第15話

「これから楽しもうッて時に、邪魔すンじゃねェ~よ……」

 烏丸の手にしたナイフの刃先がキラッと光った。


「フフ…… なんだ。リンゴの皮でもいてくれるのか❓」

 しかし馬場は余裕の笑みを浮かべた。


「ふざけるな❗❗ 今度は、あの時とは違うぜ~ー」


「どっちが、ふざけてンだ❗❗

 お前の所為せいで二人も亡くなったンだぞ」


「るっせェ…… アイツが、八対二ハチ二ーだとか、言い出すからいけないンだァ~ー❗❗」

 やはりデリ彼女 ラブリと強奪した金の取り分で揉めたようだ。


「止めなさい。これ以上、罪を重ねるのは」

 クリスが止めに入ろうとした。


 だが、一瞬早く烏丸が吠えた。

「うォォ~~~ーー❗ 死ねェ~ーー❗❗」

 烏丸が絶叫し地を蹴った。

 ナイフの切っ先がきらめいた。


「くゥ…❗」さすがに馬場も真剣な眼差しだ。

 スッと身体たいひるがえし刃先を避けると、がら空きのボディへパンチを振るった。


「これは、殺されたラブリの分だァ~❗」

 強烈なボディブローだ。


『ボゴォー❗』

 ボディへめり込む鈍い音が響いた。


「うッゲェ……」レバーの辺りにメガヒットだ。


「ゲゥ~…ゥ……」烏丸は苦悶の顔で地面をのたうち回っていた。


「フン、顔面のKOは天国へ……

 ボディブローのKOは地獄の苦しみだ」

 馬場は転げ回って悶絶しそうな烏丸を睨んだ。


「お前のような悪党ヒールは、地獄で悶絶もがき苦しめェ……❗❗❗」


「フフ…… 可哀想に」オレは呟いた。

 おそらく当分は血の小便が止まらなくなるだろう。


 遠くの方からパトカーのサイレンが聞こえた。


 これで事件の方は解決したのだろう。

 



 だが……



 またオレに厄介なトラブルが舞い込んだ。



 

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