない草や木で覆われ、木はやたらでかい。恐竜の通った跡が道になり、木がなぎ倒されている。

 アリスとラビーは、タイムマシンから降りると。タイムマシンは洞窟に戻り、2人きりになり。これから、10頭の恐竜を観察、写真、動画を撮らないといけない。アリスは、スマホを見て、驚いた。


 未来のアリスの動画が流れ始め、手を振り、頑張ってねと。

「はぁ!? 何が、頑張ってなのよ。でも、まぁ、いいわ。冒険に興味あったし」

 アリスは、スマホの恐竜アプリを実行すると。ここら北へ1キロ歩いて行けば、恐竜人気ランキング1位、恐竜の王様ティラノサウルスに会える。初っ端からいきなり肉食恐竜、それも狂暴なやつ。

 アリスは恐竜アプリを見ていると、今ちょうど、ティラノサウルスはお昼寝中と表示され。一旦寝たら、そう簡単には起きないとコメント。なんで、そんなことが分かるのか、不思議に思う2人。


 アリスは思った。もしかしたら、これは全て「ドッキリ」で、何処かにカメラがあり、私たちが恐竜もどきに追いかけられ、モニターを見て笑っている。そんなシナリオなのか。

 アリスは辺りをキョロキョロ見て、こんだけのロケーションに、それはないなと思い。とりあえず、恐竜アプリと連動している方位磁針アプリを北にセットし。2人は目の前のジャングルを歩き出した。


 先頭はアリスが歩き、続いてラビーが歩き。アリスは、草木払い棒を手に持ち歩いている。

 この草木払い棒とは、50センチくらいの棒で、ボタン1つで10センチくらいに縮み。これを使えば、簡単に草木が払え、人間が触っても痛くない。

 いったいどういう仕組みなのかわからないが、これで道なきジャングルを歩いて行ける。普通に歩けば、20分くらいで着ける距離。

 アリスは、草木払い棒で草木を払いながら、2人はどんどん北へ進んで行った。

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