廻る観覧車の中で意味について考える

なにかに意味があるのかないのかを考えるのは、大体においてその事象に嫌気がさしている時や疑問をもってしまった時が多いような気がします。
でも一旦そこに意味がある/ないを決めた人は客観的に見てある種格好良さがにじみ出てくるなあと思います。

この話の主人公は観覧車に取り付く地縛霊で、信条として自身を無意味だと思っています。開き直った幽霊ほど怖いものはありません。死神の説得にも動じずに観覧車に近づく人々を呪い続けます。そこに呪いが効かない訳あり少女が現れて……というお話です。

短いながらもよくまとまっていて、少女と地縛霊の関係性やときおりの台詞に胸が打たれる作品だと思いました。特に主人公が語る意味についての一家言は説得力があり、最後には厭世的な地縛霊が好きになること請け合いです。

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