ただのおっさんである俺が異世界転移した結果

@smallwolf

第1話 おっさん、念願の異世界にGO



「お願いします!勇者様!!どうかこの世界を救ってください!!」



「任せろ!!」



 俺は今お姫様にこの世界を救うようにお願いされている!



 いいねいいねいいね!この展開!おじさんテンション上がっちゃうぜ!!



 なぜこんなことになったか・・・話は数時間前に戻る・・・





 数時間前・・・




「ねむ・・・」



 起床・・・



 現在昼の12時、普通の奴なら起きてる時間である。



 今日の仕事は・・・19時からか・・・





 俺は夜勤で工場のバイトで生計を立てている。



 なんか子供のころから周りと合わせるっていうことが出来なくてグループでの行動とか苦手だ・・・



 小学生からボッチ!中学生ボッチ!高校行く意味見出せなくて中卒!!



 そのまま一人暮らしに移行し、バイトで生活して二十年くらい!ダメな人間への道まっしぐらだぜ!!



 「とりあえず・・・いつものようにアニメでも見るか!」



 ちなみに趣味はアニメ・ゲーム!画面の中に入れたらいいのになぁ・・・




 「しっかし動画サイト開くのおっせーなぁ・・・平日のこんな時間に誰が入ってんだ??」



 長い待ち時間の後、やっと画面が開かれた。



 そこには・・・



 [今からあなたが向かう世界は魔王軍に支配されています!私はその世界の姫です!私の世界の猛者たちは次々と魔王軍により倒されてしまっています!もうこれは異世界から勇者様をお呼びするしかないと思ったので、あなたを召喚しようとしています!どうかお願いします!私の世界を魔王軍の手から救ってください!!]



 ・・・開くサイト間違えたか?・・・



 と思ったのも束の間



 画面から魔法陣が飛び出して俺を包み込む!!



 「え!?マジで!?これもしかして本当に異世界行ける!?やっべテンション上がる!!」



 そうして魔法陣は俺の体を包み込み・・・床に黒い穴が開く




「は??」



 当然落下する俺



「画面から出てきた魔法陣意味あんのかよーーーーー!!!!!」




 そして俺の意識は暗転し・・・



 気が付くと大きい部屋に居た。



 目の前にはピンク髪の少女。豪華な装飾からしてお姫様とかか?



よくアニメとかで見そうな美少女だ・・・



周りには服装から兵士さん達かな?がズラリと並んでいる・・・




「ようこそおいで下さいました勇者様・・・」



 お姫様らしき人がこちらに向かって頭を下げる。



「私はヒヒヒッヒ王国の姫。タロウです」




・・・ん?




国の名前・・・おかしくね??



 そしてお姫様!?それ男の名前じゃね!?しかも超平凡!!



「先ほど召喚の際に説明しましたが、今この世界は魔王軍に支配されています!もう多くの領土が侵略され、残った領土はごく僅か・・・お願いします!勇者様のお力で魔王軍を撃退してこの国を・・・この世界を救ってください!魔王軍の強さは絶大です!勇者様の力が必要なのです!!」




 ・・・・・・



「あー、いえ、救いたいのは山々なんですけど・・・なんか自分に能力とか付いてたりします?異世界から来た人間に付与される特殊能力みたいな・・・」




 そう・・・俺はただのおっさんなのだ・・・勇者と崇められて世界を救うとかいうのはやってみたいが、それも可能な力があれば!である。現実世界と同じスペックであれば魔王軍どころかそこら辺の兵士・・・いや・・・町人にも劣るだろう・・・




「大丈夫です!どんな屑な人でも異世界の方なら様々な恩恵が与えられているはずです!!どんな屑な人でも!!社会に貢献を全くしていない人でも!!」



「え?マジで?ならまずそれ確認したいんだけど・・・後、屑屑言わないでね・・・おじちゃん傷ついちゃうから・・・」



「おじちゃんとかキモッ・・・分かりました勇者様!ではステータスボードの出し方をご説明しますね!」



「あ・・・ああ・・・お願い・・・するよ・・・」



 もうおじちゃん帰っていいかな?



「ステータスオープン!と言えば目の前に自分のステータスを見る事が出来ます!試しにどうぞ!!」



「なるほど・・・じゃあ・・・ステータスオープン!!」



 そうするとなるほど・・・目の前に透明なボードが出てきた・・・えー、どれどれ



 レベル:999



 力:999


 すばやさ:999


 たいりょく;999


 かしこさ:・・・


 運の良さ:・・・


 攻撃力;50


 守備力:9999



 特殊スキル1;引きこもり[自分の殻にこもり、他のステータスを下げる代わりに、守備力を大幅アップすることが出来る]


 特殊スキル2;単純作業[同じ行動を体力の消費なしに何度でも行うことが出来る]



 スゲエ!ステータス全部軒並み高そうじゃん!!



