本作品を読むと、沖田総司は強さと優しさの同居した最高のキャラだと思う。

新撰組を題材に、こんなファンタジーも書けるんだなぁ。それが素直な感想です。
カクヨムで幾つか新撰組&ファンタジーの作品に巡り会いましたが、本作品は最も優しい部類です。ファンタジー要素を活劇強調の道具として使っていない点が長所です。

だったら、新撰組と組み合わせなくても。

そんな指摘も出そうですが、やっぱり沖田総司を外せないから、こう言う組合せです。結核で夭逝した彼だからこそ、儚い感じでいて、骨太の物語が似合うんだと思います。

実際は単なる殺人狂で、若くして死んだから善人にデフォルメされただけかもしれません。でも、こんな人物だったと想像すると、不思議と後世の人間は救われる気がする。そうさせるのが沖田総司なのでしょう。

そう言えば…と、狐繋がりで児童書の「ゴン狐」を思い出しました。あの雰囲気と通底するかも。未読の方には「新撰組のどこが?」と不審に思われますかね。しかし、読んだら、私の意見に同調してくれそうな気がする。