 でもさ・・・守備力おかしくね!!意味わからんくらい高くね!?


 しかもそんなに守備力高いのに守備力高めるスキルあんのかよ!!いらなくね!!??



 そしてかしこさと運の良さなんなんだよ!?・・・ってなんだよ!?ちゃんと表示しろやコラァ!!



「あの・・・ちょっと聞きたいんですが・・・この世界でやられた猛者たちのステータスって大体どのくらいだったんですか?」



「そうですねえ・・・私が見た中で1番高い人でも300くらいでしたね。攻撃力や守備力も平均して上げていらっしゃる方で全部300くらいでした。」



 マジか!?じゃあ俺凄いじゃん!?


 唯一攻撃力だけ弱いけどこんだけ守備力あればどんな奴と戦ってもそんなにダメージ食らわないだろ!!



 


「お願いします!勇者様!!どうかこの世界を救ってください!!」



「任せろ!!」



 こうしてチートステータスとなった俺は魔王軍と戦うことを決心した!!








「で?魔王軍はどこに?」



「この街の外れまで既に進行しているという話を聞いています!!


早速で申し訳ないのですが私たちの街を救って頂けないでしょうか?」



「お安い御用さ!!」



 そうして俺は案内役の兵士に連れられ、王城を出て戦場へと向かう・・・



 ここから俺の英雄譚が始まる!!!



 そうして戦場にたどり着いた・・・が・・・





































「我はトム!全能の神なり!愚かな人類たちよ!!滅びるがよい!!!」



「我は冥界の王マイク!!愚かなるものたちよ!!冥府へ落ちよ!!」



「我は海王!鈴木 良平!!!!哀しき者たちよ・・・我が海の藻屑としてくれよう!!」



 ・・・魔族???



 あの・・・ごめん・・・神様にしか見えないんですけど・・・



 そして3人とも名前おかしくね!?ゼウスさんは!?ハーデスさんは!?ポセイドンはどうしたんだよ!コノヤローーー!!!



目の前の戦場では3人の100メートルを超える巨人たちが破壊行為を行っている・・・



 それを人間側が抑えようとしているが・・・巨人さんたちが動くたびにその風圧で飛ばされていってる・・・もうこれ居ても居なくても変わらないだろ・・・





「だ・・・だが俺にはこのチートステータスがある!神様だろうがなんだろうがかかってこいやあああああああああ!!!!」




「我の一撃は星をも砕く・・・喰らえ!!神の凄いぱーんち!!」



 その言葉の後・・・俺の体は吹き飛ばされた



「ぐああああああああああああ!!!!!」



 え?なに?今パンチ打ったの?全然見えなかったんだけど?


 そして神様ネーミングセンスゼロか!!!???



 そうして俺の意識は暗転した・・・



「う・・・ん?」



 気づくと俺は建物の中に居た・・・ここは・・・俺が召喚された王城?



 目の前には召喚した時にも居た姫様が居た。



「あれ?俺は魔王軍?と戦ってたはずなんだが・・・」



 そうして姫様を見るが



「おお屑よ・・・死んでしまうとは情けない・・・ほら!もう一回行ってきなさい!」



 姫様はまるでゴミを見るかのような目でこちらを見ている・・・



 しかももう一回行けだと・・・



「ふざけんなアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!この守備力なのに一瞬で死んだんだぞ!!!もうこの世界終わったよ!!無理だよ!!!もうおうち帰る!!!返して!!!」



「屑!あなたの力が必要なんです!その何度死んでも蘇る体!!その腐りきった精神!!使い捨てにしても私たちの良心が痛まないあなたこそ魔王軍への囮役としてふさわしいのです!!」



 俺呼んだ理由そんなのかよ!!??囮役だぁ!?



「そんなんヤダ!!俺もう帰る!!返してくれなきゃ引きこもるもん!!!」



 そうして俺は王城の一室へと駆け込んだ。そこには・・・



 こ・・・ここは・・・食糧庫か!!!しかもなんかこの世界の漫画っぽいのがいっぱいある!!



 ・・・もういいや!!世界滅ぶまでここで暮らそ!!どうせ元の世界に戻るには魔王軍倒さなきゃいけないとかだろ!?無理だもん!!俺引きこもる!!!



 そうして俺はスキル:引きこもりを使い部屋から出なかった・・・



 その後世界がどうなったのかは・・・知らん!!新しい勇者とか来て解決するなり世界このまま滅ぶなり好きにしろおおおお!!!!



 ハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!



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